このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

TOMIX真鍮製キハ30系のグレードアップ




左:加工したキハ30、中央:幌をKATOのパーツに換えたキハ35、右:オリジナルのキハ35900

ある日、いつもの中古模型ショップに行くと、見慣れない車両がKATOのケースに入っていました。
手に取るとズシリと重い・・・真鍮製のキハ30動力車です!
これは貴重なエンドウ製!と思って中身を確認すると・・・床下に「エンドウ」の浮き彫りがありません。
そうか、TOMIX製か!
エンドウのプレス型を使って生産、TOMIXブラスシリーズとして発売したものだったのです。

早速手に入れて帰宅した私は、しかし、エンドウが出していた頃、買わなかった理由を改めて思い知りました。
「前面がカッコワル〜・・・」
プレスで表現されたライト、Hゴム、ジャンパー栓・・・どれも貧弱で目立たないのに比べ、
妻板正面でボディを接合した部分が・・・かなり目立ちます。
しかもテールランプは奥まったところに赤い樹脂板が付いているだけだし、
ヘッドライトレンズは不自然な半球状に出っ張っています。。。。

すぐにグレードアップさせたくなり、早速工作にとりかかりました。


全く同じ構造をしているエンドウ製キハ35900。TOMIX製キハ30も、購入当初はこうでした。

まずは幌を交換してみることにしました。
金属プレス製の幌を抜き取り、KATOのキハ52用の濃灰色のASSYパーツを接着することにしました。
ところが!幌を抜き取ると・・・行先表示の白い部分、運転席窓、テールランプが一度に剥がれ落ちたのです!
なんとこの3種を1枚の塩ビ板に印刷して表現し、幌をボディに留めるツメだけで固定していたのでした。
行先表示と運転台窓を共用するのは理解出来ますが、テールランプまでとは!
・・・まぁ、いいでしょう。
テールライトは銀河のパーツを付ければいいし、窓も後でどうにでもなります。
しかし・・・思い切った構成なんですね。。。

次に行ったのは、そのテールライトと、ヘッドライトのグレードアップです。
テールは、電車用だったか電機用だったか・・・銀河モデルの手持ちのものを使用しました。
ヘッドは、同じく銀河モデルの103系/キハ30系用を買い求めています。
開いている穴に真鍮製のライトケース差込んでみたところ、
製品のプレスが甘くて凹凸が少ないのが幸いし、そのまま違和感なく装着できました。
接着後エッチングプライマーを筆塗り、さらにGMの首都圏色を筆塗り、
そして最後に、樹脂製のレンズを接着しています。

続いてジャンパー栓。これはGMキットの余剰パーツから持ってきました。
ジャンパー栓の表現も甘いプレスだったので、そのまま上から接着し、首都圏色を筆塗りしています。
Hゴムにはエナメル塗料を筆塗り、窓ガラスには透明プラ板、行先表示窓には白色プラ板を、
それぞれ接着しています。


左写真:ヘッド/テールライト、ジャンパー栓、幌、信号炎管、Hゴム、排気口を加工しています
右写真:裏から見たところ。ヘッド/テールの銀河モデルパーツの様子がわかります。
     運転台窓と行先表示窓はプラ板で新調。

さらに屋根上にも加工をしました。
軽くポツンとしたふくらみで表現されている信号炎管は、
ピンバイスで穴あけし、KATOの信号炎管を装着、エンジンの廃棄口もピンバイスで穴を開けています。

ここまでやると、かなり実感的な顔つきになりました。
モデモ製よりも本物っぽい・・・と思えるくらいです。
それとともに、もっともっとと、欲も出てきました。。。

グローブ型ベンチレータを実感的なTOMIX製パーツに交換しよう!
そう思ったのですが・・・・製品のベンチレータは金属製で、屋根にがっちりと固定されていました。
これを全て切り落とすのは困難だし、そこまでやらなくとも、まぁまぁの形状をしています。。。
なのでこれはさっぱりと諦めました。

次は・・・屋根の色をもっと落ち着かせること。
プラモデル用スプレーの艶消し濃灰色を吹いてみました。
かなり落ち着いたいい感じに仕上がったと思ったのもつかの間、
製品の塗装膜は焼付け塗装だと思われますが・・・ここにスプレーの塗料が食いついてくれません!
端の方からペリペリtp剥がれてしまったのです!
・・・仕方なく全て剥がしましたが、これはいずれ、プライマー処理をしっかりした上で、再挑戦してみるつもりです。

さらに行ったのは、床下の塗装と、ドアへの墨入れです。
床下はもともとグレーになっていますが、無塗装な上色調が明るすぎると思ったので、
自家調合したエナメル塗料を塗ってみました。
これでかなり落ち着いた感じにはなりましたが・・・ちょっと色が濃すぎたかも。


墨入れは、ドアの溝に薄く溶いたエナメル 塗料を流しています。
ドアもプレスの甘い表現、側面が単調だったので、よいアクセントになったと思います。

最後に・・・カプラーをKATOカプラー(アーノルトカプラー交換タイプ)にしています。
このとき台車をよく見て驚きました。
なんと台車の裏側に、GMマークが刻印されているのです。
GMの文字の部分には穴が開いていますが、このクローバーは、GMマークに違いありません。
その走行音から、動力はGMくさいとは思っていたのですが、やはりそうなのですね。

かつてエンドウが製作、販売していた製品のプレス型を使い、GMの動力と組み合わせ、TOMIXが販売。。。
なんと不思議な製品なのでしょう!
噂では、組立を担当したのはタケモリモデルだとも聞いています。
「TOMIXのブラスシリーズ」の冠が付けられていたかと思いますが、
手作り車体のため製造コストが見合わず、後が続かなくなってしまったそうですね。
なんだかもったいない話です。。。

GM製の証、クローバーマーク

すっかり話は逸れてしまいましたが・・・
正面を中心に簡単な加工をすることで、継ぎ目も目立たなくなり、実感的になるので、
エンドウまたはTOMIXのキハ30系をお持ちの方には、是非お奨めしたいと思います。
とは言え・・・この製品を持っている方は多くはないだろうし、
かつてのエンドウ製品となると、どのくらいの数が生き残っているのかわかりませんが・・・


完成した姿






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