このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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鏝(こて)絵の世界

茅葺民家を写してゆく中で、道路沿いの土蔵に鏝絵があるのを見かけ、また、鏝絵を紹介されている方のホームページを拝見し、 茅葺民家だけ写しているのは勿体無いと思い、私も鏝絵を探しては写す様になりました。                   鏝絵は土蔵の壁とか扉に書かれていて、題材は龍が多いです。                               そのほかには、亀とか獅子、鶴なども多いようです。一番多いのは龍の字や家紋ですね。                   何で龍なのでしょう?。竜神は水に通じるので、蔵を火事から守ると言うことでしょうか。                 

  

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撮影:H18.11.12
   会社の同僚から、島根県六日市(現吉賀町)に素晴らしい鏝絵があることを教えてもらい、何度か行こうとしたのですが、 去年の台風の豪雨災害で道路が壊れ、復旧作業が行われていてなかなか行けず、半年ほど待ってやっと       行くことができました。若奥さんでしょうか、ちょうど掃除をされていたので撮影の許可をいただきました。    しかし、この鏝絵は素晴らしい。今まで見たことが無いデザインですし、大きさもまた今まで写した中でも一、二  だと思います。普通の鏝絵ならば、順番からして下のほうに掲載するのですが、一番上にさせていただきました。 右の鏝絵は同じ土蔵の反対側に描かれています。こちらもまた手が込んでいて素晴らしいです。         
   
   
この鏝絵を写しに行き、下の田んぼから写していると、奥さんが出てこられ、 お話を伺うことが出来ました。出来てから20年ほどたつそうです。 元は彩色されていたそうですが剥離してしまい、角も片方が折れてしまった そうです。国道からも目立つので、写しによられる方が多いとか。   


左の鶴の鏝絵は、茅葺民家を写させていただいた家の土蔵に有ります。 ご主人に撮影の許可を頂き、前日写した家の方の写真を差し上げました。 雑誌にも紹介されていて、その雑誌の写真も見せてくれました。 右の鏝絵は、左の鏝絵の家から車で数分のところにありますが、残念なことに 上のくちばしが折れてしまっています。両方とも同じ職人さんの作品のようです。

左の龍が漫画で言えば劇画的なのに対して、右の龍はお笑い漫画に出てきそうな感じがして 何かユーモラスです。 土蔵は蜂にとっても安心できる場所なのでしょうか。左の龍の上にはスズメバチの大きな巣が あります。

左の鏝絵は唐獅子牡丹ですね。右は日の出と老い亀で、縁起物ですか。   でも何で唐獅子牡丹なんだろう?。粋な方が住んでおられるのでしょうか。 それとも泥棒に睨みを効かせているとか。              

見つけた龍の鏝絵の中では一番大きいのですが、悲しいかなかなり剥げ落ちています。 土蔵も立派ですし、修復されたら素晴らしくなるのでしょうけど。        

龍や亀の次に多い感じの恵比寿様。            この龍を見つけたときには、驚きました。                                  横向きばかりの龍が、正面を向いているのですから。

大黒様です。 唐獅子と菊の花です。上にも角のある唐獅子があります。 多く居られてもよさそうなのですが、あまり見ません。

何かユーモラスな龍ですね。上のとはずいぶんと印象が違います。   何と男前の恵比寿様じゃないですか。
                          
                              
                       
     これは何の意匠でしょう?。             なかなか迫力のある龍です。色彩していれば◎。
 
この両方の鏝絵は、同じ蔵に描かれています。最初打ち出の小槌を写し、隣の土蔵の鏝絵を写して 振り返ると、竜の鏝絵が有るではないですか。普通片方の壁にしかない場合が多いのですが。

両方の鏝絵とも、島根県六日市町(現吉賀町)で見つけました。鏝絵も多く写しましたが、般若面は初めてです。      右の竜の鏝絵は、ご主人にお話をうかがうことができました。ご主人が生まれた年に造られたそうで、75年たつそうです。 以前は鶴も一緒にいたということですが、壊れてしまったそうで、残念でした。                 

恵比寿様 那須与一

共に廿日市市内で見つけました。左は恵比寿様と大きな鯛。右は那須与一が屋島の戦で扇を打ち落とした場面。 この周辺にはまだ何箇所か見受けられたので、いずれじっくりと探してみたい場所です。         


竜虎戦う 牛に乗った金太郎
左は竜虎戦うの図の鏝絵ですね。想像上の天空の王者竜と地上の王者虎が戦っています。   右は黒牛に乗った金太郎さん。上から誰かが見つめています。でも普通金太郎さんが乗るのは熊なのだけど。

打ち出の小槌も良く見かけるデザインです。我が家にも是非一つ欲しいアイテムですな〜。

実はこの恵比寿様の前は14年も車で通っているのに、      この鳳凰の鏝絵は、島根県の保存茅葺民家の土蔵に有ります。 よそ見すると危険な為つい最近まで全く気付かなかった。                                         

     
左は岩国市美和で見つけた、大黒様と恵比須様が 並んだ鏝絵。片方だけのは時々見ますけどね。右は、う〜〜ん。もしかして童話「花の好きな牛」かな?。

この鏝絵は同じ土蔵に有ります。左側は鶴に老亀ですね。右側は多分布袋さんだろうと思うのだけど、よく判りません。

     
アメリカ海軍の司令部だそうです。              平面的な鏝絵の多い鶴ですが           まあ冗談でしょうし、鏝絵でもないだろうけど面白い。     これは翼が立体的で、なかなか凝っています。   そういえば右側の黒い瓦は黒船の帆だ。                            

       

        とてもリアルなお顔の大黒様。山口県吉賀町で。      鯉が跳ねたところかな。滝なら登竜門なのだけど。広島市安佐南区沼田町。


左のこて絵は、広島県大竹市小方町にあります。撮影していると奥さんが出てこられたのでお話をうかがうことが出来ました。 それによると、近年、色を塗り替えたそうで、以前はもっと重みのある良い色だったそうです。右は広島市佐伯区五日市町に 有ります。前々から存在は知っていたのですが、写す機会が無くてやっと写してきました。鶴と亀、そして老松がいいですね。

左の鏝絵は、島根県大田市の世界遺産、石見銀山のある大森の町外れにあるお寺の土蔵にあります。あまり大きくない土蔵なのですが   鏝絵は素晴らしいものです。私は銀山よりこちらの方が凄いと思いました。右の鏝絵は、広島市安芸区瀬野川にあります。国道2号線を  走っていて見つけました。龍が一匹の鏝絵は多いですが、二匹のは初めて見ました。                        

この二つの鏝絵は、広島県廿日市市原にあります。上のほうの大きな鯛を抱えた恵比寿様と、屋島の戦で矢を放つ、那須与一のある土蔵の近くにあります。 牛に乗った童と、大きな桃を持った金太郎さんです。金太郎さんはベンガラが雨で流れて茶色になっていますね。                   

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