Grande Ceinture グランド・サンチュール
プティト・サンチュール（小環状線）に対してグランド・サンチュール（大環状線）という線もあります。これはパリ市内ではなくその近郊都市どうしを、パリを中心にして環状に結ぶ鉄道です。
グランド・サンチュールも、プティト・サンチュールのように鉄道建設の目覚しい１９世紀に作られたものです。
お城やドビュッシーで有名なSaint Germain-en Layeサン・ジェルマン＝アン・レー、言わずと知れた宮殿Versaillesヴェルサイユ、モネの絵で知られるArgenteuilアルジャントゥイユ、同じく印象派の画家ピサロゆかりのPontoiseポントワーズ、現在は空港のあるOrlyオルリー、南東の拠点Juvisyジュヴィジー、現在ディズニーランド・パリのあるMarne-La Valéeマルヌ＝ラ・ヴァレーなどを結んでいました。
このグランド・サンチュールもプティト・サンチュール同様、利用客の減少により貨客鉄道としての役割を終えました。そして第二次世界大戦ではナチスドイツ、フランス軍双方の手で、物資の輸送を妨害するために橋の多くが爆破され、甚大な損傷を受けました。
現在はSaint Germain-en Layeなど一部の区間は廃線として放置されており、歩くことが出来ますが、ほとんどの区間は現在も貨物線として現役で稼動中です。
一応目安としてレールのさびていない部分はいつ列車が通ってもおかしくない状態で、現に撮影中目の前を物凄いスピードで電気機関車が通り抜けた経験もあります（そのときは線路には侵入せず駅を撮影していただけ）。
このグランド・サンチュールの場合は、探索する部分が確実に廃線かどうか調べてから探索しましょう。プティト・サンチュールと違ってむやみに線路に侵入するのは無謀と言うものです。
Argenteuil アルジャントゥイユ
ここの線路はまだ現役で、貨物線が通っている。
Le Bourget ル・ブルジェ
ＲＥＲの車窓から、グランド・サンチュールの旧駅舎を見ることが出来る。