2.動力車を手に入れた!
3本の線路にヨ6000。
LM328iのようにパックも無く動力車もありませんが、
線路間の隙間を広げ、指で押しmそのジョイント音を暇さえあれば楽しんだものです。
しかし動力が欲しい。。。。。
自分には、毎年田舎のばあさんから送ってくるお年玉があります。
田舎に帰った時にくれる小遣いがあります。
しかしそのお金は、自分の机の中の封筒にきちんと収められ、これを無駄遣いしては・・・
「ご先祖様に申し訳無い」
と言う変な考えがありました。
今のままでは動力購入に1年はかかる。。。。。。。
6年に上がった時か、お袋が銀行の通帳を作ってくれました。
小遣いとお年玉を私が管理しやすくと思ったのか、金利が付くのにもったいないと思ったのか、
自分の机から出てきたその額に少々ビックリしたものでした。
小学2年から一度も使わなかったお年玉と、田舎に帰った時に貰った小遣いは、
Nの動力が買えてしまいます。
それだけ何も無い時代。駄菓子屋で買ったゴムボールで三角ベース。同じ団地に住む年少者の三輪車。
友達の家に行けば人生ゲームもあるし、竹馬、砂場、児童公園のブランコ、冬の駒回し、
東京にも雑木林がまだ多々あり、夏になればクワガタも取りに行けたし、
今のようにドブもふさがってなかったので、ザリガニも取れました。
(これらは、レイアウトで再現したいな〜)
とにかく牛乳瓶の蓋で皆が揃えばルールが出来て半年は盛り上がる。
(相手の牛乳瓶の蓋を机に置いて両手をぱちんと叩きその風圧でひっくり返したら自分の物になる。)
LM328iと一緒に考え出した、校庭の鉄棒をネットに見立て、
バレーボールを使用して考え出した競技、その名もバレポン。
ここで編み出した必殺のスパイク「クイカテ!ボール」(初めて活字にしましたが・・)は、
長い戦跡で一度しかレシーブされなかったかと・・・・
・・・こんな時代です。何に金を使うというんでしょう。
その数ヵ月後、関水金属が新製品を出しました。
D51型蒸気機関車。
1年前に出たC62に続く蒸気機関車。
その頃は少ないラインナップの中で何故か発売済みのC50はもちろん、
C11もC62も品切れ状態で(後に全て改良新製品として発売。C50にいたってはリニューアル)、
新製品として発売されたD51は、市場に並ぶ唯一の蒸気機関車でありました。
これだ!!鉄道模型と言うジャンルに感じた魅力を全て装備しているこの一輌は、自分にとって絶対の物。
どんな条件を親と約束したか・・・少しの交渉で先祖から頂いたかのような蓄えで、
初めての動力を手にしました。
帰宅後、当時独特の透明ケースを見ると、
動力車の証か緩衝材に発泡スチロールが使われている為、
トレーラーのような透明セルロイドを通して黒地のインナーから車輌が浮き上がって見えず、
そこに不満を感じましたが、重さは遥かにずっしりとしていて・・・非常に興奮させられます。
蓋を開けるや線路に感じたオイルの臭いが強烈に立ちこめ、
御先祖様から頂いた、5500円の宝が自分の手をブルブルと震えさせます。
早速3本の線路上に置き、ヨ6000を・・・
アーノルドカプラーの動きをゆっくりと確かめながら繋げた事は、未だに記憶に残っています。
素晴らしい!!しかし、パワーパックはありません。
線路上に置いたそれをギヤーの遊び一杯に押し、
ほんの少し動くピストンから、当時ナイロン製であった為現行品よりも厚く出来たロッドの動きを確かめ、
走る姿を想像するのでした。。。。。
このロコがはじめて走ったのは、
この情報を聞き、パックと線路を持って遊びに来たLM328iのエンドレスの上。
その姿は最高に嬉しく、今まで購入した中でこの喜びに勝る物は無かったかと。。。
「フロントカプラーをアーノルドに変えたら?」
LM328iが囁きます。
とんでもない!こんなに高価なものに傷でも付けたらどうすんの!
と憤慨するも・・・・同じエンドレスに彼の持つ103系を置いて走らせたところ、
何故か逆送し正面衝突します。
ぐわあああ〜〜御先祖様!!
しかし無事に終わったこの事故は、自分を大胆にさせます。
彼の「付いている説明書に沿ってやれば全く問題ない」という言葉を信じ、
フロントカプラーをアーノルドに変更する決断をさせました。
ボディーを外すだけで手が振るえ、パーツをつかむ指はつり、
七転八倒やっとの思いで交換を完成させます。
今から考えると車体はボロボロになったのではと思いますが、
このことが後の改造、工作に非常に自信に繋がりました。(ろくな物しか作らなかったけど・・・)
最近になって・・・
この逆走衝突事件は、実はモーターが逆回転していた訳で・・・
初めて買った動力が不良品だった!とというレッテルを貼られるのでした。。。。