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「セントラルライナー」の考察No.2
乗車整理券料金(310円)は適正価格か?

発駅
名古屋金山千種高蔵寺

高蔵寺24.0
400
77.5%
20.7
320
96.8%
16.9
320
96.8%


多治見36.2
650
47.6%
33.9
570
54.3%
29.1
480
64.5%
12.2
230
134.7%
土岐市43.2
740
41.8%
39.9
650
47.6%
36.1
650
47.6%
19.2
320
96.8%
瑞浪50.1
820
37.8%
46.8
820
37.8%
43.0
740
41.8%
26.1
480
64.5%
釜戸57.5
950
32.6%
54.2
950
32.6%
50.4
820
37.8%
33.5
570
54.3%
武並62.9
1110
27.9%
59.6
950
32.6%
55.8
950
32.6%
38.9
650
47.6%
恵那68.3
1110
27.9%
65.0
1110
27.9%
61.2
1110
27.9%
44.3
740
41.8%
美乃坂本73.5
1280
24.2%
70.2
1110
27.9%
66.4
1110
27.9%
49.5
820
37.8%
中津川79.9
1280
24.2%
76.3
1280
24.2%
72.8
1280
24.2%
55.9
950
32.6%
【備考】上段:乗車距離(km)、中段:普通運賃(円)
下段:「CL」利用における割増負担率(%)
『中央本線名古屋−中津川間を走る座席定員制の「セントラルライナー」は、 わずか310円の乗車整理券をプラスするだけで座席の保障がされるため、同線の“定番商品”に成長した。』(「鉄道ピクトリアル」No.702、2000年6月号・徳田耕一「JR東海3月3日ダイヤ改正の話題」)

鉄道専門誌でこのような記事が掲載されたが、「セントラルライナー」(以後「CL」と略します。)の 乗車整理券料金は「わずか」「だけ」で済む程度なのだろうか。そうであるなら、なぜ 利用者から「実質値上げ」批判が出たり、「CL」自体の乗車率が芳しくないことが起こったのだろうか。

そこで、「CL」の乗車整理券料金(310円)は、乗客が利用するうえで適正な価格であるかどうかを 考えてみたい。

左表は「CL」を利用して、名古屋・金山・千種の各駅から高蔵寺及び多治見〜中津川の各駅間の相互間 利用する場合の表である。上段は乗車距離(km)、中段は片道普通運賃(円)、そして下段は「CL」利 用の際に必要な乗車整理券料金が、運賃に対してどの程度の割増料金になるかを割合(%)で示したもの である。

「CL」乗車整理券は定額制のため、遠距離乗車するほど軽減される。一方、多治見〜瑞浪では乗車区間に よって異なるが37.8〜64.5%の割増率となり、乗車整理券料金は利用者にとって重荷となることも十分に 考えられる。

今度は「CL」のスピードや車内設備の観点から、乗車整理券・310円の価値を考えてみたい。

【スピードの観点から】
すでに 「セントラルライナー」の改善点 で述べているが、 「CL」は名古屋〜中津川間の所要時間を最短62分に短縮した。そのうち、名古屋〜多治見間は従来 最短33分かかったところ、最短26分に短縮した。これは既存の快速列車と比べ所要時間を21.3%短縮する ものであり、名古屋市内〜多治見間を利用する場合に「CL」乗車整理券(310円)の価値が最大限に発揮 されると見られる。一方、土岐市〜中津川間では「CL」の性格上(快速列車の振り替えのため)各駅停車 となり、所要時間の短縮が行われなかったので、スピードに対する310円の価値は高蔵寺・多治見ほどでは なくなると見られる。

【車内設備の観点から】
「CL」の座席はJR東海管内で運行されている、313系列車の座席がややグレードアップしただけのもので、 実際は快速列車で使われる転換クロスシートであり、リクライニングなどの機能はない。また、座席によ っては景色が見づらい座席や進行方向と逆を向く座席もある。また、乗車整理券は事前購入できないこと もマイナス要素である。車内設備からは310円の価値は見出しにくい。

・まとめ
結局、「CL」の乗車整理券料金・310円は利用者にとっては割高だと思う。この310円は既存の「ホーム ライナー」の乗車整理券料金(310円)の影響で設定したのだろうが、乗客数の少ない昼間中心の列車に、 朝夕という特殊な事情で設定された価格設定論理を押し付けて良いのだろうか。JR東海は「CL」に異常 なまでの付加価値を添付しているように思える。しかし、列車自体の中途半端さが、この列車の魅力や付 加価値を削いでしまっている。現に名古屋市内〜高蔵寺・多治見といった、比較的短距離の「CL」利用 があるが、乗車整理券料金はあまりに割高であり、これではリピーターを獲得するのは難しい。利用者は シビアである。「CL」は名古屋市内〜高蔵寺・東濃地方間の利用者を確保するためにも、均一210円への 値下げや対距離制の導入を検討しても良いはずだ。

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