北部九州リターンズその2

2月27日(月)

この日はホテルに荷物を置き、松浦鉄道を乗りつぶしに出かける。筑肥線で伊万里入りするので、まずは唐津を目指すために地下鉄博多駅へ。9時12分に西唐津行き快速があるので、それに乗って行くプランを立てたのだ。

福岡市営地下鉄は、夏に天神まで行くのに乗って以来。今回は天神よりも先まで乗るのでちょっと楽しみである。6両編成の新型305系が来た。ロングシートだがドア脇の座席のみ背もたれが頭まであり、乗り心地は良い。トイレまでついている。

↑ロングシートだが、関東のそれとはもはや似て非なるもの                ↑左がトイレ。広告が額に入れられてるってありえねぇ…!

姪浜から地上に出る。下山門を過ぎ、しばらく走ると博多湾が見えた。陸地に戻ると九大学研都市。九大伊都キャンパスがないかと目を凝らしたが、駅から数キロ離れているそうなので、見つかるはずもなかった。ここを知ると中大めっちゃ便利だと思う。

筑前前原からは単線に。駅舎も木造が増え、一気に鄙びてくる。ここからは快速運転である。駅間も延び、浜崎からは佐賀県内に。和多田で唐津線と合流し、西唐津には10時26分に着いた。

↑一応スゴカは使える西唐津駅                           ↑駅前は住宅街

↑折り返し列車は103系                               ↑トイレ装備。

唐津まで折り返す電車は305系ではなく、直通運転当初からの103系。外見は阪和線のソレとは似ても似つかない。105系のほうが近い。

1駅戻って、唐津駅で下車。ここは2016年冬に流行ったユーリonICEの聖地だったらしく、駅にはポスターが張られ、2人しかいない観光協会職員は問い合わせに手いっぱいであった。流行アニメの力は凄い…!

↑唐津は近代的な高架駅舎。                           ↑アニメの作中モデルとなった商店もある。

ユーリはそこまで追っかけていなかったので、伊万里方面の列車を待つ40分程度でとりあえず裁判所を見に行く。

↑佐賀地裁唐津支部                               ↑裏手に少し歩くとある地検支部

ここは単独庁である。建物の大きさから、旧甲号(合議取扱庁)支部だろうと思ったらその通りで、昭和58~62年の合議事件平均既済件数は10件という少なさであった(ジュリスト954号61頁)。

なお日弁連によれば、地検支部は副検事のみ常駐らしい。

ここの支部から本庁と福岡地裁は所要時間が一緒だろうなぁ…などと考えながら裁判所を後にした。すぐ近くのバスターミナルビルには法律事務所が入居していた。

まだ時間があったので、旧唐津銀行を見学。外装、内装ともに日本近代の西洋建築で素晴らしい空間であった。銀行にプライドと権力があったころの息吹を感じる。

↑この空間が無料!唐津にお越しの際は是非お立ち寄りを。

駅に戻り、今日の昼食とおやつを買い込み、伊万里行きのキハ125に乗り込む。なんとか進行方向右手のボックス席に座れた。

鄙びた山間を軽快なエンジン音で走り、12時12分に伊万里に着く。伊万里は三セクになってから線路が分断され、県道を跨ぐ形の駅舎が立ち、一方が松浦鉄道、もう一方がJRになっていた。

4分接続だったので少々焦りながら駅構内を走り、無事有田行きに乗り込んだ。

有田までは30分弱。三セク後に開業した駅と国鉄時代からある駅の差が激しく、それを見ているだけでも楽しい。各駅に地元の後援組織の絵が飾ってあったりして、マイレール意識の強さを感じた。12時44分有田着。

↑有田駅                                     ↑駅前。小奇麗なお店もあり、観光振興頑張っている。

←↑往時をしのばせる広い構内に、コンテナが所せましと並ぶ。貨物ホームもある。

このように一見すると鉄道貨物が旺盛のように見えるが、これはオフレールステーションなので貨物列車の設定はない。悲しいなぁ。鵜殿貨物もトラックに切り替わってしまったし、地方は幹線レベルでも貨物が無くなっていくのだろうか。

そんな悲しみを覚えつつも、松浦鉄道完乗に向けて、ひとまず伊万里まで引き返す。

伊万里駅では10分弱の間に座席を確保して近所のローソンまで走り、軽い昼食(アメリカンドッグ)を買った。

昼下がりの車内はそれほど混雑していない。悠々と昼食を採り、途中駅の新しさで三セク後の新設駅かどうかを見極める遊びなどをする。途中からは伊万里湾の眺めも楽しめる。

↑伊万里駅で乗り換え。直通はしていなさそう                     ↑1人掛けクロスシートがあってよかった。転換できればよりよかったが…

↑松浦駅で列車交換                               ↑たびら平戸口駅のねこ駅員さん(=^・^=)

伊万里湾ののんびりとした景色ばかりでなく、松浦火力発電所や平戸大橋といった人類の経済活動も垣間見る事が出来、飽きることがない路線だった。行くのはちと不便だが、人生1度は乗りに来るべき路線だと思う。

伊万里からは2時間半、途中の佐々からは本数も増え、佐世保近郊の地域輸送を担っている感じが伝わる。折しも高校生がたくさん乗ってきた。帰宅時間と重なったのだった。

佐世保中央で途中下車してみる。ここは商店街の真ん中にあると聞いていたが、高架で商店街のアーケードに突っ込んでおり、想像以上の真ん中ぶりだった。

↑佐世保中央駅はホームが狭く、その割に利用者が多いのでちょっとこわい。      ↑駅入り口。高架は高く、3階分階段を上がることに。。

↑駅前はこの狭さ                                ↑アーケードに出っ張る松浦鉄道の高架。

↑高架下はこの通り、ちょっとしたガード下空間が展開する。先ほどの駅前といい、好きな人にはたまらないレトロな雰囲気だろう。

↑2~3本列車を粘り、国道35号にかかる鉄橋を走る姿を撮った。佐世保市街はマンションもあり、都会の雰囲気が漂う。特に伊万里からはるばる来た身には都市に思えた。

写真を撮り、付近のアーケード街やジャスコを散策し、美術館でトイレを借りて中佐世保駅に向かう。ここは日本で一番駅間の短いところ(200m)で、なるほど歩いて数分で着いてしまった。中佐世保駅から長崎地裁佐世保支部が近いそうだが、今回は列車の都合で寄らなかった。

↑中佐世保駅入り口                            ↑こちらもなかなか高いところ

↑年季の入った待合室                           ↑ここから佐世保中央まで乗る客はさすがにおらんだろう。北佐世保までは2キロ離れている。

↑北佐世保方面。家やマンションが際まで建ち、長崎並の坂の街であることを感じさせる。↑佐世保中央方面。このマンションうるさくないかな。

←佐世保行きに乗り込む

通学の中高生に混ざって佐世保駅に向かう。佐世保は高架駅になっており、駅前は小奇麗になっている。松浦鉄道は駅の端に申し訳程度に停車。

↑一両の気動車にはもったいない造り                       ↑夏に乗ったキハ66。見ると乗りたくなるw

佐世保駅は港のすぐそばにある。昼食が軽めだったので、佐世保バーガーを食べに港のモール方面へ行く。

↑佐世保市街に本店のあるハンバーガーショップの支店               ↑直火パテがよい。ベーコンも卵も入って贅沢。おいしかった。

↑写真右手にハンバーガーショップがある                      ↑アジアに近く、豪華客船も寄港する港

↑国際航路らしく厳重に隔絶される                         ↑高村薫「リヴィエラを撃て」にこういう港のフェンス突き破る描写があったよね

↑港は良いなぁ。時間帯もいい。                         ↑海保の船がいた。工作船との交戦で有名なあまみ型だ…!

佐世保港をうろうろしていると列車の時間が迫ってきたので駅へ戻る。お土産にカステラ生地で出来た伊達巻のようなお菓子を買った。

↑帰路も817系                                  ↑鳥栖からは事故でダイヤが乱れ、乗車券のみで特急に乗れる特例が発動していた

ぐるりと回って博多に帰ってきたが、最後以外全部各駅停車なのでさすがに疲れた。キハ185に乗れたのは僥倖であった。気動車特急はよい。

夕食が早めでハンバーガーだけだったのでお腹がすき、ホテル近くのラーメン屋に行った。「廻天」という旧軍を想起させる若干不穏な店名だったが、とんこつラーメン480円という破格の値段で、美味しかった。

2月28日(火)

この日は西鉄8000形に乗る日である。前回の雪辱を晴らすべく、今回はきちんと時間を取り、ダイヤも調べてきたので、駅に行くとちゃんと彼が待っていた。

↑水都柳川の観光列車と化した                           ↑パノラマカーを彷彿とさせる。無くなるのは惜しい…

オール転換クロスシートと全面展望が売りの8000形。途中まで真ん中の席に座っていたが、客が減ったところで先頭に無事移る事が出来た。先頭に乗って恥ずかしながら初めて知ったが、大牟田線は久留米の先、試験場前駅あたりから単線区間が登場するのだった。