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HOメーカーが作ったO系、より実感的に・・・(2004年9月11日)





今回ここに紹介する0系は、HOメーカーのエンドウが発売した、まさに秀逸な製品だったと思います。

「何故Nの世界に0系がないのか・・・」

そんな思いを持ち続けていたとき、初めて製品としてこの世に送り出されてきたのは、
西ドイツ(当時)MINITRIX製モーター使用を宣伝文句にした、学研製でした。
しかし・・・価格は高額で、数両を購入するほどの予算もなく、試しに22を1輌だけ購入しました。
手にした製品は内装もなく、ライトも点灯せず、先頭部のラインは乱れ・・・・
出費額に対する満足などは到底与えてくれず、増備する気になりませんでした。

しかしその後、なんとエンドウが1000番台を得意の金属製として発売。
当時のHO製0系をそのまま縮小したようなその製品は、御買い得価格に設定されているとはいえ、
今までのプラ製品よりは高く、購入の対象とはなり得ませんでした。。。。


運転席周りまでプレスで仕上げられた表現が、
30年位前に売られていた、HOカツミ製の0系を思い出してしまいます。

1980年のある日、とある小さな駅の小さな模型店、
店頭のウインドウにこの製品の6輌セットが飾られています。
フラ〜と入ったその模型屋で、何も買うものも無く、この6輌セットは一番目に付く存在でした。
その内KATOやTOMIXが作るだろうし・・・・と、帰ろうとすると、店の親父に捕まってしまい、
結局拝見する事に。。

元々ディテールの少ない0系です。
エンドウ製のプレス製法の窓抜きは見事で、美しい塗装と相まって、プラとは異なる重厚感を感じます。
薄い側面に張り付いた、これまた薄い塩ビ製の窓ガラスが室内をよく写し、金属製である事を主張します。
しかしその反面、座席が無いのが惜しまれますが・・・・
金属製であるということが、その不満を帳消しにしてしまうのです。
ケースから出してもらい、先頭車を見ると・・・もっと驚嘆する事になります。

細かいルーバーを「抜き」で表現する、エッチングによる屋根上表現は、実に強烈な印象を与えて来たのです。

この屋上は秀逸。室内側に天井をつけて、中にクーラー機器の表現をしたくなります。。!?

この素晴らしいルーバーが並ぶ編成を想像するだけで、
プレスのみの運転席窓枠や細くなりすぎた先端形状、前面のあまりにも乏しい表現も気にならず、
俄然お気に入りの編成と・・・・頭の中が切り替わります。

0系か・・・財布を除くとギリギリ買える。

混迷困窮困惑する中、清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入を決意し、
店の親父の勝ち誇ったような笑顔に敗北感を感じつつ、購入したかと思います。

家に持ち帰るや、衝動買いの罪の意識が付きまといましたが、
エンドウ独特の青地の紙ケースを開けると、1輌1輌きちんと作られた車輌が6つ。
金属であるのに軽く、ガッチリとした車体に繊細で綺麗に抜けたルーバーが並び、
非常な喜びを与えてくれました。

そしてその走りは・・・・重厚感溢れる加速。
それまでのNメーカーの車両ような軽い加速をせず、
まるで実機のように・・・・なだらかに弾丸列車に変身する事を予想させる視覚。
最高速は決して早くないが、スケールスピードにしたら十分。
こいつには非常にビックリしました。

トレーラーの軽さと違って、実に重厚に作られた動力を、
この台車がレールに伝え・・・・・・・・劇的な走りを演出する!?・・・・・ってか!

しかし!・・・先頭部を見ると、全く0系の顔をしていません。
この事だけがどうしても心にひっかかります。。。。。。。

高価な車輌セットは、以前のように改造するわけにはいかない。
それでもやっぱり、運転席部分のサッシの表現はしたい・・・・
ならば、取りあえず塗装で表現してみよう。

早速窓枠部分をマスキング。
プラ用塗料を塗って表現して見ましたが・・・・一向に表情は変わりません。
ついに火がつきました。

「前面のサッシを別パーツで表現しよう。」

決断は行動を大胆にします。
家に転がっていたニッパーで運転席窓の柱をカット。
罫書きなどは全くなく、実物の写真を見比べながら、鉄のやすりでサッシの部分であろう所の部位を削る。
削る。削る。。。。

結果、側面の部分を削りすぎてしまい、ハンダを盛って修正する羽目に。。。
しかも!力が入ったのか、正面から側面を見ると、各窓の柱の付け根を支点にZ型の歪みまで発生させ。。。
この段階で、運転席の窓ガラスとそのサッシをどう表現するか?思い悩む事になります。


当時はここまでの加工だけで大満足。。。

サッシをプラ板で作り、窓ガラスをはめ込み・・・・これは設計図を描くのが面倒。。。
KATOのパーツを使う・・・見比べてみると、サッシの淵は非常に細く成型されているが、
全体が大きくてどうもアンバランス。

等々・・・・試行錯誤の思いだけで、早20年が経過しました。

その間、10年振りに押入れから出して見た、ある日の事です。
緩衝材に使われている発泡スチロール、その車体の形にくり抜いてある部分に敷いてある紙が、
どういうわけか車体に張り付き・・・・
恐らくアイボリー部分とは違う塗料が使われていると思われるブルーの塗料が、
白くカブったようになって、ヒビが入り、変色している!!

こッ細かなヒビが〜!!


加工前との比較。運転席窓周りのサッシの表現がうまくできたとしても、
車体裾の絞りがきつく、それに合わせた「ちびれた」スカートが鼻に付く。。。

大切に保管し、走らせて壊したわけでもないのに痛んだ車輌は、
加工をどうするか以前に、愕然とさせます。。。。

そんな自分を見てくれたのか、神はこの加工を完成させるようにと、2つの機会を与えてくれました。

1つ目は・・・今から4年前くらいの事だったか。。。
ふら〜っとよく行く中古模型の取扱店に行くと、
どこかで見覚えのある黄色とブルーのパッケージの単品物が、山積みされています。

エンドウか。。。。。

しかしよく見ると、25と26のみが20箱位!
かねてから増備をしたいと思っていましたが、このような過去の製品は売っているはずも無し、
と諦めていたところの急な出来事に、何度も目をこすり我が目を疑った出来事でした。
店の人の話を聞くと、倒産した模型屋の倉庫がらみとの事。。。。
複雑な思いの中、中身を確認すると、自分の持っている車輌と同じような「痛み」を確認。
苦笑してしまいました。
その状態からなのか、先頭車や動力車が無いからなのか、価格も1両数百円という手頃さです。
25と26を3両ずつ購入し、晴れて12輌編成となったわけです。

パッケージ内の発泡スチロールを取り除き、12輌を立てた形で並べている。
車輌同士の間には、KATOの緩衝材を薄くカットして挟んでいる。

2つ目は・・・昨年だったか、スーパーに家族と行ったある日の事でした。
子供をお菓子のコーナーに連れて行くと、オマケ付き菓子の中に、スタートレインというものを発見。
専門誌の新年号のオマケに、クリアーの700系が付いていたのを思い出し、
すぐにそれがお菓子のオマケだった事が判明します。
一つ300円もするし、ろくな菓子も付いていないそれは、子供に買い与える訳にもいかず、
・・・・って、0系がラインナップされているではないですか!!

こっそり隠れて試しに1つ買ってみました!
するとこれが、恐ろしく良い!!

少し高さ方向が大きく感じますが、それ以外は全くのNスケール車輌です。
しかも、室内の座席どころか、洗面所や便器まで表現されています!
先頭部のスカートの表現は、エンドウのそれを玩具のように感じさせます。
そして!ここには先頭部の「サッシ付き窓ガラス」が表現されている!!
こんなに精巧な物が、NゲージのAssyパーツの価格で買える!これは安い!!

・・・・ってことで、後日6つも買ってしまいました。

「お菓子のオマケ」のはずが、前面のボリュームは、さすが後発?だけあって、雲泥の差。。。


便器と洗面所の表現には、どのNメーカーも脱帽!?

この玩具菓子が、20年前に行った一つの加工に明るい希望と未来を与えてくれます。

 「窓ガラスの移植」
 「スカート部の移植」

それに加え、先頭部裾の絞りにもう少し膨らみを持たせ、細すぎる先頭部を一新させる。
KATO製の台車に変更し走りも一層充実?
パンタをKATO製に変更。
カプラーをTN化して連結面に転落防止板の取り付け。
・・・・と様々な案がで、頭の中が膨らんでくるのでした。。。。

しかし!菓子のおまけの0系の窓ガラス部分は、厚さ2mmから3mm位あります。
ひとつ削りだすだけで力尽き、フィニッシュの・・・・はめ込む手前で作業は中断。

透明なパーツの為、少しの気の緩みが苦労を無駄にする。。。。


うまく、ハマッタとしても、バランスはどうかな。。。。?

そしてその後、半年位が経過しているのでしょうか。。。。
最終的には、この美しい塗装を蘇らせねばなりません。
それを見越してなのか、今年の初めに、昔懐かしい、慣れ親しんだマッハ鉄道調色塗料を購入しました。
まだまだ先の工程ですが、今から既にドキドキしています。
今後この加工がどのように発展していく事やら。。。

KATO、マイクロ、TOMIXのプラ製品の他編成の中に、
実物に近い表現を持った金属製の0系を、
早く送り込みたい気持ちだけが・・・ひかり、こだましているのです・・・・?

・・・・ってどうせ御座敷ですけどね。






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