*マイクロエースDF50・・・最大の弱点とは
マイクロエース製DF50は、KATOの製品と発売時期が近かったせいなのか、
どうも市場では評価があまり芳しくないようです・・・
でも、KATOよりも滑らかで静かな走り、鮮やかで見事な塗装、
正面補強板やラジエータ冷却装置といった個性あるディテール・・・など、
KATOとは違う良さがあり、私は結構好きな製品です。
弱点の信号炎管、ホィッスルをKATOのパーツに換えれば、あまり遜色はないと思うのです。
でも・・・両者を並べてみると、どうも違和感があるんですよ。
なんだか、マイクロエースはKATOよりもDF50っぽく見えないのです。
どうやらその原因は、KATOに比べてスカートが正面から引っ込んだ位置にあることのようです。
両者をひっくり返して並べてみると、KATOのスカートが正面から0.2mmくらいの位置にあるのに対し、
マイクロエースのそれは、前面よりも0.5mm以上、奥に付いていたのです。
両者のボディ、スカートの寸法や形状はほとんど同じなのに、
この「取り付け位置の差」で、顔つきの印象が異なって見えてしまっていたのです。
左写真:左がマイクロエース(側面フィルタ交換前)、右がKATO。
右写真:今度は左がKATO、右がマイクロエース。確かにスカートの位置が違いますね。
*KATOスカートの出番
マイクロエース製のスカートは、動力部ダイカストを挟み込むように、下側からはめ込まれています。
固定位置を決めているのは左右に出ている細いツメで、他に挟み込める部分はなく、
位置を前方にずらすのは容易ではありません。
しかも、いかにもこのメーカーらしく・・・スカートは復元性の弱い、非常に柔らかい樹脂でできていて、
取り外す際にツメが折れやすくなっています。
私も1本折ってしまいました。。。
そこで・・・KATOのASSYパーツの登場と相成りました。「DF50 カプラーセット」を購入します。
両者を比較してみると、形状や寸法はほとんど同じでした。
しかし、KATO製は弾力が強い丈夫な樹脂でできていて、加工が容易な上、
左右と前方に挟みこめる部分があるので、私の得意な「スカートの挟み込み加工」をしやすくなっています。
さらに、マイクロエース製では窪みの表現にとどまっている、
ジャンパー栓の部分がしっかりと抜けていることも、見た目で実感的な部分です。
これを挟み込んでみることにしましょう。
左が製品オリジナル、右がKATOのASSY
*得意の挟み込み加工を施す
あとはKATOのASSYパーツをマイクロエース製品にはめ込むための、現物合わせ加工をするだけです。
まず、動力ダイカストと干渉する、左右の出っ張りを切り落としてみると、
ボディ前面裏とダイカストとの隙間に、KATOのスカートがはまりこむようになりました。
しかし・・・この状態では、隙間の間隔に比較して挟み込む部分の厚みが足らず、固定できません。
しかも、ボディ前面とスカートの位置関係は、ほぼツライチになってしまいました!
これでは前方に出すぎです。
スカートは、前面よりほんのちょっとだけ引っ込んでいなくてはいけないのですから。
続いて、スカートの挟み込む部分の前方に、プラ板を貼ってみました。
最初は0.25mmを貼ってみたのですが・・・まだ不足しています。
もう1枚0.25mmを貼り重ね、0.5mm厚にすると、
前面とスカートの位置関係は、ちょうどKATOと同じ、0.2mmくらいになってくれました。
プラ板の厚みは、0.5mmでよいようです。
しかしまだうまくいきません。
今度は、挟む部分が厚くなりすぎて、隙間に入らなくなってしまいました。。。
KATOのスカートをこのように加工します
そこで、動力ダイカストの前端を、細密ヤすりを用いて、ほんのちょっとだけ削ってみました。
すると、これでスカートを挟み込めるようになったのです。
挟み込む力は、「きゅっ」という感じで、きつすぎず、緩すぎない感じです。
これは、思わぬ副産物を生み出しました。
このロコは以前、側面フィルタをKATO製に交換したため、ボディと下回りは固定されていませんでした。
それが・・・スカートがきつくはまり込むことによって、しっかりと固定できるようになったのです。
ダイカストの端をちょっとだけ削りました
*完成!
以上で、加工は終わりです。
方法さえわかれば、30分以内で終わるような、簡単な工作となりました。
動力ダイカストにボディを被せ、隙間に加工したスカートをきゅっ、きゅっと差し込んでやれば、
おお!前面とスカートの位置関係は、バッチリです!
再びKATO製品加工の終わったマイクロエース製品をひっくり返して並べてみると、
同じような位置関係になっていることが確認できました!
左がKATO、右がマイクロエース加工品。前面とスカートの位置関係が同じになっています。
さらに・・・線路に並べてみてみると、その効果は歴然です。
全く違う雰囲気を漂わせていたのが嘘のように、両者の差はわからなくなりました。
もちろん、ホィッスルと信号炎管の効果もありますけど。。。
これだったら、同じ場所に佇んでいても、違和感はないでしょう。
こうなると、次は貫通扉のステップの違いが目立ってきます。
マイクロエースのDF50は、この部分が妙に大きいのも、難点のひとつですからね。