このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

爬虫類としての鰐

『鰐』は爬虫類であります。爬虫類の仲間としては他に、蛇、蜥蜴、ヤモリ、亀、イグアナ等がいます。鰐は爬虫類の中では大型の動物であると共に、大きく発達した脳を持ち、とても賢い動物であります。
その姿は、太古の地球上に君臨した恐竜の姿を彷彿とさせるものです。言い換えるならば、恐竜の姿を今日に伝える、貴重な動物なのです。

『鰐』は、学術的に『クロコダイル科』『アリゲーター科』『ガビアル科』の3科に分類されます。最も特徴的なのは『ガビアル科』『インドガビアル』1種のみであります。外観的に他の2科と大きく異なるのは吻(ふん)で、その形状は細長く、餌となる魚を捕らえるのに適しています。

一方、『クロコダイル科』には

『ニシアフリカコビトワニ』
『コンゴコビトワニ』
『ナイルワニ』
『ヌマワニ』
『グァテマラワニ』
『シャムワニ』
『キューバワニ』
『イリエワニ』
『セイロンイリエワニ』
『ニューギニアワニ』
『フィリピンワニ』
『オーストラリアワニ』
『アフリカクチナガワニ』
『マライガビアル』

と、亜種を含み14種の鰐がいます。

また『アリゲーター科』には、

『ヨウスコウワニ』
『ミシシッピーワニ』
『メガネカイマン』
『パラグアイカイマン』
『アパポリスカイマン』
『クチヒロカイマン』
『ブラジルカイマン』
『コビトカイマン』

と、亜種を含み8種の鰐がいます。

『クロコダイル』『アリゲーター』の外観上の違いを見てみると以下の様であります。
『クロコダイル』は口先が細く尖っている他、下顎の第四歯が表に出ており、見た目に凶暴な顔つきをしています。実際の話、性格も獰猛であり、人間を襲う事もあります。
一方、『アリゲーター』は口先が丸みがかっており、下顎の第四歯は上顎の穴に収まる様になっています。前者同様に人間を襲う事もありますが、性格は比較的おとなしめです。

『鰐』は、爬虫類故に自分で体温を調節する事が出来ません。従って、気温が低くなると体温も下がってしまい、動く事が出来なくなってしまいます。
また、長く水の中にいて体温が下がってしまっても動けなくなるので、時々陸に上がっては日向ぼっこをして体温を上げ、再び水の中に戻って行きます。
反対に、暑くて体温が上がりすぎる時には、陸に上がって吻を大きく開け、体温を下げる様にします。
『鰐』の世界も結構大変なのです。

『鰐』は優秀なハンターであります。獲物となる動物には悪いですが、実に見事な狩りをします。水辺に近づいてきた獲物に気配を殺して忍び寄り、隙を見て一気に仕留める。時にはその頑強な尻尾で獲物に一撃を加える。これでは獲物はひとたまりもありません。そして捕らえた獲物をくわえたまま勢いよく体を回転(ローリング)させ、食いちぎって捕食します。『鰐』の歯は獲物を捕食する為ではなく、獲物をくわえて離さない為にあるのです。

『鰐』は陸上ではゆっくりと歩きます。いや、動いている事よりもじっとしている事の方が多いくらいです。しかし意外な事に『鰐』はとてつもなく速く走る事もあります。その速さ、実に60km/h!
こんな速度で追いかけられたらすぐに捕まってしまいます。ところが、速く走る事は出来ても急に向きを変える事は出来ない様で、もし『鰐』に追いかけられたらジグザグに走れ、とは云いますが、果たして…。
ちなみに、この『60km/h』というのは以前家内から聞いた話なのですが、改めて「本当か?」と尋ねてみると「瞬発力はある」と返ってきました。と云う事は常時そんな速さで走る訳ではない…と云う事は加速度だろうか。少し疑問です。

ところで、『鰐』の生息範囲は主にアフリカ、インド、東南アジア、オーストラリア北部、中南米等、赤道付近の熱帯及び亜熱帯地域中心であります。
従って、温帯である日本近辺には居ないのですが、唯一例外があります。それが『ヨウスコウワニ』です。その名の通り中国の揚子江流域に生息する『鰐』で、その昔は龍のモデルにもなっていました。

そう、実は『辰年』というのは誤りで『鰐年』が正しいのであります。


参考:熱川バナナワニ園ホームページ『ワニの概説』『当園のワニ』

体温調節中


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