上が改造済み、下が未改造。上から見ると、ほんの僅かな差にしか見えないけど。。。
*Nゲージ蒸機の弱点
Nゲージに限った話ではありませんが、スケールより幅の広い軌間を採用した鉄道模型では、
下回りがむきだしになっている蒸機には致命的です。
いわゆる狭軌感というものが出しにくく、ガニマタなフォルムになってしまうのです。
そこで上回りをやや大きめに作って、相対的に下回りを狭く見せるということはよく使われる手で、
KATOなどは蒸機以外にもそうしているほどでした(笑)
もうひとつ、模型の急カーブ対策として、機関車本体とテンダーの間隔を広くとる、という傾向もあります。
何しろ模型の場合は、陸上のトラックより小さなところを車両が走るようなものですからね。
スケールより大きなボディと、スケールより広めの機関車テンダー間隔、
これが、Nゲージの蒸機がかなり大きめになってしまう、主な理由なのです。
*長さ方向を詰めるには
ボディの縮尺はどうしようもないとは言え、
機関車とテンダーの間隔は、意外と簡単に狭くすることができます。
機関車とテンダーを接続する部品を短くすればいいのですから。
どこまで短くできるか・・・たとえば私の場合、KATOのR315を標準に使用しているので、
この曲線を通過できるならOKと判断することにします。
そして、機関車とテンダーが樹脂で接続されている製品であれば、
これを短くするのは簡単でしょう。
左写真:D51旧製品は、樹脂製ドローバーで機関車とテンダーが繋がっています。
集電用の細いリード線が別にあります。
右写真:従台車と一体のドローバー
*ドローバーの短縮加工
今回、加工が簡単そうだということで、
KATOのD51旧製品を例に、機関車本体とテンダーを繋ぐドローバーを切り詰めることにしました。
KATOのD51はドローバーが樹脂なので加工しやすい上、
旧製品はテンダー台車集電用のリード線がドローバーと別になっているため、一層加工がしやすいのです。
D51を裏返し、動輪裏のカバーと従台車を留めるネジを外すと、
従台車に一体となったドローバーを取り外すことができます。
このドローバーの真ん中あたりでニッパーで思い切って切断し、切り口を平らに仕上げました。
切り詰めた長さは、1mm強です。
できればもうちょっと・・・あと1mmくらいは詰めたいところなのですが、
これ以上詰めるとモーターとテンダーが干渉してしまいそうなので、ここまででやめておきました。
よりスケール近くする場合は、モーターをキャブ内に引っ込める加工も必要になってくるでしょうね。
さて・・・一旦切り離したドローバーは、長さを短くした後、再度接着します。
相変わらずこの樹脂は接着しづらいので、真鍮線をコ型にして「かすがい」として併用し、
瞬間接着剤で固定しました。
さらに反対面に0.5mmプラ板も貼って、接着強度を持たるようにしました。
続いて真鍮線とプラ板を黒く塗って目立たなくしたら、加工は終わりです。
私は安直に、黒い油性ペンで済ませてしまいました。
左写真:ドローバーを切断して切り口を仕上げる
右写真:真鍮線を併用して、瞬間接着剤でがっちりと固定する
表側にはプラ板を貼って補強。この後黒く塗装。
*仕上がった車両を確認
ドローバーの加工が終わったら元通り組み立て、
モーターとテンダーが干渉しないことを確認したら、試運転を行いました。
R315のカーブを使ってエンドレスを作ってみると・・・余裕でカーブを通過できることを確認できたのです。
下の写真のとおり、横から見るとテンダーとキャブはかなり接近しており、
モーターともギリギリになっていますが、このぶんならR250くらいまでいくんじゃないでしょうかねぇ。
どのくらいまで曲がれるか、そのうちテストしてみることにしましょう。
左が加工前、右が加工後。わずか1mm強の短縮ですが、その差は歴然でしょう?
以上、ほんの30分ほどで済む加工でした。
こうなると次は、キャブから飛び出したモーターが一層気になってくるというもの。。。
これをキャブ内に引っ込めたい、という欲望にかられてきますね。
まぁしかし・・・小型モーターを入手して交換するなど、大改造になるので、
機会を改めて挑戦してみることにしましょう。
また、構造が異なる他の蒸機も、同じようなことをしたくなってきました。
これも、そのうちトライしてみたいと思います。