このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

バスティーユ線


バスティーユ線 Ligne Bastille

昔はバスティーユにもう一つのターミナル駅がありました。
パリ東部の郊外を結ぶ路線で、これをバスティーユ線、またはヴァンセンヌ線 Ligne Vincenneといいます。
この線はその後RER−Aの開通とともに地下化され、西部の旧サンジェルマン線Ligne Saint-Germain(-en Laye)と合流し、パリを横断する高速地下鉄RERになりました。
そしてパリ市内を走る地上部は廃止され、廃線の跡は緑道になっています。
ターミナルのバスティーユ駅跡地は、革命200周年の1989年にオペラ・バスティーユOpera Bastilleとして生まれ変わりました。


Place Bastille バスティーユ広場

ここバスティーユ広場は、フランス革命の発端となった場所です。
1789年7月14日、当時牢獄だったバスティーユ要塞を市民が攻撃し、フランス革命が始まりました。
広場中央の記念柱は、その革命をたたえるものです。

それからこの広場には、郊外線のターミナル駅が出来ました。
1900年に開通したメトロ1番線が、バスティーユまでまっすぐ走り、ここからGare de Lyonリヨン駅へ大きく曲がるのは、バスティーユが広場として重要な位置にあるだけでなく、この二つの鉄道駅を繋ぐためでもあったのです。
そしてバスティーユ駅の跡地は、フランス革命200周年記念として1989年に建設された新オペラ座になりました。広場後方に映っている円形のガラスの建物がそれです。(ちなみに革命100周年にあたる1889年の記念建造物は、エッフェル塔。)
「オペラ」と呼ばれるオペラ・ガルニエの旧劇場とともにパリのオペラシーンを支える、完成当時世界最大のオペラ劇場です。


Viaduc des arts 芸術の高架橋

新オペラ座のある場所のバスティーユ駅から延びた線路は、高架橋を通って郊外のヴァンセンヌ方面へと延びて行きました。
この高架橋は赤レンガ造りで大変美しいため、整備されてアーチ下がアトリエやカフェになりました。
特にアトリエは様々な手工芸の店が入っていて、そのため「芸術の高架橋」と呼ばれています。
そしてこの橋の上は緑道となっていて、緑の散歩道として歩くことが出来ます。


Gare de Reuilly ルイリー駅

Avenue Daumesnilを下ると、Reuilly大通りとの合流点(Place Felix Éboué)にほぼ近い場所に、Reuilly駅の跡が見えます。立派な駅舎がよく保存されています。
かつては貨物駅を含む大掛かりな駅でしたが、駅舎前は歩行者専用の広い通りに変わり、近隣の高層住宅の住民が和んで歩いています。駅舎裏は小さな庭になっています。


Promnade Plantée

Reuilly駅を過ぎると、高架橋上の散歩道は道路下に降りて来ます。
さらに歩くと、サンチュールとの合流点Squere Charles-Peguyへと出てきます。

サンチュールと交差する旧バスティーユ線の散歩道。(高架のサンチュール側から撮影)
引込線は サンチュールのページ12区 を参照。

そして散歩道はマレショーをくぐり、ペリフェリック(パリ外周高速道路)にぶつかった時点で終わります。
ここから先は柵でふさがれており、歩行者は侵入できません。
かつて列車は、この下のトンネルをくぐっていました。


Saint Mandé サン・マンデ

トンネルの出口はどこへ出るかというと、パリ市の外へ出てサン・マンデ市へと繋がります。
2つのトンネルのうち、左側上方のアーチ型のトンネルが旧バスティーユ線時代のもの。右側の電車が出てきた方はRER−Aです。
ここがかつてのサン・マンデ駅のある場所でした。旧駅舎は現在警察の交番に使われています。
そしてここから、現役のRER−A東方面へと合流します。
一方西方面へ向かうRER−Aは、ここからトンネルにもぐりパリ地下のNation駅へと向かいます。


Boissy Saint-Réger

RER−AはVincenneを過ぎると二手に分岐し、ディズニーランド・パリのあるMarne la Valée、そしてもう一方はBoissy-Saint Régerまで走っています。
そしてそのBoissyが現在終点なのですが、その先にもかつては鉄道が走っていました。現在は廃線となっています。

線路は跡形も無く撤去されていますが、いくつかの駅は残っています。廃墟として裏寂れているものもあれば、住宅や美術館に生まれ変わったものもあります。

この写真はそんな廃駅のひとつです。(バス内から偶然撮影、駅名は現在確認中)


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