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とある学祭の講演会

2014年11月2日(日)、学園祭シーズンまっただ中のこの日、私の在籍していた某大学も学園祭の2日目を迎えていた。
この日は学園祭の目玉の一つとして、声優の新井里美さんを迎えてのトークショーが行われることになっていた。
「とある科学の超電磁砲」ファンでもある( 参照 )私は、あの白井黒子役の新井さんが来るならぜひ行かねばと,、この日が来るのを楽しみに待っていたのだった。



13時から、8号館前ステージにて、ということだったので、30分前には家を出て、20分前に会場入りしていた。普段は来ない学部1年向けの校舎の中庭にそれほど大きくないステージが設けられていた。20分前ではもう遅かったのか、すでに30人くらいの人垣が出来ていた。



椅子の用意は無く、全員立ち見状態で、人垣はヲタ同業者(♂)が圧倒的多数であった。
まだ時間があるので最近買ったオレン・スタインハウアー「嘆きの橋」を読みながら待つ。二次大戦終結直後の東欧の小国の沈鬱な描写と、浮足立つ周りの雰囲気がとてつもないギャップを生んでいたので、あまり読書には集中できなかった。

開始5分前には実行委員のアナウンスが入る。携帯はマナーモードに、撮影、録音は禁止で、見つかれば中止もありうることを警告していた。この頃には私の遥か後ろまで人が並び、中庭を見下ろす校舎の2階部分や3階部分にもちらほらと人の姿が見えた。私の左手には今期放映中のアニメ「ウィクロス(WIXOSS)」で新井さんが演じる「エルドラ」のキャラポスターを掲げる男も出現した。人が増えてきて危険性が増したのか、一列ずつ後ろに下がるよう呼びかける放送も入る。

13時ちょうど。いよいよである。実行委員らしき2人の男が壇上に現れた。
単なる案内役かと思いきや、この2人が進行を務めるようであった。

「それではお呼びしましょう。新井里美さんです!」

進行役の呼びかけに応じて新井里美さんが姿を現した。清楚な雰囲気の白いブラウスにタイトな黒いスカートといういでたちである。盛大な拍手とともに、叫び声、はたまた地鳴りのような唸り声が各所から上がる。かつてネットの記事で堀江由衣に対するファンの呼びかけが「ほっちゃーん!ほ、ほーっ、ホアアーッ!!ホアーッ!!」と表現されていたが、あれは本当だったんだな、と思わせる「うおぉおおぉおー!!」という叫び声である。
なお登場早々にはエルドレに気付き、彼に向かって謝意を述べていた。

まずは進行役のフリートークで幕を開ける。

定番の「大阪は良く来られるんですか」という問いには、「2週間前に来たばかりです笑」と。よくお仕事で来られるそうである。
ただ前回の滞在はたったの3時間と、名物を食べる時間もなかったそうで、今回は串揚げを食べようと楽しみにやってきたという。すかさず「だるまや!」
(*新世界にある名店)との掛け声が入り、「そう!だるま屋さんね!」と返ってくる。新世界は寄れるかな…と逡巡していると、別の人が「梅田にもあるよ!」と教えていた。

そして昨日は東京ヴェルディの応援に味の素スタジアムへ佐藤利奈さんと行ってきたと言い、そこで貰ったタオルやレールガン仕様のパンフレットなどを紹介して下さる。後ほどのプレゼントとなるそう。大阪だからか、ヴェルディと出た時には会場のテンションが少し下がった気もしたが、パンフの裏表紙が「科学サイドVS魔術サイド」になっていて、「監督:アレイスター・クロウリー」と紹介された時は笑いが広がった。そして、その応援の際に首に巻いていたゲコ太マフラーをプレゼントしますという発表がされると、生マフラーの登場に再び会場は異様な盛り上がりを見せた。

こうした学園祭には来てみてどうですか?という問いには、大学に通ってなかったので、とても新鮮で楽しそうという感想。今年は学園祭に5か所呼ばれていて、11月中には成蹊大に佐藤さんと行くそうである。お金がある学校は2人も呼べるのだ。
去年大阪工業大学に来たという話が出ると、最前列の男が「行きました!」という。熱心なファンである。

休みの日には何をされているんですか、という問いには、労基署も真っ青な「休み、という日が無いんです><」という回答。
3年前より事務所を辞め、フリーで働いているとのこと。ゆえに仕事の電話やメールが毎日入り、最初の頃は電話をたたき壊したい衝動に駆られるくらい大変だったとのこと。マジでお疲れ様です…。
なお収録時に使われるマイクは高価なものだそうで、ゆえにスタジオの気温は機械にあわせて設定され、夏寒く冬は謎な温度設定であるとか…。

フリートークは15分ほど続いた。この間に、新井さんはすでに司会者2人にあだ名をつけ、体育会系のメインの進行役に「応援団長」、髪を染めたもう一人にはロックバンドやってそうというイメージでミュージシャンと呼んでいた。進行役が呑まれていたのである。

ツイッターや直前に質問箱で募集した質問のコーナーに移る。
かなりの枚数が箱に入っているようで、驚きつつ下の方から1枚取り出す。最初の質問は「声優になったきっかけは?」というものであった。彼女は高校時代遊んでしまい、大学に入れなかったことをきっかけにアナウンスの専門学校に進み、学内のオーディションを通じて声優になったそうである。最初から声優に思い入れがあったというわけではなく、変わった声をしているという事から、声優もいいかなぁ…とこの道に来たのだった。

次は「1番お気に入りのキャラクターは?」というもの。
これはまずエルドラに触れ、白銀のアルペシオ、と最近のアニメから掘り下げられていく。白井黒子はもちろんのこと、コードギアスの咲世子というメイドにも思い入れがあるらしくかなり語っていた。そして、咲の煌先輩に話が及ぶと会場内から「すばらっ!」の掛け声が。彼女も呼応し、見事な「すばらっ!」を2回も聞かせてもらえた。

そして、仲の良い声優はという質問が取り上げられる。大原さやかの「おしぼり」ネタ(居酒屋に行くとおしぼりをぶん投げてくるw)や、伊藤かな恵、佐藤利奈と三人で和食系の居酒屋に入ったら店のタイアップキャンペーンにCV伊藤かな恵のキャラが使われていて気まずくもあり面白くもあり、という話が出る。もっともレールガンの4人でそろって遊びに行ったことは皆無だという。これは別に仲が悪いわけではなく、4人とも超売れっ子で、4人のスケジュールが合う場所に収録が先に入るので、必然4人で一緒に遊べる日が作れないのだというそうである。新井さんはそのレールガンのメンバーからいろいろプレゼントを貰ったことがあるといい、なかでも佐藤利奈さんが「面積の少ない」紫のビキニをプレゼントしてきた時は困ったと笑っていた。ここでも会場のボルテージが上がっていくのが感じられた。なお「ランジェリーもなぜかよくプレゼントされる」「使わせていただいてます///」という話が後ろに控えており、新井さんがスタイルの良い人妻であることも手伝って、会場の熱気はさらに増したのだった。

そして次の質問…と質問用紙をみた新井さんから「ヴぇ」という声が漏れる。そして「○○さん、○○という方、いらっしゃいます?」と恐る恐る聞くと、私より数列後ろで手が挙がったようである。
「いらっしゃるなら仕方ないです…」と意を決したように質問を読み上げる。

それは

「どうしたら胸が大きくなりますか?」

という質問であった。確実にセクハラである。委員会は取り除けなかったのかな…?と思っていたらどうやら質問者は女性のようであった。
もちろん同性でもセクハラは成立します念のため。まあこの数行上の文章の後では説得力0か…。
「いらっしゃらないんであれば回避しようかと思いましたが…。」とすこしためらいながらも「日笠さんとかからもよく聞かれるんです」と苦笑。この話題での日笠さんの登場に会場内に同情と笑いがあふれる。

「電気を流す、といいみたいですね」といきなり明後日の方向の療法が出てきた。まあ、遺伝や成長ホルモンの問題なので、専門家でもない彼女には答えようがない。良く寝る、よく食べる、運動…と出て話の落ち着きどころが見えなくなってきたところで応援団長が「お綺麗ですが、普段心がけていることは?」と助け船を出す。
「まあ、団長さんったら///」と返しつつ、独自のマッサージを心がけていることや、よく食べることを話す。そしてビールが大好きというところで笑いが起き、この話が落ち着いた。なおこの講演会の後、彼女は無事串揚げとビールにありつけたそうである。

まだ時間があるということなので、予定よりもう一つ多く質問に応えることになった。それは「これから演じてみたいキャラは?(人でも物でもかまいません)」というものであった。

この(人でもでも)というところがかなり気になったようで、これまで演じた「物」達に話が及ぶ。ぬらりひょんの孫では納豆を演じ、ToLOVEるでは「ペケ」という主人公の隣で浮いている何かを演じたという。当然?シャンタッ君の話も出てきたが、新井さんはそのシャンタッ君が出てくるアニメ「這いよれニャル子さん」の、お母さん役のような母親役がやりたいのだそうである。また物以外では変態も多い、という話で生徒会役員共の畑さんの話題が出てきた。「盗撮マニアの、ですね」という直球表現に草不可避。
質問者が主人公役は…とぼそっと言ったらしく、「デビュー作は主人公キャラだったんですよ!」というアピールが入っていて笑った。

質問コーナーの後はお待ちかね、じゃんけんによるプレゼント大会であった。
校舎の上で観ていた人たちも下に降りてきて、会場でたくさんの利き腕が挙げられる。人数が多いのであいこも負け扱いとなる説明があった後、緊張の第1戦。私はパーを出し初戦敗退してしまった。負けたのでしゃがむ。
2戦目でもかなりの数が減り、3戦目。新井さんが事前に「グーを出します」とかく乱。その通りグーを出すと22人まで減ったので、その22人がステージの上に登る。最後はくじ引きで、これがプレゼントの用意のある8人にまで減る。1人だけ中に女性がいたが、その方は惜しくもくじに漏れていた。そうした落選者に、新井さんがせっかくステージまで上がったのだから、と握手のプレゼント。気の効く方である。

残った8人がマイクを渡され、「今のお気持ちを」と感想を促される。
壇上で何か話せ、というのはかなり緊張するもので、多くが当選への感謝と今日のお礼を述べるにとどまった。自分の好きなキャラクターをアピールするものも中にはいて、白井黒子ファンという青年には「ありがとうですの。」と黒子節の返答があって会場が盛り上がった。

まずマフラーから渡される。新井さん自ら首にかけて下さるという幸運に恵まれた当選者は感謝することしきりであった。裏山。

味の素スタジアム10周年タオルも同じように首に捧げられ、本人のCD+サインが3人、レールガン仕様のパンフレット+サインが3人に渡っていった。なおCD「サトミサンプル3」はご本人と自分のキャラ4役がトークするという「濃い」内容だそう。さすが器用やなぁ…

プレゼント大会の後は、ゲコ太の指人形が正月の行事のように会場に投げ入れてもらえるとのことで、皆が腕を伸ばし、待機する。進行役が「奪い合いにならないようにしてくださいねー」と呼びかけるが、後ろの同業者が「みんな紳士だしそんなことしないよなぁ」と連れと話していたのが印象的だった。
新井さんがいろいろなポーズをとりながら、10個ある指人形を投げ込んでいく。後ろの同業者のとおり、奪い合いにはならなかった。球場より民度はいいようだ。かなり遠くまで投げ込まれていて、「良い肩してんなぁ…」という感想が出ていた。
最後はフライングフェアリーのように両腕をぶんまわしながら投げ込み、指人形の箱まで投げ込まれて終了。私のところへは飛んでこず残念であった。

ここで14時、終了時刻を迎えた。最後に新井さんが今期のアニメやOVAがでる作品の宣伝をする。ウィクロスのラジオに出演するそうで、エルドラ男が「やったー。楽しみぃー」と叫ぶ。タイミングの読めるいい奴である。
また、新井さんはナレーターとしても活躍中だそうで、ある朝の情報番組にも出ているそうである。活躍の幅が広がっていくのはファンとしても喜ばしいところである。

あっというまの1時間。1人で行ったがとても楽しめた。また機会があったらこうした催しに参加してみたいものである。

おわり

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