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・東北地方太平洋沖地震まとめ【東京新聞3月12日(地震発生1日後)朝刊】

 

 十一日午後二時四十六分ごろ、三陸沖を震源とするマグニチュード(M)8・8の巨大地震があった。気象庁によると、関東大震災のM7・9などを上 回り、一九二三年に日本で近代的な地震観測が始まってから最大。東北から関東にかけて広い範囲で津波や火災が発生。警察庁の同日午後十一時半現在のまとめ では、死者百十人、行方不明三百五十人に達した。このほか、宮城県警によると、仙台市荒浜地区で津波にのみ込まれたとみられる二百〜三百人の遺体が見つ かった。

 陸上自衛隊などによれば、宮城県気仙沼市の市街地で大規模な火災が発生。広い範囲に燃え広がり、小学校などを全焼した。同県東松島市では、約50%が冠水。建物火災が多発しているという。

 政府は陸海空の自衛隊を災害派遣、警察広域緊急援助隊も最大限派遣する方針。

 宮城県栗原市では震度7を記録、東北を中心に北海道から九州にかけて震度6強から1を観測した。震源地は牡鹿半島の東南東一三〇キロ付近で、震源 の深さは約二四キロ。午後三時十五分ごろには千葉県・犬吠埼の北東五〇キロ、深さ約八〇キロを震源地とするM7・4の地震があり茨城県鉾田で震度6弱。三 陸沖や茨城県沖などを震源とする強い揺れを伴う余震が断続的に続いた。

 宮城県警によると、仙台市の仙台新港では高さ約一〇メートルの津波が確認された。気象庁は、福島県相馬市で七・三メートル、岩手県釜石市では四・ 一メートルの津波を観測した。気象庁は北海道から沖縄県の太平洋側に大津波警報と津波警報を発表した。茨城県高萩市の接骨院が倒壊、三人が下敷きになり一 人が死亡した。岩手県久慈市では車が流され一人が死亡した。

 宮城県石巻市の海岸沿いでは多数の家屋が津波に流され、多くの行方不明者がいるもよう。同県東松島市の航空自衛隊松島基地は基地のほぼ全域が水没 した。福島県相馬市では沿岸から約五キロ内陸まで津波が押し寄せた。岩手県釜石市では乗用車数十台と多くの漁船や建物が流された。

 東北電力によると、東北六県で計約四百四十万戸が停電。福島第一原発1、2号機は自動停止、緊急炉心冷却装置が動かせない状態で放射能漏れは確認されていないが、政府は原子力緊急事態宣言を出した。

 仙台市でガス漏れが多数発生。仙台空港は冠水しすべての飛行機の離着陸を停止した。宮城県内の東北自動車道が各地で損壊した。

JR東日本は、東北地方と首都圏の在来線すべての運転を終日見合わせることを決めた。


▲http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011031202000029.html



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