このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

3.工作に目覚めた頃(前編)  

てんわやんわで手に入れた動力車。
その後、渋谷に行く度に1本2本と線路を購入して行く中で、
誕生日にエンドウが発売するトランスを買ってもらったかと。。。
当時、350円くらいのプラモデルしかかってくれなかったのに、このプレゼントは
非常に感謝した次第です。

しかし車輌となると、ただ自分よりも先に模型を始めていただけのLM328iも同じような境遇の中、
お互いに新しい車輌の増備は望むべくもなく、
学校が終わると切符を片手に、目ぼしい模型店めぐりをして憂さを晴らす日々が続きました。。。。
目の前には(一部品切れ状態の)蒸機以外は全て陳列されている。
圧倒的なHOの中で、透明プラのケースに入ったNゲージの山は、宝のように見えます。

そんな境遇の二人は、Nゲージを発展させるに至る、素晴らしいバイブルと遭遇します。

「子供の科学別冊 科学教材社発刊 Nゲージ」

木と紙で車体を作り、当時売られていた台車を使って車輌を作る。
・山陽新幹線高速試作機951系
・181系こだま型
・82系ディーゼル特急
・EF651000
・165系の型紙
・クモユニ74のカラー型紙
・真鍮で造るキハユニ26
・モハ103のT車の製作
・・・
さらには、パワーパックの作り方から、レイアウト製作まで。。。。。
(今の製品とは構造が違う)C11の分解説明から、製品の紹介まで。。。。。

車両製作記事全てに寸法が記載され、実際の製作過程の写真があり、
読んでいるだけで自分でも作れるかのように錯覚する記事の内容は、
LM328iと共に、震えるような喜びを感じたと思います。

我々二人は授業内のクラブの時間に図工クラブを選んでおり、
初めての発表は、方眼紙で作った、
専用軌道を持つ(現在の500系を角ばらせたような)特急電車でした。
動力は、友達に貰った戦車のギヤーボックスでした。
5年生の最後の時には豆電球3つを駆使した信号機を製作。
こいつは縁石、ガードレールまで付いていて、下級生からの支持は絶大の物でした。

6年生になり、やはり同じクラブを選ぶと・・・・それはもうNの世界です。
LM328iが所有する、機芸出版社刊「レイアウト全書」に、
どろどろに溶かした新聞紙とボンドで紙粘土を作る・・・と言う記事が載っていると知れば、
早速レイアウトの山を作ろうと、家から持ち出した親のアートフラワー用の木工用ボンドを、
全てボウルに出し、濡らした新聞紙を細かくちって、ボウルで揉む事40分。
こんなことで新聞紙が溶けるはずもありません。
手に付着したボンドは乾燥し、奇妙な作業光景が多くの野次馬を呼び、同じ質問の嵐です。
初めのうちは出来ると信じていた為にこやかに・・・・それが雲行きが怪しくなると焦りと変わります。。。

「ネエネエ何やってんの?」
「うんっ、紙粘土を作ってんだー」
「へーッ!スッゲ〜」
・・・・
「ネエネエ何やってんの?」
「うっ、うるさい!!」
「・・・・・・」
ってな具合・・・・

横にいたLM328iは笑いがこらえきれず、野次馬が来るたびに大ハシャギ。。。
「人にあんな記事を読ませておいて!」
(といってもよく読まずに、ものの20分くらいで紙粘土が出来ると信じた自分が悪いんですが。。。)
ここは一丁、一泡吹かせてやる!と方向転換。
山を作る基礎に使おうと待ってきた「毛糸」を、ボンドのケースに巻いて、ダルマを作ってやる!!

ひょうたん型のボンドのケースにベーゴマに巻く紐よろしく毛糸を巻いていき、
そこに練り上げた(・・・・上がってない)、新聞紙のかけらにボンドをまぶしただけの、
自家製「紙粘土」を貼り付けて行きます。
巻いた紐は長さが足りず、ケースの半分しか巻けていない・・・
乾きつつあったボンドは粘着力もなく、貼ったそばからぼろぼろと剥がれます・・・
しかし何でもいい。完成させて、LM328iにギャフンと言わせねば気がすまない!!

貼り付けた「紙粘土」が落ちないよう、片手で押さえ、なんとか貼り加え・・・
執念でダルマができてゆきます。
しかし、多く作ったつもりの紙粘土は意外にに少なく、
ボンドケースを全て包むどころか、毛糸の巻かれた部分すら、全て貼ることは出来ません。
授業の終了が近づきます。
LM328iは、自分の工作はそっちのけで、涙を流して笑っています。。。

「出来た!!(怒)」

容器の半分はむき出しですが、しかし上半分は正にダルマ。
貼り付けたボンド・・いやいや紙粘土の部分を、剥がれないようにそおっと持ち、
「どうだっ」とばかりにLM328iに見せつけ・・・・た瞬間、

すっぽん!

ダルマの形になった「紙粘土」を我が手に残し、ボンドの容器が抜け落ちました。
合わせて、自分のプライドも一緒に落ちていくのでした。。。。

無駄な45分間。。。

教室に戻ると他のクラブから戻った同じクラスの仲間に、「何してんだ?」とまたまた聞かれ、
泣きたい気持ちを我慢しながら、手のひらにこびりついた新聞紙の混ざった乾燥したボンド、
いやいや「紙粘土」を剥がすのでした。。。。。。。

話はかなり脱線しましたが・・・・
そんな自由奔放で自己の才能(?)を伸ばしてくれる時間は、我々二人にとってまさに持って来い!!
七転八倒しながら、「Nゲージ」の工作記事と同じ、車輌製作が始まるのです。






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