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大正期から昭和初期にかけて、阪神急行電鉄は宝塚から有馬、そして有馬側から六甲山上へと電力供給事業を拡大しました。それにともない六甲山上付近の開発が進んだことから、昭和6年(1931年)に観光客輸送用の六甲登山ロープウェイが阪急系列の六甲登山架空索道株式会社によって建設されました。
翌昭和7年には、阪神電気鉄道系列の六甲越有馬鉄道(現・六甲摩耶鉄道)によって六甲ケーブル線も建設され、阪急と阪神による六甲山登山客の奪い合いとなりましたが、両路線ともに昭和19年(1944年)に不要不急線の指定となり、六甲登山架空索道は同年にそのまま廃止となりました。 |
| 画像左は六甲登山架空索道の乗車券です。
乗車券の種類や発行日等は不明ですが、半分でちぎられているところから往復乗車券の一種のようです。券面上部には「継券」の文字も見えますので、乗継券のようなものであったのかもしれません。
地紋・透かしは無く、「索」の文字を六つの「甲」の字が取り囲む六甲登山架空索道株式会社の社章が中央に印刷されています。
ちなみに競合路線となった阪神系列の「六甲越有馬鉄道」の社章は六甲の2文字を縦にならべて図案化したものでした。 |
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画像右は六甲登山架空索道株式会社が昭和10年ごろに発行した沿線案内で、名称が「六甲登山ロープウエイ」となっています。
一番上には「六甲登山は阪急電車」の文字が印刷され、阪急系列の会社であることを示しています。
画像下は沿線案内を横に広げたものです。
料金は以下のように印刷されています。
六甲登山ロープウエイ
「阪急六甲駅下車 バス連絡 片道35銭 往復65銭」
「阪急六甲より バス・ロープウエイ共 片道50銭 往復80銭」
「梅田より阪急電車 バス・ロープウエイ共 片道90銭 往復1円50銭」
「神戸より阪急電車 バス・ロープウエイ共 片道60銭 往復90銭」
(小児半額) | |
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六甲登山ロープウェイ 「六甲山登り口駅」 |
「六甲山登り口駅」から山上方面の景色 |
六甲登山ロープウェイの離合風景
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ロープウェイの上に保線員
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後方に神戸の街と神戸港に停泊する船 |
六甲登山ロープウェイ 「六甲山上駅」 |
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阪神急行電鉄は北摂や六甲方面にハイキング客を誘致するため、大正時代よりさまざまな冊子を配布していました。
画像上は六甲登山架空索道(六甲登山ロープウェイ)開通前の昭和4年ごろに配布された、阪神急行電鉄株式会社発行の「六甲登山案内図」です。「阪急食堂」「阪急クラブ」「阪急無料休憩所」などが六甲山上で運営されていたようです。 |
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画像上は六甲登山架空索道(六甲登山ロープウェイ)開通後に阪神急行電鉄株式会社より発行された「六甲登山案内図」です。表紙は「一番速くて御便利な 六甲登山は阪急電車」となっています。 |
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