大切に保管し、扱っているつもりでも、製品の質や梱包の状態で、
形あるものは・・・無情にも形を変えて行きます。
ここに記するのは、今まで自分の経験と中古市場で見た「おやっ」っと思った、経年変化と不具合です。
1.KATO DD51初期製品(ベージュのモケット状の緩衝材ロット)
現象・・・キャブ前後のボンネット上煙突カバーに縦一筋の傷が付く。
原因・・・ケース内の緩衝材のスペースが狭い為、収まりがきつく出し入れしていると塗装が剥がれる。
予防・・・緩衝材の煙突カバーの当たる部位をカットするか、
その部位を裏からライターであぶり、定規を使って表から製品が当たらぬように押し込む。
又は緩衝材を捨て、数枚のティッシュに包んで入れる。
対処・・・傷の部位に、調合して薄く溶いた塗料を何度かに渡りタッチアップ。エナメルがお勧めですよ!
2.KATOE851初期製品(発売元:西武)
現象・・・製品のクリームと裾の黒いラインの塗装が弱い。
緩衝材の発泡スチロールが当たるだけで正面クリームは変色。
裾の黒い部分は何度も触ると次第にはがれてくる。
この黒いラインは強度的にセロテープが張り付くとその粘着力で剥がれてしまう。
原因・・・塗装品質の問題(私が所有する製品のみか?)。
予防・・・車輌をティッシュに置き、ティッシュの両端を持ってケースに出し入れをする。
なるべくボディは掴まない。
対処・・・これはこれで良しでしょう。完全を求めるのであれば、
現行品のAssyパーツへの交換って手もあるが、
初期製品のきらきら輝く成型された社文と車体ナンバーは鮮やか!
(現行のボディーを取り付ける場合、当時は焼きつぶしで止まっていた屋根のグレーの部品を、
車体に止めている爪の部分を、薄く削るだけで旧動力にはまる。
今のボディは、はめ込み式のナンバープレートをやめ、
開放てこが取り付くよう、当時の型をちょっといじっただけなので。。。
現在でもKATOのディテール表現の良さが通じるという、お化け製品!)
3.TOMIX小田急LSE初期製品(濃いブルーのブック型ケース)
現象・・・中古屋で結構目にするのが、ケースの蓋と車輌の塗装が化学反応し、
塗装が溶ける様に滲んでいる状態。
原因・・・塗料の質とケースの素材との組み合わせの問題。
私は購入時すでに点々と・・・と白のラインが溶けていた。。。。
予防・・・ティッシュを6枚敷いて蓋を閉める様にしていた為、それ以上は広がらなかった。
対処・・・全塗装でしょう。修理に出すとボディー交換で1万円位かかリます(今でも部品あるのか?)。
腕があれば全塗装、愛着があれば修理交換か。。。。
私は5年位前に後者を決断。
行き付けの模型店の御好意で安くしてもらったが、1万円位した。
(初回ロット製は色調が明るいので、動力の幌部分の一部の色調が変わってしまう〜)
4.エーダイ、学研製品
現象・・・最近手にすることの多い、管理状態の悪いと思われる中古品は、
塗装に艶が無くなり、緩衝材である発泡スチロールの造形の跡が付いている。
同状態でところどころにオイルの染みが刻まれる。
原因・・・塗装品質、塗料の問題?。
予防・・・オイルのシミをアルコール系であるユニクリーナーで拭いたところ、
塗装が剥げて下地が簡単に出現(涙)。
ロットによる物と思われるが、エーダイ、学研製品にユニクリーナーは御法度、色が剥れる!!
緩衝材を捨て、数枚のティッシュに包んで入れる。
対処・・・前述のようにエーダイ、学研製品はアルコール製洗浄剤はご法度なので、
中性洗剤で気長に洗浄するのが良いかも。
駄目なら諦めるか、艶が出るてしまうがアーマオールで対応出来るかな?
アーマオールは塗装の上からでは効果が無いんだっけか?
カラーバンパーの変色した車、よく見るな。。。
5.TOMIXケース発泡スチロール緩衝材
現象・・・緩衝材の車体に接する部分(円形の中に4、5本の線がある)の形が、車体に染み付く。
原因・・・発泡スチロールの成型の問題?。改善できないのかねぇ。。。
予防・・・購入後すぐにその線を爪で押して潰しておく事。
対処・・・ユニクリーナで改善した車両もあるけど、エーダイ、学研製品の塗装がはがれた経験から、
人には勧められない。。。
次回から、まずは裏面で試してみようかな。。。
私の同社製ED75は、片面に5本の線が2箇所り、付いてる(涙)
6.エンドウ0系新幹線
現象・・・温度差の激しいところに保管すると、ブルーの部分が白くかぶり、細かいひびわれが起きる。
緩衝材の車輌が収まる面に敷いてある、薄いペーパーが塗装面に張り付く。
原因・・・想像だが、。塗料の質の問題か?アイボリーは金属用、ブルーはプラ用なのか?
予防・・・?である。常に常温で保管?ティッシュを敷いておくべきだった。か。。。
対処・・・。。。。。やっぱり青いラインの塗装をやり直し?ひびも削らないといかんしな〜〜〜〜〜〜〜
7.電機・蒸気プラケース全般
現象・・・直に収めていると、電暖表示灯や手摺のモールド表面が削れてしまう。
原因・・・取り出し時や持ち運び時に車輌がこすれる。、
予防・・・ティッシュ1枚を折り、車輌と蓋の間に挟んで保管する。
最近は蓋と車輌の間にビニールが敷いてありメーカーも対応しているが。。。
(顧客の立場に立った、最近のメーカーの姿勢は好感が持てる。)
対処・・・傷の部位のみに、調色して薄く溶いた塗料を何度かタッチアップすると、新製品のように復活。
エナメル塗料がお勧め。ラッカーの場合は、薄く溶いて2度塗り位で色を乗せたい。
8.TOMIXEF15ゴムタイヤ(LM328iが経験)
現象・・・中古品を購入、線路にべっとりと付くほどゴムタイヤが溶けていた。ちなみにボディは美品。
原因・・・不明。前オーナーは何らかの溶剤に漬けてしまったか。。。逆に知りたい。
予防・・・管理状態を前オーナーに聞いてみないとなんとも。。。。
対処・・・分解清掃、ゴムタイヤ交換。走らせた線路の清掃。。。。(笑)
9.KATO電機旧製品(EF70、EF65)パンタグラフ取り付け穴からのひび割れ
現象・・・パンタグラフがきつめに取り付けてあると、数年経ってから前面窓ガラスまでひびが入る。
特に当時エンドウから発売されたPS17(16)を無理やり押込んでいると、
結構早い時期にピキッと。。。。
原因・・・平面状の屋根板にただ二つの穴が開いていて、押し込んであるための強度不足。
予防・・・穴を気持ちだけ広げ、裏から少量の瞬間接着剤を流し固定する。
1980年代以降のからは、パンタの取り付け穴は密閉され、ヒビわれ対策がしてある。
対処・・・ひびが入ったら、パンタの穴を若干広くし、パンタの穴のみに少量の瞬間接着剤を流した。
ひびに接着剤を流す時は、ひびを合わせた後きつく握り、
表に流れ出ないようシャーペンの芯の先を使うなどして点付けし、一気に流さない。
接着剤が完全に乾くまで約5分握り続け、車体表面には接着剤を絶対に染み出させない。
10.無塗装部分の変色
現象・・・全体的に茶色っぽくなる。旧いP型のスカート、チビロコセットの客車のクリーム部分、
中古車輌のEH10のスカート、0系の先頭ドームで確認。
原因・・・蛍光灯の下に置きっぱなしにしたり、タバコの煙のひどいところに置いたわけでもなく、
ケース内で保管したのにも拘らず発生したものもあり。
気温の変化、湿気、紫外線などが原因していると思われるが。。。。
予防・・・自分は車輌ケースの蓋の間にティッシュを牽いて保管しているが、
車輌をティッシュに包んで保管した方が良いのか?
対処・・・塗装して直すしかない?新幹線のフロントドーム等は、そのままの方が味があるかも!
11.塗装部分の退色
現象・・・特に黄色や橙色は、放っておくと色が抜けてしまう(印刷物ではよくある現象!)
町の小さな模型屋の店頭ウインドウに飾られ、売れ残った物など見事に色落ちしている。
両面が対称的にに色落ちしていればなぁ〜
原因・・・主に紫外線による反応。
予防・・・透明ケースでは蛍光灯の下に長時間飾ることは絶対に避けるべき。
対処・・・修理不可能。。。ボディ交換か全塗装しかない。
エナメルの艶消し黒を全体に塗ってからエナメル専用シンナーに浸け、
エナメル塗料を全て落とすと・・・退色していない部分もくすみ、若干色調が合うが。。。
12.集電不良
現象・・・G-PITAになる。
原因・・・車輪や集電板の錆び、傷、汚れの付着、スパークで発生。
オイルを注した後、長時間走行させないと、オイル自体が劣化したり埃を吸着したりして、
集電不良の原因になることもある。
メッキの剥げた車輪は汚れやすく、集電不良になりやすい。
予防・・・自分は車輪に一滴ずつオイルを垂らし、走行後ティッシュの上で空転させてから収納している。
対処・・・汚れや錆びは完全には予防できないので、マメな分解清掃をする。
メッキの剥れた車輪は交換したほうがよい。
13.ギアの磨耗
現象・・・空転して走行しない。KATO製初期EF65、DD13で経験。
原因・・・ギアが磨耗してしまう。構造上、ギアが磨耗するのはある程度仕方ない。
特に無茶な走りをさせた車輌は、ギヤが粉を吹いている。。。
予防・・・スケールスピードを保つべき。急発進急停車は禁物。長時間運転も避ける。
対処・・・ギア交換しかない。たまに分解し、構造と状態を確認しておきたいもの。
(マイクロの電機は分解すると元に戻らないことがあり・・・要注意)
14. 中間台車の車輪はずれ
現象・・・中間台車の車輪が脱落してしまう。マイクロのEF61中古品で経験。
原因・・・中間台車の肉が薄いため、曲がってしまったのか?
予防・・・購入時によく確認するしかない?
対処・・・ドライヤーであぶり、台車を修正した。火傷に注意。
15.樹脂の劣化や変形
現象・・・硬化して割れやすくなるとか、歪みが大きくなったり、反りが出たりする。
はめ込み部分では、はめ込みが甘くなったり、逆にうまくはまらなくなったり、
はめ込みの爪が折れるなどが発生する。
原因・・・プラスチックの経年変化。
予防・・・プラスチックは温度差で延びたり縮んだりを繰り返すので、保管状態をチェックしたい。
しかし経年変化は避けられない。。。
対処・・・温度差の激しい所に保管している物は、直ちに常温の場所に避難させたい。
車輌も増えるとなかなか自由が利かないな。。。。
割れ、反りなどが発生してしまった場合は、接着剤やプラ板で補強する。
16.消しゴムの融着
現象・・・消しゴムのカスが付着すると、塗装や樹脂を犯す。
プラの筆箱などで誰でも経験あることでしょう。幸い、模型では経験してないが。
原因・・・消しゴムによる化学反応?
予防・・・勉強机で模型をいじる時は机を綺麗にしてから!!
机の中のプラスチックトレイにプラスティック消しゴムを置きっぱなしにしていると、
トレイを溶かして張り付いている。
トレイ上のカスは、その一つ一つがトレイの中にはまり込んでいる。
自分の模型がこうなったらどうしようと連想し・・・我が子を教育している!!
対処・・・融けてしまったら、どうしようもない!?
17.ケースからの出し入れ時の傷
現象・・・自分ので車両に傷をつけてしまう。特にマイクロエースの編成物ケースは要注意。
原因・・・緩衝材にきつくはまった車輌を取り出す時、はめ込む時に爪を立ててしまう。
予防・・・単品物などは掌にケースごとひっくり返し、軽く振って取り出す。
この際付属品は外しておく。大きく振って飛び出た車輌を、ケースで叩かぬように注意。
対処・・・ケースからの取り出し時に傷を付ける事ほど悲しい事はない。
もし傷付けた場合は思い出として割り切ること。。。。
ユニクリーナーで拭くと傷は目立たなくなるが、しつこくやると塗装がはがれるので注意。
18.「手の油」、「汗」のシミ
現象・・・塗装表面がくすんだり、やテカテカになったり、シミができたりする。
透明プラは白く曇ったり、メッキ部分は艶消しになったりする。
原因・・・汚れた手で触ると、次第に新品時の新鮮さが無くなる。
予防・・・自分は車体を掴む時には白い手袋を使っている。
対処・・・影響の少ないところで試してから使いたいが、アルコール性クリーナーでふき取ると綺麗になる。
但し、先にも書いたように、永大・学研製品の場合は塗料が弱いので注意。
最近模型店の店員の手が非常に気になっている。
購入の際、車輌を取り出す手は、爪が伸び黒ずんでいる。。。
よく傷付けずに出し入れが出来るな〜・・・さすがプロ!?
見るだけで買わない人もいるのだから・・・せめて手袋着用を願いたい物だ。
・・・ってかなり神経質かっ!?
19.マイクロエースDF91正面ナンバーのかすれ
現象・・・購入後、家で確認すると正面ナンバーのDFのFが擦れていて消えてしまっている。
不良品かと思い販売店で交換してもらったが、また擦れた状態になりつつある。
原因・・・緩衝材と製品の間に入るビニールのサイズが小さいせいか、
モケット状の下地と透明蓋の突起による擦れか?
特に透明蓋の突起の方が擦り取る要因になっているようだ。。。
予防・・・ビニールを半分に切って広げ、前面が直接緩衝材にあたらないようにするか、
緩衝材の当たる部分をライターの火などで溶かし、直接ナンバーに当たらないようにする。
自分は後者を選択。モケットの裏からライターであぶり、指で広げた。
透明蓋の方は車輌が当たる側からライターであぶり、指で押して空間を作った。
いずれも手際良く熱し、指で素早く押さないと・・・融けて穴が開くので注意。
対処・・・擦れたナンバーは、銀色のエナメル塗料で慎重に色差しして修正するしかない!?
20.永大製気動車を旧TOMIX車輌ケース(青)保管での塗装の溶着(情報提供:WESS様)
現象・・・塗装が剥がれ、ケースの蓋に溶着。
原因・・・永大製品の塗装の弱さ。
LM328iからも「自社の緩衝材の発泡スチロールに侵されている物もある」と聞く。
実際、シンナーに漬けると驚くほど簡単に溶解する。ユニクリーナーにも溶ける。
但しTOMIXの旧車輌ケース(濃い青のブック型ケース)は、
3.項で記したように小田急LSEの白い塗料を侵してしまったので、
どちらにより大きな原因があるのかは不明。。。
予防・・・車輌とケースの間にティッシュを挟んで蓋を閉めるか、車輌をティッシュで包む。
(自分のLSEは購入時にすでに点々とダメージを受けていたが、
6枚ものティッシュを挟んで保管した為、それ以上悪化していない)
対処・・・大事にしていた車輌がある日ケースの蓋を開けるや無残な姿を目の前にするのは悲しい。
絶版品であったなら、塗装の侵された車体でも取っておきたいもの。
自分で塗装を修復し、駄目であれば再チャレンジ。
採算度外視でよければ、塗装してくれるショップに依頼する。
21.関水金属製C62初回ロット(1971年暮)のモータ焼損
現象・・・電圧を上げてもスピードが乗らず、モーターが熱くなる。
モーター単体に通電してみても状態は同じで、やがて六角状のブラシホルダーが剥離した。
LM328iが知人に譲り受けた初回ロット品で発生。
原因・・・不明。
モータの発熱停止は自分も同社のC50で経験したが、
それはモーターを加工した為と思われる。
本件は前オーナーがほぼ未使用、1972年頃から33年もの間通電が無かったので、
元々不良品だったのか、長い年月による何かの劣化が原因か!?
予防・・・定期的に走らせてやる事は模型にとって大切か・・・
保存も常温で高温多湿は避けなくてはならないと思われる。
(余談)自分はお座敷運転中にスケール速度を満喫する為、
寝そべって見ているうちに熟睡してしまうが、
走行中の脱線停止はすぐにパワーパックの電源を切るように取り説にもあり、
模型の世界でも、居眠り運転は厳禁!
対処・・・なんと!LM328iは手持ちの同時期のEF65のモーターを、「両軸のまま」移植。
「未加工で付いた」って。。。今日もキャブから長い軸をぶん回したシロクニがお座敷を爆走中!!
22.関水金属・電球室内灯セットの発熱による屋根の変形
現象・・・自分に原因があるが、電球発熱による屋根パーツの溶解。
30分の走行で電球部上の屋根に凹みが発生。
当初こんなところにプラスチックの成形上のえくぼがあったかな〜と気づかず、
さらに走行させるや、えくぼが皺になり完全溶解。
1976年頃キハ82系での経験。大変悲しい思いをした。
原因・・・屋根裏に張るアルミシールを、電球の上に張って何の意味があるのか?と。。。
けちって電球上に張らずに組み付けたのが最大の失敗。
予防・・・予防も何も、取り説通りに組み付けない自分が悪い!!
取説通りの組み付けは絶対。
現在では熱を持たない発光ダイオードが主流?になり心配は無いのか。。
対処・・・当時はホビーセンターでパーツが買えることも知らず
車輌自体がジャンクパーツに。
Assyパーツは車体単位の販売となった現在、
中古を探せばAssyパーツの価格より安く補充できるかな?
例題のKATO製は屋根がはずせるので塗装の腕さえあえば補修も可?
23.動力部ダイカストの劣化(文責:LM328i)
現象・・・動力部に使用されているダイカストが、ヒビ割れと変形を起こし、結果として不動となる。
LM328iが中古で購入したエンドウ製キハ35が、購入時既にそうなっていた。
原因・・・熱や湿気による収縮と膨張を繰り返すうち、経年劣化でやがてヒビ割れを起こす。
片側の温度差がもう片側より激しいと、変形を起こすのか?
劣化のしやすさは、ダイカストの質(メーカーの差、ロット違い)にも依存すると想像。
予防・・・劣化は、ダイカストの弱点なので、ある程度は仕方がない。
発生を防ぐ(遅らせる)には、温度差、湿度差の少ない冷暗所に保管する。
対処・・・劣化したダイカストは使用できないので、手持ちの同じ動力に交換。
同時期の同じ動力にもかかわらず、そちらに劣化は全く見られないところを見ると、
劣化を起こした個体は、かなりの悪条件に保管されていたのかも。。。
←線路と比較すると、曲がり具合がわかるはず。。。
ダイカストのクローズアップ。ヒビがあちらこちらに。