このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

ローカル駅セクション

グッドプロポーション!103系の窓ガラス交換





*そもそも・・・
かなり昔のある日の事。。。
目的も無く高田馬場にあったKATOのショウルームに行き、
数ヶ月前に発売されたばかりの新103系を眺めていました。

ATC・非ATCとバリエーションのある中でのカラフルな陳列は痛快で、
正確にサッシの柱がモールド表現されている所にはまり込む側面窓ガラス。
その面一感は素晴らしく、それまで慣れ久しんだ旧103系がかなり古く見えてしまいました。

既製の旧103系と新発売の新103系。
眺めていると、ふと思います。
側面窓ガラス表現はユニットの違いこそあれ、ガラス自体のサイズは全く一緒なのでは?
戸袋もHゴムは車体側の表現となっており、そのままはめ込めそうです!
そして購入した窓ガラス3輌分。
しかしこの構想は、所持していた肝心の3輌の種車はバラバラのスクラップ状態となっており、
さらに購入する資金も無く、改造の構想だけとなってしまいました。

その何年か後、ついにこの構想を実現する時がやってきます。
LM328iと渋谷の大型量販店に行くと、そこの馴染みの店員に旧103系の売れ残りを指差され
「あれ買っといたほうが良いよ。もう次の再生産は無いヨ!」と囁かれ、持てる資金全額を投資。
・・・・ウグイス7輌を購入しました。

自分が幼少の頃に買い揃えようとクハ2輌・動力1輌と買った物は、編成にしても動かない輌数で、
カプラーをいじったり色入れをしたりで・・・ついにはスクラップになってしまったものが、
一気に7輌もの立派な編成で揃った事は、非常に嬉しかったと思います。

その後KATOは再生産をしてしまいましたが、動力は新動力となり、
「入門セット」とでも位置づけたのか、全てセット販売になってしまいました。
自分の好きな様に編成をそろえるにはASSYパーツで組み上げねばならないので、
あの時の店員の方の囁きは今から考えると非常に感謝だと思います。


後発のキハ82系よりも先に、電機と同様のはめ込み式前面窓ガラスを実現。
台車と車体とのバランス等、後発メーカーが腰高感を感じさせるのに、関水金属の設計は見事!
現在では世界標準のアーノルドカプラーによる広い車輌間が鼻に付くが、
編成として並べたら現在の製品とも十分になじんでしまうのは、103系だから?

さて、103系を持ち帰ると早速、前述の窓パーツを取り出し、車体表面に置き、見比べてみます。
このパーツを買う時に感じた事が間違い無かったと、確信が深まるのです。

*切削
サッシ側面のガイドのモールドは残し、中間の横桟を切り落とし、上面と下面を削り落とす。
窓サッシ両脇のガイドは削らなくて良いのだから、窓の隅のRは削らなくて良いわけです!
「これなら行ける!」

しかし上面と下面は車体ギリギリまで削らなくてはならず、
たとえ、1cm弱の窓でも真っ直ぐに削るのは無理。。。乱れが必ず出来ます。
そこで、当時平行して作っていたフリーランス電機の技法を取り入れました。

ヤスリを削る面に対して平行に置くのではなく、ボディの裏側を削るように斜めに削っていく。
コンマ数ミリを残し最後にヤスリを平行に置き仕上げる。
つまり面を線にして最後に線を仕上げる、フリーランス電機の車体切継ぎに使った技法です。

この方法のおかげで、車体側を切り過ぎる事無く、綺麗な穴を開ける事が出来たと思います。

裏側斜め下方にヤスリ、表を削り過ぎないようにしたサッシ部分。
この製品が発売された時代に、サッシの柱のガイド表現は見事!

*はめ込み
心配した戸袋窓・ドア窓も全く問題無く、客室窓のはめ込み具合は恐ろしいほど合致します。
しかし全体を端からはめ込んでいくと、半分くらいからきつくなり、反対側がはまってくれません。
仕方なく一枚の窓ガラスパーツを分離して、はめて行きました。
ひびが入らぬよう慎重に分離し、全てをはめ込んだ時、その喜びは爆発します!!

*組み立て
ここまで来ると新103も揃え、並べてみたい!なんて考えながら仮組みをして見ます。
しかし・・・屋根をはめて見て愕然としてしまうのです。
どう調整しても、側面が膨らんでしまう。。。
はめ込みに無理があるとしか考えられないのですが、
さらに窓ガラスを分離せねばこの膨らみは修整できそうにありません。
この一撃で、全てのやる気が失せてしまった事が、今となっては懐かしい思い出です。


手前が加工製品。後、5輌分のパーツが欲しい〜

*これからのこと
そしてショウルームも今の地点に移動してホビーセンターとなり、
ASSYパーツもボディ一体でしか販売してくれなくなりました。
1輌分のパーツは、複製を作ろうと、買ってきたシリコンゴムの取り扱いを間違えて最悪の事態になり、
・・・・残る5両には窓パーツがありません。

TOMIXは、製品自体は品切れではあっても電機の前面ガラスまで販売してくれるのに・・・
製品単価が高いのは、こうした補修部品の管理費も含まれているからなのでしょうか?
製品としても、フル編成10輌へと、昔のようにじっくりと車両を増やしていく事も出来ず、
非常に残念な思いです。

しかし!それにしても関水金属の設計は素晴らしい!
同系のリニューアル新製品化。
そのパーツが一昔前の製品に無駄なディテールを削り落とすだけでピッタリとはまり込むのだから、
現在でも常に「80点以上」のバランスの新製品が続いている、設計の底力を感じます。






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