このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 関東鉄道龍ヶ崎線とつくばエクスプレス

   最も古いものと最も新しいもの

 関東鉄道龍ヶ崎線は、現存する茨城の私鉄では最も歴史が古く、1900年に今のJR佐貫駅開業と同時に開業しました。当時は762mmの軌道で、1915年に標準の狭軌1067mmになったとのことです。

当初は竜崎鉄道という名前でしたが、鹿島参宮鉄道から関東鉄道になり、今の龍ヶ崎線となったとのことです。距離はわずか4.5kmで中間に駅がひとつあるだけと言うもので、1971年、日本初の普通鉄道ワンマン運転を始めたと言います。

 

 一方、つくばエクスプレスは、1970年代後半に計画が持ち上がり、種々の経緯を経て(省略)第三セクターで2000年開業を目処に、東京駅までの計画を秋葉原として、建設計画が作られた。JR常磐線と同じく、石岡市柿岡の地磁気観測所への影響を避ける為、守谷付近までを直流、それ以北が交流となっている。全線交流としなかったのは、都内のトンネル区間で交流絶縁距離が大きいとトンネルの径が大きく費用がかさむ為ということです。

 そのため、守谷までの電車を直流(TX−1000)専用、つくばまでの電車を交直(TX−2000)と言う2つの電車を所有しています。最終的には、2006年8月開業、茨城を通る私鉄では最も新しくて最も長い路線長58.3kmとなっています。

途中、私鉄やJRとの乗換駅も多く、便利な路線となっており、住宅地としての駅前開発なども進みつつあり、昇降客も多く経営的にも安定しているようです。

 

 龍ヶ崎線に乗るのは初めてですが、つくばエクスプレスには何回か乗ったこともあり、通勤を主体に考えた列車ですから、沿線を見て楽しむといった風情はありません。そこで、今回は、車を使わず、公共交通機関のみで回ってみようと考えました。

最短のコースは次のようになりました。Googleで出したルートをバスで繋いだものです。

 


大甕—佐貫(8:17のJRフレッシュひたちが佐貫に止まる)

佐貫—龍ヶ崎関東鉄道龍ヶ崎線) 帰りは、途中駅の入地まで歩く。

佐貫—取手JR

取手−守谷関東鉄道常総線

守谷—つくばつくばエクスプレス

つくばー土浦関東鉄道バス

土浦—大甕JRフレッシュひたち

JRは、柏までの往復で200km以上となり、ジパングクラブで3割引となります。

後は、全てSUICAが使えるので、切符を買うという手間がかからないのが良い所です。


            今回のルート
 

大甕を8:17に出て、佐貫に向かいます。これが佐貫に停まる数少ないフレッシュひたちです。

佐貫には、9:23に着きました。おそらく、今回が佐貫で降りる最初でしょう。この辺は常磐線の窓越しでしか見たことがありませんが、昔は牛久沼あたりまで見えたと記憶しています。今は立派な駅となっていて駅前広場も日立などよりよほど立派に思えました。

    

大甕駅                               フレッシュ日立

 

佐貫駅前

JR佐貫駅を数十m上野方向に歩くと、龍ヶ崎線佐貫駅です。ここに、昔の気動車や駅、周辺の写真などがあり、それを写真に取ってきました。

 

     龍ヶ崎線佐貫駅

   

 入線した気動車(キハ2000)                               車内

駅で待つこと10分ほど、9:38で龍ヶ崎に向かいます。駅の少し先のカーブを曲がるとあとは一直線。すぐに田園地帯に入りました。気がついたのは、線路の傍を並行して走る道路がないことです。

途中、入地という駅が一つあるだけ。15分もせずに、龍ヶ崎駅です。乗客も結構あり、なんとなく、東京などに出るためのシャトルバスといった感じです。

   

   佐貫を出てすぐに                             入地駅

   

   龍ヶ崎駅へ                               今の龍ヶ崎駅

 

   龍ヶ崎の古い駅                  当時の気動車(龍ヶ崎鉄道資料より)

こちらの駅前は、昔ながらの駅前の風情。龍ヶ崎について、事前に調べた結果では、あまり名所旧跡と言うものが見当たらず、歴史民俗資料館と言うのがあるというのでそこに行こうと思っていましたが、急に思い立って出かけてきたので、地図もありません。駅の傍に関東鉄道の観光案内所があったので、龍ヶ崎の観光案内は無いか聞いてみると、「うちは、国内、海外の観光のみで、龍ヶ崎のパンフレットはありません」と言うつれない返事です。

仕方がないので、駅の横の狭い住宅地の道を進み、少し行くと、道路の向こう側に市役所があるので、そこの総合案内で、町のパンフレットなどをもらいました。

それによると、龍ヶ崎と言う地名の由来は、古代、この地は小貝川、鬼怒川などに囲まれた葦原で、気候の変動で竜巻が起こりやすく、その様が龍の昇天を思わせ、龍が立つ崎と言うことから龍ヶ崎になったとありました。

また、ここは徳川家康が伊達政宗に与えた1万石強の領地ででした。

 

  仙台藩だった 当時の碑(資料館より)

駅や市役所には流通経済大学の広告などがあり、ここと密接な関係があるようです。

市役所の裏を行き、やや暫くすると、おなばけ通りと言う道路があり、その手前に、立派な文化会館などがあり、道路を越すと資料館です。

なぜ、おなばけ通りなどと言うのかと言うと、少し先に、女化稲荷神社という神社がありそれが名前の由来のようです。面白いことにこの神社だけが、牛久市の中の龍ヶ崎市の飛び地となっています。ここまでは、片道3kmほど、歩くのには時間が無く、諦めました。

色々と回ってみるにはやはり車ですね。 

この資料館は、中々立派で、郷土に関する資料も多く発行されているようです。しかし、駅周辺などは開発が進み、昔の町並みといった風情は少なくなっています。

 

資料館の横の岡を少し行くと森の中に馴馬城址と言うのが有りました。中世の城址と言うことですが、今は印の碑が立っているのみです。

    

    龍ヶ崎歴史民俗資料館                     馴馬城址

ここを下って、林の横をしばらく行くと、天台宗来迎院があり、ここに重文の多宝塔があります。これは関東以北で最古の塔と言われ、16世紀に修築したと言う記録のあるそうです。

中々素晴しい塔です。周辺の石塔(墓)も古い時代を表していました。

       

    来迎院                             重文多宝塔

 ここを見て、龍ヶ崎線の方に向かい、これと並行する道をしばし進み、農道を入地駅の方に行きますが、並行する道路が無いので、線路を歩きました。

駅の近くで龍ヶ崎行きの気動車の写真を撮り、駅で数分待って、佐貫に向かう電車に乗って戻りました。

  

抜かし懐かしい用水路(芦が生えている)                     入地付近を走る龍ヶ崎線

佐貫からは待つこと数分で、常磐線の快速で取手に向かいます。途中、昔はよく洪水があった小貝川を渡り、10分間かからず取手です。陸橋を渡ると関東鉄道常総線の取手駅です。

(この列車については別途纏める予定です)

   

  JR快速電車(最近普通車グリーンがついた)                     常総線(キハ2000)

11:38に乗り守谷に向かいます。この路線は、途中の水海道までは、東京への通勤路線と言ってよく、全国でも珍しい気動車の複線路線です。

11:55には、守谷に着きました。これと直交するのが高架のつくばエクスプレスです。

 

   ジーゼルで複線の常総線

   

守谷駅                              駅前広場

   

整った駅の設備                   TX2000型車両 

新しい高架駅で、駅前の開発も進みつつありますが、全く風情と言ったものがありません。

ここで昼食を済ませ、つくばに向かいます。途中、田園風景が見えるところもありますが、基本的には通勤電車で、ともかく、スピード、安全。効率重視と言う電車で、線路を歩くなどと言うことは不可能です。

    

出発                            開発進む沿線

 

また、守谷つくばも駅の案内はまことに不親切。JRの時刻を調べようとしても、どこにも時刻表が置いてありません。

守谷からつくばまで、20分弱で着きます。

 

つくば駅

つくばから秋葉原まで45分ですから、常磐線が不通になっても、緊急時には常磐道つくばまで行き、ここからつくばエクスプレスで東京に行けば、さほど時間のロスが無くいけることになりました。

学園都市は別の機会に譲り、ここからバスで土浦に行き、14:12のフレッシュ日立に乗り15:00に大甕に帰ってきた次第です。

「後記」  つくばエクスプレス秋葉原駅

つくば秋葉原も地下駅です。秋葉原駅は、山の手線の外側に登るようになっており、正面がかのヨドバシカメラです。
内側(電気街)へのアクセスは、新しく出来た山の手線下の通路になります。当初の計画は東京駅までという話もあったようです。

   

秋葉原駅コンコース                             JRへの通路

通路の向こうはヨドバシカメラ

   

電気街への通路                           電気街への出口

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