*マイクロエース製品のパンタグラフ
ご存知とは思いますが、初期のマイクロエース製品・・・電車の弱点はパンタグラフです。
非常に繊細にできていて、強度がなく、
ちょっとしたことでもすぐに外れたり、折れたりしてしまう。
見た目に拘ったのかもしれませんが、そのわりに形態も今ひとつだったり・・・(笑)
いざ使おうと思ったらパンタが壊れていて、直すというのは・・・
出鼻をくじかれたようで、いやなものです。
そこで・・・他社製パンタに交換してしまうというのは如何でしょうか。
ここでは京急1000型を例に、交換した事例を紹介します。
とても簡単にできる工作です。
製品オリジナルパンタ。かなり繊細です。シューがなかなか水平にならないのも特徴(苦笑)
寸法も、スケールよりやや大きいような気がします。
*加工
交換するパンタは、GMのPT43を用いました。
私鉄電車用として一般的なものです。
GM製を選択したのは、入手しやすいこと、取り付けが簡単なこと、
そして何よりも・・・丈夫なことです。
まずは、製品のパンタグラフを上に引っ張って取り外します。
このパンタは4本の足が屋根上のパンタ台に開いた穴に刺さっているだけなので、
すぐに抜けることでしょう。
このとき、刺さっている足の細さに驚くことと思います。
場合によっては、抜いた足が破損するかもしれません。
それほど繊細なのです。。。
続いて、GMパンタが取り付けられるよう、屋根に穴を開けます。
KATOの旧タイプと同じく、中心線に沿って4mm間隔で1.2mmの穴を2つ開ければよいので、
とても簡単です。
屋根上機器が邪魔して、穴開けする位置をケガきにくいかもしれませんが、
結構いい加減でも大丈夫です。
多少ずれたら修正すればいいのですから。
パンタを取り外し、新たに取り付け用の穴を開ける。
GM製なら、KATOの旧タイプと同じ穴です。
さて、GMのパンタですが、実はそのままでは取り付けられません。
というのも・・・GM製パンタには、パンタ台まで表現されているからです。
そこで、パンタ台の部分(碍子より下)をデザインナイフでカットしてしまいましょう。
ただし・・・また注意点があります。
マイクロエースとGMとで、4つの足の位置が微妙に異なるのです。
(GMの方が若干外側にある)
従って、屋根上にモールドされているパンタ台よりも、足が少し外側になってしまうのです。
そこで私は、パンタ側に表現されたパンタ台も少し残しておきました。
なぜ、製品オリジナルのパンタ台枠を使用しなかったかというと、
パンタ本体の固定方法が、マイクロエースとGMとでは異なっていたからです。
もしかしたらTOMIX製であれば、マイクロエースの台枠が利用できるかもしれません。
パンタ台枠の足部分に表現されたパンタ台を切り詰めました。
製品のパンタ台と位置が若干違うので、全部は切りません。
さぁ、取り付けてみましょう。
もしも中心がずれていたら、取り付け穴を拡げて位置を調整します。
その場合は裏からゴム系接着剤で抜け落ちないように固定します。
よく見れば、パンタ台よりも外側にパンタの足が来ていることはわかってしまいますが、
気にならない範囲です。
気になるなら、プラの小片などでパンタ台を新設すればいいと思います。
また、GM製パンタは、これも昔のKATOと同じような板バネ式になっていますが、
ほとんどの場合、板バネを装着せずとも、ちゃんと上昇してくれます。
今回もキラキラ目立つのが嫌なので、板バネは装着していません。
GM製に交換後の姿。オリジナルよりも武骨ですが、そのぶん丈夫になります。
シューも水平が出しやすくなります。
パンタ台より台枠が出ているのはご愛嬌ってことで。
*完成しました!
この加工、8両で4個のパンタを交換するのに要した時間は1時間弱でした。
慣れれば30分くらいじゃないでしょうか。
これで、見た目はほとんど変わりない上、丈夫なパンタにすることができました。
最近のマイクロエース製品、パンタグラフは、多少丈夫な構造に改善されています。
しかし・・・この京急1000もそうですが、旧い製品のバージョン違い再生産などでは、
相変わらずこの「繊細で壊れやすい」パンタが装着されていて、
なので、ちょっとした投資と短い時間で、丈夫な他社製パンタに交換してしまう、
そういう考え方もありだと思いませんか?
たぶん、気づく人はほとんどいないと思いますが、精神衛生上は、かなりいいですよ。
折りたたんだ状態の比較。上が製品オリジナル、下がGM製交換後。
やっぱりマイクロエースオリジナルは大きいですよね。クーラーに接触してる(笑)