このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

貸与六法



私はそれを目の前にした時に、なにゆえこの学校はこの様な破廉恥な色を選んだのかと首をひねった。

世の中に色は数あれど、なぜ桃色なのか。

大学が穴八幡宮の逆鱗に触れ罰として塗り替えられたか、或いはライバルの慶応大学の教授の策略なのかもしれぬ。


試験前、この色が出題を予告しているという可能性を考えた。


民法では妾契約が題材となり刑法では猥褻物陳列罪が出題され憲法では表現の自由の名のもとに出版された「閨房の睦言」なる猥褻図書の取締りが問題となるのではないかと。


確かに憲法では、「良妻賢母」を理念とする「私立女子高」が「近年の生活態度の現状に照らし」て「性教育」を行い生徒と親に「理念にそぐわない」と訴えられていたが、それ以外は桃色とは程遠い問題の数々であった。


試験官が「貸与六法」「貸与六法」と耳にタコのパウル君が住み着くくらい唱えていたので、「ぉ持ち帰りはなしです(つД`。)っ」となるのではないかと危惧していたが結局お持ち帰りする事が出来た
帰ってよく見たら中身は三省堂の六法全書とたいして変わりなかった。これで受験料6万円のうち3000円くらいは取り戻したことになる。そのほかに試験中6度トイレに行ったので水道代でさらに100円くらいは取り戻せただろう。我ながら考え方があさましい…

しかしこの桃色六法は存在感あふれる代物である。その厚みといい、色といい、表紙に学章が鎮座する自己主張の激しさといい、なかなか見ていて飽きない。
この六法全書を、「新釈走れメロス」で「桃色ブリーフ」なる代物を登場させた作家の森見登美彦氏なら題材の一つに仕立ててくれるかもしれない。
そう思った私は森見先生風の文章を妄想した↓


「この世には桃色の六法全書というものが存在する。


その存在は北は北大法学部から南は琉球大法文学部まで法学徒の間で知らぬものはいないとされる。
しかし現物を目の当たりにした学生は未だかつて存在しない。


世の中には様々な色が存在するというのに、何故その様な猥褻な色を使ったのか。


ある人は正義の女神テミスとユスティティアが悪戯心を発揮してこの世に生み出したと言い、またあるものは有斐閣と三省堂の自虐表見代理戦争の産物であるという。六法の父、箕作麟祥が江藤新平の命を受けて極秘裏に作り上げたという噂もある。


その桃色の六法全書を手にした法学徒は幻の至宝といわれる黒髪の乙女と結ばれるという。
そのため古今東西、その書を探し求める法学徒は後を絶たない。
ある学生は図書館内部を捜し歩いた挙句図書館警察に捕まり地下書庫での強制労働に従事させられ、またある学生は無いなら作ればよかろうと学校じゅうの六法全書を桃色に染め上げ大学から追放された。
そしてさる山奥に存在する学研連という組織は桃色六法の研究に血道を上げとうとう偽桃色六法全書を作り上げてしまい当局の監視下に置かれた。


かように曰くが付き倒されている桃色六法が、大量に配布されるという事件が発生した。」

      
黒髪のお留もとい乙女は司法試験受験生の女性には少なからず存在するので桃色六法を持たずとも結ばれないわけではないだろうが、もし黒髪で眼鏡で胸の大きい乙女と結ばれるのなら私は喜んでその書を探し求める法学徒の群れに加わるだろうw


…さて…久々に我ながら酷いパロディと駄文を書いたなぁ。
森見ファンの方々ごめんなさいm(__)m

(2010年8月30日mixi日記よりなんとなく転載)

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