このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

ローカル駅セクションその2



*「その1」と写真を見比べてみてください*

「模型視点」で駅舎を線路側から斜めに見る

*満を持した製作再開・・・の前に、ハンブロールを入手
学生時代に製作を開始したものの、その後放置されて四半世紀が過ぎてしまった駅セクション。
車両工作ばかりしてきたここ数年の反省(?)も込めて、ようやく製作再開することになりました。

しかし・・・本格的に再開する前に、是非とも手に入れておきたいものがありました。
エナメルカラーの王者、「ハンブロール」です。
昔は模型店に行けば必ず手に入ったハンブロール、いつの間にか店頭から消えてしまいました。
しかも私が20年以上前に買ったものは、そのほとんどが固まってしまい・・・
使用できなくなっていたのです。
今じゃ普通に手に入るエナメルカラーは、(パクトラの流れをくんだ)タミヤしかありません。
しかしこの塗料は伸びが今ひとつで、塗りムラが残ってしまうのです。。。

乾きは遅いものの、驚異的な伸びを見せるハンブロールが、私は大好きです。
このセクションの塗装のほとんどはハンブロールでしたもので、
是非ともあの感触をもう一度味わってみたいと考えました。
そこで・・・インターネットで、販売している店を探し、東京近郊のとある模型屋を発見!
ある日の仕事帰りにお店に直行し、懐かしの小さな缶をたくさん手に入れたのです。

*転轍小屋周辺
キットの残骸から作った転轍小屋

まずは・・・当初GMのローカル駅舎キットに付属していた転轍小屋の修復です。
いつの間にか破損、土台だけが残っていたので、修復ではなく、全くの新製ですが。。。
昔のキットの余りや残骸などを保管しているジャンク箱をひっくり返したところ、
かろうじて使えそうなものとして、GMの保線区詰所、信号所キットの側板余りを発見できたので、
それらを組み合わせ、一部プラ板を使用し、なんとか「らしい」形にしました。
塗装はもちろん、手に入れたばかりのハンブロールです。
尚、ホームに残っていた土台は剥がして廃棄し、0.3mmプラ板で作りなおしています。
また、転轍機レバーは、KATOのローカル駅アクセサリーに入っていたものを塗装して使いました。



そしてその周りには、名所案内看板と照明灯を建てました。
これらもKATOのローカル駅アクセサリーに入っていたものです。
名所案内看板はもともと駅名表にするつもりだったのですが、
よく見れば・・・既に駅舎に駅名表を2枚貼っていたので、あまりにしつこすぎるかと・・・(^-^;
そこで、名所案内看板にしたというわけです。
塗装した後、付属の名所案内シールを貼り、転轍小屋の近くに建てています。
照明灯は、背の低い電柱に裸電球だけ、というローカル色豊かなものを選んでいます。
それから・・・保線区詰所前にあるゴミ箱は、黄土色がきつかったので、今回こげ茶色に塗り変えています。

転轍小屋前より、やや駅舎寄りの線路上には、ATS地上子も置いてみました。
これもKATOのアクセサリーで、白く塗装した後、枕木にゴム系接着剤で接着してあります。


左:名所案内看板と照明灯。貨物上屋内部の積荷の状態もよく見えます。
左:復活した転轍小屋のアップ。駅舎の壁面に駅名表があるのがわかります。


リヤカー前の線路上には、ATS地上子を設置。
リヤカーと秤は接着剤が劣化して取れてしまったので、一部色入れして付けなおしました。

*駅広場左側周辺

広場から駅舎入口に向かって左手にあった喫茶店は、TOMIXの商店を改造したものです。
しかし、近代的な雰囲気と玩具っぽさが、今ひとつ気に入らないストラクチャーでした。
そこで今回、KATOの鉄道官舎キットを組立て、それと置きかえることにしました。

ちなみにこのキット、「イージーキット」などと名前がついていましたが・・・
側板と窓の「合い」が悪く、かなりの修正をしないと組み立てられませんでした。
無塗装では、せっかく細かいディテールがあっても非実感的なので、
屋根は濃い灰色、側板は褪せたアズキ色、窓枠は灰緑色に塗装。
・・・ということで、ちっともイージーではなかったのですが、その出来栄えはなかなか実感的です。
しかも、大きさ的にも・・・喫茶店を取り外して空いたスペースにピッタリ。
駅前をあまり賑やかな感じにせず、むしろ寂れた雰囲気にしたかったので、
その意味でもちょうどいいと思います。

そこに続く、道路に面した角店は手を加えていませんが、
路地側にあった塀が今ひとつに思えたので、取り外しました。
そしてKATOのアクセサリーにあった、電球つきの簡素な電柱を建てています。
官舎を設置する際には、このあたりの地面は修正する予定です。


左:喫茶店を土台ごと取り外し、官舎を仮に置いたところ。地面を修正しなくてはいけません。。。
  角の店は手を加えていませんが、塀を取り除いています。
  道路脇には小型の電柱を建てました。
右:同じ場所を広場側から。喫茶店よりも、駅前が寂れた雰囲気を出すにはピッタリです。

*駅構内トイレ付近
今回官舎を建てた場所からホーム側を望むと、そこには倉庫とトイレが並んでいます。
そのトイレ前のホーム上、花壇の横に、簡単なベンチを置きました。
これもKATOのアクセサリーのうちのひとつで、背もたれのないタイプを使いました。

実はこのベンチの横にも、貨物ホーム側ベンチと同じ照明灯を建てたのですが・・・・
ちょっとした不注意で、バッキリと折れてしまったんです。。。
細いプラは、やはり耐久性に不安ですね。。。

トイレ前に設置したベンチ

*駅広場右側周辺
官舎と反対側は、今回は大きな変化はありません。
広場右端にある電話ボックスのすぐ横に、左端と同じ照明灯を建てました。
左右でほぼ対称となる位置です。
しかしこれは・・・この手の駅にはちょっと似つかわしくない照明灯かもしれませんね。
普通の電柱の方がいいかな。

広場の左右両端には、やや大型の照明灯を建てています。

また、広場右角のモルタル作りの角店の道路側・・・
消火栓の標識横には、反対側の店の横と同じ、小型の電柱を建てています。
この電柱は下の方に電球がついていてなかなか好ましいので、もっと欲しいところです。



*そして・・・
車両と違って、いつまでも終わりがないのがシーナリィ&ストラクチャーの工作です。
今回四半世紀ぶりにいじってみたら、
建物や地面などの大物から、とても細かいアクセサリーに至るまで、
まだまだやりたいことが盛りだくさんであることに、あらためて気づきました。
まだしばらくは、あれこれ考え、試行錯誤しながら工作を進める・・・
モデラーにとって、至福の時を過ごせると思います。

私は常々、「如何に雰囲気を出すか」に注意をしています。
超精密なディテールや、実物どおりの模型化は、私には無縁。
市販品の改造で雰囲気を出し、渋い色合いの塗装をして、バランスよく配置すれば、
一つ一つが粗いとしても、その場全体が「らしく」見えてくる、という考えです。

このセクションはまさにその考えで製作を進めてきました。。
「こんなのあり得ない」という部分がたくさんあるのは承知の上で、
全体の雰囲気と、細かい見せ場の再現を、今後もやっていこうと思っています。

ハンブロールという、心強い味方も手に入ったことですしね。


左:日通事務所横から貨物ホーム上屋を望む。この場所は今回手を加えていません。
右:駅舎のほぼ全景を線路側の「模型視点」から。。。







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