このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

アンコール遺跡群

アンコール遺跡群

2003年9月3日(水)

Preah Khan(プリア・カン)
プリアカンという名は「聖なる剣」という意味があり、ジャヤヴァルマン7世がチャンパ軍との戦いに勝ったことを記念してつくられた。石碑には約10万人が建設にあたっていたと記されている。数はおおげさにしても、当時の繁栄ぶりがうかがえる。


左:中央祠堂に残るストゥーパ
右:中央祠堂の北東にある非常に珍しい2階建て建築物





Neak Pean(ニャック・ポアン)
ニャック・ポアンとは「絡み合う蛇」という意味らしい。ここでの蛇は「ナーガ」2匹の大蛇により基壇を囲まれた祠堂が中央の池に浮かんでいる。その向かいにはヴァラーハが向かい合うようにおかれている。東・西メボンと同じく、治水に対しての信仰と技術を象徴する寺院である。中央池の四方に置かれる小池が内部の樋口を通して中央池満水時には水が流れ出す仕組みになっている。
中央池の祠堂を拝むようにヴァラーハ(神馬)の彫刻が置かれている。四方の小池には、象・人・ライオン・馬(ガイドブックによっては牛)の頭部をかたどった樋口から水を流し込む手法を施してある。これは治水に長けたクメール農耕文化を象徴したもので、さらにその周りを大池(ジャヤタターカ)が取り囲む。物語性が強く、創作者の意図が比較的感じ取りやすい。満水時の主祠堂の基壇は池に浮かぶように見えて灌水時とは全く違った趣らしい (こんなかんじ) が、私が行った時はほとんど池に水はなかった(おたまじゃくしと蛙はいたが・・・)。


左:池(いまは中央祠堂に残るストゥーパ
右:化身ヴァラーハ



←馬(牛?)  人→
ライオン


トンボ
道端の少年と薬売り



East Mebon(東メボン)
西バライと対になっている東バライ(貯水池)の中心部に浮かぶように建設された遺跡。(東の水は現在は枯れている)時の王により建設されたシヴァ派の寺院で9年後にはプレ・ループも同王により建設されている。クメール建築の三大建築材であるレンガ・砂岩・ラテライトが使い分けられたり、木造屋根の痕跡などが残されているところもあり、それぞれの構造も変化に富んでいる。 遺跡はピラミッド型で、二重の壁で構成されており、周壁各4隅に置かれている象が印象的。内側の壁はそのままピラミッドの1段目を構成しており、その上に2段の基壇が重ねられ、そして主祠堂・経蔵がたてられている。

入り口正面。牛が当たり前のように横切っていった。


東以外の3面には偽扉が施されている。


写真を一緒にとってくれたお礼にドロップをあげました。


四隅にいる象。



Pre Rup(プレ・ループ)
東メボンの南約1.5kmのところにある。同様のつくりだがこちらのほうが壮大である。プレとは「change」、ループとは「body」を意味する。体を変えるとは、すなわち死者となることを意味する。

道端の露店



Sras Srang(スラ・スラン)
王様の沐浴のための池


Ta Prohm(タ・プローム)
仏教寺院とも病院だったともいわれている。後にヒンドゥー教の寺院に改宗されたも見られている。東西1000m、南北600mものラテライトの壁に囲まれた広大な敷地の中にあり5000人以上の僧侶や踊り子がここを祈りと生活の場としていた。この地の自然の力を明確にするために樹木の除去、修復、積み直しなど一切手を下さずに、置かれている。自然の驚異の中、その神秘的さを感じさせる貴重な遺跡である。熱帯の巨大なスポアンに覆われ、押しつぶされそうになりながらも寺院としての体裁を保っている。少しずつではあるが確実に崩壊している・・というか、自然と歴史が一体化しつつあると言った方がいいかもしれない。
巨大なスポアンの根の広がり



Ta Kev(タ・ケウ)
「クリスタルの古老」という意味を持つこの寺院はジャヤヴァルマン5世によって11世紀初頭に建設が始められたが、王の突然の死によって建設は中止となった。そのため、アンコールの寺院としてはめずらしく、彫刻がほとんどない寺院となっている。


このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください