このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

      9-8-01、NHK全国学校音楽コンクール、2008(平成20)年の感想1      (制作…09.1.5)


 ここでは、2008(平成20)年、第75回NHK全国学校音楽コンクールの感想を公開します。
ここでは全国大会の感想を書きました。

◎…金賞、 ○…銀賞、 ▲…銅賞  時間は演奏時間  人数は公式ページから抜粋

1、小学校の部 課題曲…この☆のゆくえ  参加…11団体12校
▲ 1、佐賀県伊万里市立伊万里小学校  自由曲…だれも知らない から「兄弟」  35人
 3年連続4回目だが、3年連続トップバッター。学校創立135年を迎えた。

  課題曲 時間…3:04
  昨年同様女子のみ。「かえる」にスタッカートを入れて工夫。昨年より明らかに迫力が増す。
 テンポはいじらず一定。
  自由曲 時間…3:47
  迫力は女子だけにしては十分。今年はよく響いていると思う。
 まとまりは悪くはない。

  ここ3年で比較すると昨年より明らかによくなっている。力をつけてきているのは明らかだ。
 演奏順が後半になると真の実力が問われるが、楽しみな存在になってきた。


・ 2、東京都町田市立鶴川第二小学校  自由曲…「きっとなにか」  35人
 全国は初出場だが、関東甲信越も初出場だった。

  課題曲…3:21
  男子6人。ここも「かえる」にスタッカートを入れた。テンポはかなりゆったりだが、
 長い音符部分はちょっと伸ばし切れていないか。
  自由曲…3:48
  男子6人。初出場ながらまとまりそのものは悪くないと思う。バランスも悪くないが、
 決め手はというとそう感じず。

  今年全国に進んだことはおおきな経験になるだろう。強豪ひしめく東京都突破は楽ではないが、
 かなりうるさい存在になったか。安定突破までは時間がかかるが。


・ 3、山口県下関市立豊浦小学校  自由曲…だれも知らない から「兄弟」  35人
 3年ぶり5回目。部員は66人とかなりの人数をほこる。

  課題曲…3:14
  男子1人。「かえる」にスタッカートだが、先の2校と比べると微妙。「とぶ」も若干はねた感じ。
 表情は楽しんでいる感じで、ハーモニーもなかなかだが、後半はちょっと…。
  自由曲…3:51
  男子2人。先の伊万里小学校に比べるとハーモニーがいい。ただ、声の大きさは伊万里小学校より足りず。
 人数の割に声が出ていないのが引っかかってしまった。

  またしても優良賞で終わってしまったが、実力は通用するものをもっている。
 声さえしっかりと出せば受賞できると思うが。


・ 4、東京都成城学園初等学校  自由曲…虹がなければ から「虹がなければ」  35人
 全国は初出場。学校のキャラクター「どろだんごくん」で話題。

  課題曲…3:06
  男子4人。「かえる」はのばした。テンポは直前2校に比べると早いか。少し自信がないところ?が部分的にあった。
 もう少し芯が通れば。
  自由曲…3:52
  男子7人。2年前に大岡山小学校が演奏しているので当時と比較してしまうが、全体的にやはり見劣ってしまう。
 ハーモニーは微妙だが、声はしっかりとしていた。

  この全国出場を糧にすれば躍進できそうだが、東京都は層が厚いために、来年はどうか…。
 ただ、簡単にはさせない存在ではあるだろう。


・ 5、福島県郡山市立大島小学校  自由曲…「そのときぼくがそばにいる」  35人
  2年連続3回目、昨年銅賞。郡山市は合唱の町で有名。

  課題曲…3:05
  男子3人。昨年同様こもり声だが、今年は明るみがある。姿勢は一番いい。
 強弱にメリハリがあっていいと思う。
  自由曲…3:45
  男子4人。さすがにまとまりがある。相変わらず姿勢がいい。
 声そのものは上々だが。

  今年は残念だったが、実力はかなり高い。姿勢はどこも見習ってほしいと思う。
 来年の東北枠は再度2つあるので、巻き返しに期待。


◎ 6、東京都星美学園小学校  自由曲…だれも知らない から「日本の高い空」  35人
  2年連続7回目、昨年は過去最高の銀賞を受賞した。合唱部は聖歌隊。

  課題曲…3:07
  男子1人。驚いたのは昨年と声質が全然違い、こもり気味だったこと。しかし、重苦しくはない。
 ムダのない完成度の高さが光った。
  自由曲…3:55
  男子1人。この曲にはこの声質があっているのか、重厚感があってよく思う。
 バランスなどもきれいに整っている。

  悲願の金賞達成だが、強敵がいなかった今年は順当だったかも。来年の東京都は厳しい戦いになるが、
 力をつけた今なら自由曲選びを間違えなければ。


○ 7、青森県弘前市立小沢小学校  自由曲…津軽民謡風俗めぐり から「あいや幻想節」  35人
  全国初出場。自由曲に地元民謡を取り入れる試みをしてきた。

  課題曲…3:06
  男子3人。直前の星美学園小学校よりちょっとこもっているか。出だしは軽快なペースもその後落ち着く。
 ところどころ甘さはあったが、そんなに目立っていない。
  自由曲…3:51
  男子3人。こもり声の割に重厚感は足りなかったが、メリハリはついている。雰囲気も伝わってくる。
 ちょっと声は無理している感じがあった。自由曲だけならここまでで一番だと思う。

  いきなり銀賞で青森の存在を示した。ただ、自由曲に助けられた印象があるので来年はどうか。
 来年は真価が問われそうだ。


・ 8、三重県三重大学教育学部附属小学校  自由曲…小さな神さま から「3つの小さなうた」  30人
  昨年に続いての出場。合唱部の創立は2004年とまだ浅い。

  課題曲…3:00
  男子11人と多い。今までと学校と違いさわやかな声が印象に。からだいっぱい使っての演奏は好感がもてた。
 ただ、声がちょっと軽かったのが残念だ。迫力はもうひとつで。
  自由曲…3:51
  男子11人。迫力はブロック大会ほどではない(会場が響かないせいか?)が、完成度に関しては上がった。
 メリハリに関しても悪くなく上々。

  まだ上積みがかなり見込めるし、ここは一気に成長するだろうと思う。
 銅賞を十分狙える力になりつつあるが、東海北陸は大混戦でここも抜けた存在ではない。成長が待たれるところ。


▲ 9、愛媛県愛媛大学教育学部附属小学校  自由曲…だれも知らない から「兄弟」  35人
  4年ぶりだがこれで48回目の出場は、全部門通して最多出場。松山市の中心部にある。

  課題曲…3:08
  男子6人。前の5校よりはゆったりっぽい演奏。完成度も高いしハーモニーもいいし、さすがは古豪。
 欲をいえば、4年前同様、まとまりか。
  自由曲…3:52
  男子8人。迫力は自由曲がかぶった2校より上。そして、まとまりなどもこっちが上だと思う。
 やはり実力校だけに完成度も高い。

  銅賞と盛り返しつつある。今年は演奏順にも助けられた印象だが、実力はやはり高い。
 第二次黄金期は来るかもしれない。


・10、兵庫県神戸市立住吉小学校  自由曲…「満月の不思議ポロロッカ」  35人
  全国は初出場。学校創立は135年と長いが、合唱部はまだ4年目。

  課題曲…3:10
  男子4人。「まっかっか」がのびてしまったのは微妙な感じ。まとまりもやはり足りなかったか。
 ペースはゆったりめなのはむしろいいと思う。
  自由曲…3:50
  男子4人。声は変わってこもり気味だが、この曲にはこれでいい。「水平線」は4年前の美しが丘小学校と比較するとゆっくりすぎるか。
 後半は上々だが、グッとはこなかった。

  初出場でこれだけやれれば十分。兵庫県に楽しみな存在が出てきた。
 同じく神戸市立桂木小学校と力差は大きくないと思う。


・11、北海道札幌市立美しが丘小学校・平岡中央小学校  自由曲…「あひるとカンガルー」  35人
  常連の美しが丘小学校と、初出場の平岡中央小学校と合同で挑む。

  課題曲…3:15
  男子6人。声は澄んでいていいと思う。ハーモニーもよく、レベルは高いと思う。
 おしまいもゆったりといい感じ。
  自由曲…3:48
  レベルはかなり高いと思う。過去の美しが丘時代よりは間違いなくよくなっている。
 ハキハキとしていい。

  この合同参加はこれからもあってほしいと思う。実力はもうそんなに差はないと思っている。
 悲願の受賞は遠くないが、鍛えてきたら更にやれる。


  今年の自由曲はグッと来るものがなかったが、上手だな、と思える演奏はやはり多い。
 まだどんどんと聴いていったらどうなるかわからないが…。 これからが楽しみな学校もあった。
 しかし、関東甲信越を中心に展開するのはこれからも変わらないだろう、と思う。
 今年は東京6連覇だったが、関東甲信越も6連覇。まだ続くのだろうか。


戻ります

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください