このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

日光東照宮訪問記
その2

下山した我々は、私の「団子が食いたい」というリクエストの元、まず参道の土産物屋を冷やかした。
しかしそこには日光カステラはあれど団子はなかった。
仕方なく最初に昼食をとった店のあたりまで戻る。日光という場所は、伊勢や浅草に比べて意外に門前町らしい発達の仕方をしていないようである。
昼食をとった店でも扱っていないので、行きに飯屋を探しながら歩いた道を戻る。昼に食事をしたときにその店の店員は「駅に戻ったところに、テレビにも取り上げられた有名な団子屋ならある。」と話していたので、その店を目指す。途中、流行りの白いたい焼きを扱う露店を発見。Yは団子(と宇都宮のギョーザ)に備えるということで食べなかったが、私はこのたい焼きが好きなのでついつい購入。可もなく不可もない味だったので少しがっかりした。

そしてそのたい焼きからしばらく歩くと、ようやく団子屋「宮前だんご(http://miyamaedango.dohome.net/)」に到着。古めかしい造りの店で、創業享保8年というのもうなずけた。
←これがその団子
一皿500円(五本)を2人で3:2に分けて食す。これが焼き立てで非常においしい。たれは味噌の上に黒砂糖をかけた独特なものだが、これが素朴で上品な甘さを出している。団子自体も米粉のみであっさりしていてたれによく合っていた。今度来る時もぜひ食べたいものである…というかこの文章を打っているだけでよだれが出てきたw

団子も食べて大満足のうちに店を出る。来るときにこの参道を宇都宮行きのバスが走っていることを確認していたので、店の目の前にあったバス停に行くと、ちょうど五分後くらいにその宇都宮行きが来るところであった。駅まで歩いて一時間に2本の日光線を使うよりは便利なので、宇都宮へはこのバスで直行することに決めた。観光バス的なもので来るのを期待していたが、時間より数分遅れで到着したバスは路線バス用のそれであった…orz

↑関東バス(関東自動車)の運行する路線    ↑混雑を危惧したが客は我々だけだった


 運転手によれば宇都宮までは1時間と少しとのこと。地方のバスにありがちだが、結構飛ばす。客が乗降しない停留所とわかるや情け容赦なく通過していく。しかし荒っぽさはないのが旅先で毎度バスに乗るたびに不思議である。
 東武日光の手前で1人乗り、JR日光駅で1人乗り、そこからは我々が歩いていたら間に合わなかったであろう17:07の普通宇都宮行きと競争するように走る。もちろんあちらの方が早く、停留所を幾つか過ぎるころには向こうの姿は見えなくなっていた。
バスは林の中を抜ける。長野のような山奥を思わせる場所を通りもしたが、たいていは畑に民家と防風林という北関東特有の農家が連なっていた。仰々しい一里塚や松並木もあった。途中、コンビニなどのあるが民家はそれほどでもない停留所から、20代後半と思しき女性が乗り込んできた。宇都宮市街地までまだ40分ほどの距離のところである。しかも彼女は繁華街の中心と思われる終点手前の停留所で下りて行ったので、ますます謎は深まった。そもそも我々の乗ったこの路線は、長距離利用が多いらしく、他に乗った客もその多くが終点JR宇都宮駅やその手前の宇都宮の市街地まで乗車しているのが特徴的であった。
 バスは夕暮れ近づき夜の帳も下りるころ、宇都宮の市街地に入った。北関東は自家用車利用が多いので、ロードサイド店やドライブスルーの店が目立つ。市街に入るとそれまでの飛ばしっぷりは鳴りをひそめ、大人しい市内バスの走りに変わった。
18:20、JR宇都宮駅着。1150円かかった。
後で調べてわかったが、このバスは日光街道の上をずっと走っていたのだった。どうりで松並木や一里塚が車窓から見えたわけである。

さて、時間もよいことだし晩飯に餃子だー、と駅前を探す。まず駅前に餃子館というそのものズバリのビルを発見した。しかしなんとなく微妙だったので、駅の脇のビルに入る。ここは最上階に店があったが、高かったのでパス。結局駅の中に、最近の流行りに合わせて出来たらしい餃子フードコート的なフロア(パセオというらしい)を発見し、ここの健太餃子に入る。この店に来たという森山眞弓元法務相の写真が飾ってあった。栃木といえば渡辺喜美(みんなの党代表)が真っ先に思い浮かぶが、この人の地盤でもあった。

雰囲気としては場末の中華料理屋を小奇麗にした感じであった。早速メニューをとる。スタミナ餃子と鮮肉餃子(各380円くらい)をとりあえず注文。一つ6こセットなので、大人数で来た方がいろいろな味を楽しめるかもしれない。
運ばれてきた!食す……旨い!!肉汁がたまらない。ご飯も一緒に頼んだが、これはいい組み合わせだ。わざわざみんなが宇都宮に食べにくる理由が分かった気がした。次は水餃子が食べたいという私のリクエストで頼む。本当は他のも食べたかったのだが、6こずつなので食べきれるかが厳しく、断腸の思いであきらめた。
運ばれてくる…これもなかなかいける。しかしやはり焼いた方がおいしかった。
会計は2人でそれぞれ1000円前後だったように思う。お財布にもやさしい。全く餃子というやつはなんて素晴らしいんだ。

帰りにYは東京で待つ従兄弟たちにお土産で餃子を買っていた。私は地方紙集めの一環で下野新聞を購入。ちなみに各餃子専門店では「帰りの電車の中でもどうぞ」と大々的に焼いたのを持ち帰り用に売っているのだが、彼らは宇都宮駅に繰る列車の大半が通勤仕様なのを知らないのだろうか?ボックスシートの数が多い一部の211や車端部ボックスシートのE233ならまだいいのだが、日光線の107系などに持ち込むか、あるいは帰宅ラッシュで込むE231に持ち込んだ日には、「救いはないんですか?」という状況になるだろう。
それこそ「孤独のグルメ」で主人公、井之頭五郎が満員の新幹線の中、新横浜駅で買った蒸気加熱仕様のシウマイ弁当を食べた時のように…
←こういう風…なのか?(写真はイメージですw)
←「孤独のグルメ(扶桑社文庫)第6話 東京発新幹線ひかり55号のシュウマイより

おわり  もどる


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