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高校卒業旅行記〜怒涛の鹿島交通くりはら田園鉄道訪問〜

私と友人のIは受験中から「受かったらどこかへ行こう」と決めていた。
そして私は英吉利法律学校に、Iは第三高等学校にそれぞれ無事合格したので卒業旅行実施が決まった。
どこに行くかを学校の図書館で協議した結果、三月末に廃止が決まっている鹿島交通とくりはら田園鉄道、社長が夜逃げして経営危機を迎えている銚子電鉄を乗りつぶすことになった。
ちなみに行程表とホテルの予約はすべてIがやってくれた(ありがとう!)。

3月14日(水)
朝7:33発ののぞみ104号に乗ることになっていた。集合場所は事前に切符を買い持っていたので、名古屋駅新幹線ホームである。
ホーム上で合流し、うきうきしながら乗り込む。幸いにもDE席だったので気兼ねなく座れた。
のぞみはさすがに速く、9:16に東京着。ここから銚子電鉄に乗るために銚子行き特急「しおさい」の待つ京葉線地下ホームへと向かうが…遠い…
乗り換えに20分以上見ておいて正解であったなぁ…と思う。
ちなみに切符を買うときIに言われて知ったのだが、乗り継ぎ割引は東京駅では適用されないそうである。なんだか損したような気分であるが…
←乗った「しおさい」3号。少しケバい…
9:40発車。ちょうど三月で菜の花の時期なのか、平日にもかかわらず観光客がかなり乗っていた。
千葉まで車窓は都心の住宅地の中である。が、その後は鄙びてきて佐倉で成田線と分かれてからは更にその度が増した。
途中木造駅舎の残る駅で対向列車を待つなどのんびり進んで11:31、銚子着。
ここで昼食を取る事にする。旅行前から「せっかくの卒業旅行なのだから食事は少し贅沢にしよう」と二人で決めていたので、マックなどは候補からはずす。
駅近くのビルの二階に定食屋があり、店のおばさんに呼び込みを受けたこともあって入ってみる。
なにか名物は無いかな…とメニューを探すと、いわし天丼850円というのがあり、店主にも進められたのでそれを頼む。
最初は850円は少し高いかな…と考えていたのだが、運ばれてきたのを見て納得した。
通常の倍くらい量があり(いわしもたっぷり2尾)、味噌汁と漬物までついてきたのだ。
満足しながら食べ、駅へと戻る。
銚子電鉄の一日乗車券は車内で発売とのことだったので、構内にある銚子電鉄ホームに向かう。
←銚子電鉄銚子駅
駅舎には風車が取り付けられていたのだが、最近取り外されたらしかった。
乗車すると車内にはかなりの客が乗っていた。しかもほとんどが観光客のようである。おそらくマスコミでこの電鉄の窮状(せんべいを売ってし
のいでいる等)が報じられた影響だろう。ちなみにわれわれの後ろには高校生が乗っていたが、「初めて乗った」ような会話をしていたので、地元住民はそこまでは利用していないのかもしれない。
とりあえず外川まで乗りとおし、どこか撮影できそうな駅を見極めてから戻りつつ途中下車するという戦法を取る事にする。

↑外川駅                       ↑駅からは海が見える                ↑駅構内
客はあまり減らず終点に着いた。海のほうに行ってみたかったので「海だー」とか言いながら、撮影をしたがっていたIを引っ張って向かう。
7、8分で海岸につくが、漁港しかなかった
早足で駅に戻り、若干撮影して来た列車に乗り込む。今度は隣の犬吠駅で降りる。一日乗車券ではこの駅で引き換えられるぬれ煎餅の券がついていたので早速活用して食す。シトッとしめった感じとしょうゆの風味があいまってかなりイケた。

↑犬吠駅。なんだかメルヘン
             ↑昔の車輌が置いてあった。喫茶店に?使われてるらしい
犬吠駅で写真を撮ったりしながら次の列車を待っていると、なんと観光バスが何台もやって来て次々客を降ろし始めた。
どうやらツアー行程にこの鉄道が組み込まれているようで、案の定次の列車は満員になった。添乗員の持っていたメモを
盗み見ると、観音駅でたいやきを受け取ってツアー客に配る手筈になっていて、なるほどと思わされた。

↑犬吠駅で遭遇した観光客               ↑到着した列車
車両の一番後ろに立ち線路を見ていると、草ぼうぼうで乗り合わせた客ともども「これはまずいね」というような事をしゃべって
いた。そして交換駅である笠上駅に到着。撮影のため下車。


↑こんな感じに草が…              ↑一部刈られていた

↑笠上駅ホーム                      ↑構内にはボロボロになった車両が… 
笠上駅では駅員が駅名表を塗りなおしていた。
駅裏手の留置線に放置されていた車両の撮影などをしてから、次に来た列車に乗り込む。
やはり車内は混雑していた。
次の目的地は観音駅である。ここでは駅構内に売店があり、たい焼きを売っていた。
←観音駅。銚子電鉄にはメルヘンな駅舎が多い。
列車を降りると、案の定店員がたい焼きの包みを車掌に渡していた。おそらくあとでツアー客に配られるのであろう。
ホームでは地元の高校生がたい焼きを食べていた。
売店であずき味のを買い、隣の仲ノ町駅まで歩くことにする。やはり地方私鉄だからだろうか、そんなに距離はなく発送準備の整った濡れせんべいに埋もれた仲ノ町駅に着いた。
この駅には車庫があり、入場券を買うとその中で車両の撮影ができるとのことなので早速買う。
この入場券にも機関車が印刷されたんものと、車両が印刷されたものの二種類あり、なかなか商魂たくましい。

↑仲ノ町駅構内                   ↑仲ノ町駅舎
車庫には整備中の車両や昔使われていたイベント列車「澪つくし号」が留置されていた。

↑イベント列車。                      ↑木造だった。中はこんな感じ。
このほかにデキも留置されていた。
←これがそのデキ。私鉄らしくてなかなかいい。
一通り撮影した後で私は駅舎に戻り、家にお土産のぬれ煎餅を送るために購入。いくつか味の種類があったが一番オーソドックスなものを選んだ。
そののちIとともに来た列車に乗り込んで銚子駅に戻った。
今度は16:21発の列車で佐原を経由し、鹿島臨海鉄道に乗るべく鹿島神宮へと向かう。
列車の時間まで少しあったので、留置線に団臨列車をのぞきに行く。Iが写真を撮ろうとしていたが、取れそうな位置に着く前に列車が発車していった…(T_T)

↑ホームから撮った特急列車           ↑駅前になぜかつながれていた子犬
この頃房総半島の路線には211系が転属してきていたが、我々が乗った列車はありがたいことにスカ色の113系だった。
アコモ改造がなされたボックスシートを占領し、まどろみながら佐原へと向かう。初めて乗った区間だったが、こうして関東に来た今から思えばこれからも乗る機会が多いような路線であったであろう。車窓や駅舎は関東近郊の香り漂う平凡な雰囲気であった。
平日だったからか、下校途中の高校生が結構いたがそれほど混雑はしなかった。40分ほどで佐原に到着。八分の接続で鹿島神宮行に乗る。この列車も113系であった。20分ほど水郷地帯を通り鹿島神宮駅着。ホーム向かいには既に乗る予定の鹿島臨海鉄道の2両連結のディーゼルカーが停車していた。

↑鹿島臨海鉄道のディーゼルカー         ↑鹿島神宮駅前
驚いたことに鹿島臨海鉄道のディーゼルカーは転換クロスシート装備であった。またじっくり乗りに来たいと思ってしまった(^_^;)。
17:49発車。ずっと電車に揺られていたので気動車の音と揺れが新鮮だった。



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