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犯罪都市(2017:韓国)
監督・脚本:カン・ユンソン
出演:マ・ドンソク、ユン・ゲサン、チョ・ジェユン、チェ・グィファ、チン・ソンギュ、パク・ジファン、ホ・ソンテ
【あらすじ】
2004年ソウル。強力班のマ・ソクト(マ・ドンソク)は、ナイフで向かってくるヤクザにもひるまず、張り手一つでなぎ倒すコワモテ刑事。ある日、ビリヤード場で刺傷事件が発生。被害者は毒蛇組の組員、犯人は対立するイス組の男だった。ソクト刑事は難なく犯人を捕らえ、それぞれの組のボスの仲を取り持ち、街のバランスを保っていた。しかしそんな中、中国から新興勢力の黒竜組が乗り込んでくる。ボスのチャン(ユン・ゲサン)は、情け容赦ない手段で毒蛇組を乗っ取り、次第に勢力を拡大していく。縄張りを荒らされたイス組や、最大勢力の韓国人暴力団も黙っておらず、一触即発の事態に。ついに強力班は組織の一掃作戦を立てるが…。
(
公式サイト
より一部加筆)
【感想】
4月30日に関東圏で公開されたこの映画、「新感染〜ファイナルエクスプレス〜」でゾンビをばたばたなぎ倒すパパとして異彩を放ったマ・ドンソク兄貴が主演する警察物とあって、評判も良かったので観賞。
名古屋では6月に入ってアジア系ミニシアターであるシネマスコーレでようやく公開となった。
梅雨の合間の晴れ間がのぞく土曜午後、駅西の場末感溢れる映画館前に上映の10分前に到着。小さい劇場だったが、満席になること無く観賞出来た。席は7割がた埋まっていたので客の入りは上々のようだ。
スクリーンは大学映研に毛の生えたような感じだったが、手作り感があってまあよい。。
故若松孝二監督が設立しただけあって、ラインアップは反権力・草の根市民という感じが多い。
さて、そんな映画館への雑感はさておき、本編の感想を。
画面に出てくるだけで安心する重量級役者マ・ドンソク兄貴、表情も豊かでシリアスな中にコミカルさを上手い具合に入れてくれている。
客席からも時折笑い声が聞こえていた。
二の腕が太すぎて腕の怪我が見えてないシーン、あれは素だと思う。
ユン・ゲサンも針の振りきれた中国系暴力団トップを怪演。
躊躇なく刺してくる奴には地元ガンペ(韓国語でヤクザの意)もたじろぐのだった。
韓国、拳銃所持が日本並みに厳しいようで、皆が果物ナイフなんかの刃物やバット、パイプ、手斧で武装し痛々しい戦いぶりを繰り広げていた。
露天商の売る刃物を武器に街頭で、すわ喧嘩か、というシーンでマ・ドンソク兄貴が登場し、ビビっている制服警官を横目に携帯で通話しながら赤子の手をひねるように仲裁に入るところが冒頭だったので、「この作品中でマ・ドンソク兄貴は特別なんだな」と思い知らされる。
携帯電話が全部ガラケー、調度品も微妙な懐かしさの漂う感じで2000年代前半が再現されていたのがよかった。
衿川(クムチョン)警察の強力班、日本で言うと刑事課強行班係なのだが、なぜか部屋が警察署外のプレハブのようなところに置かれていて、署の改装かそういう扱いを受ける部署なのか分からなかったが興味深かった。
旧捜査四課、現組織犯罪対策課のようにヤクザ専門部署がないのは、暴対法がないせいかな?
作品自体は実在の摘発劇をもとに作られていて、韓国警察を応援したかったという監督の思いがよく伝わる構成でもあった(エンドクレジットでその旨が流れる)。
「新しき世界」「哀しき獣」のようなハードバイオレンスアクション、と思って観に行ったが、確かにバイオレンスではあるものの重々しさが少なく、ハッピーエンドなのでよいエンタメであった。
おわり
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