(2004年6月8日)
TOMIXがEF81に続く国産2両目の電気機関車として選んだのが、
このEF64だったと思います。
とにかく前面の表現以外は、スプリングウォームにカバーをつける等、
走りと共に(LM328iが紹介する様に)一回り大きいデフォルメがバランス良く、
大変に良く出来た車輌でした。
唯一の「大難点」が前面の表現。。。
別パーツ化されたクリーム部分は、お世辞どころか全く面一感がなく、
そこの上に表現された手摺などは模型でなくおもちゃ。。。
窓ガラスの角は角ばり、車体の奥に引っ込み、Hゴムは未塗装。
さらに致命的なのは、貫通扉のブルーの部分が、
横から見るとEF65P型のようなラインで・・・斜めになってしまっている事。
取り急ぎ、黄色すぎるクリームパーツの再塗装とHゴムの色入れで様子を伺いましたが、
悪い表現が強調され、それ以上いじる気になりませんでした。
その後、走らせるたびに、大変惜しく思うTOMIXのEF64・・・・
ある日永大ED75改造の為にひさしを抜かれた、KATO製ED75耐寒タイプが目に留まり、
そのボディの前面を使用して改造する事を思い付いたのです。
引っ込んだ窓ガラス以外は、貫通型を大変に良く表現しているKATOのED75です。
下記の様に、某所の密室にて1982年頃、改造が特急で進行したのでした。
①切り継ぎの箇所
ひさし下のラインをまっすぐにカット。下はクリームのパーツを外したステップをそのまま使用。
横は窓ガラスとクリームのパーツの間の手摺表現のある青い部分を削除。
縦一直線に仕上げました。
②ED75の前面加工
KATOのED75はTOMIXのEF64に比べて幅が狭いので、
一度前面を切り取った後、両窓の中心辺りで切断し、0.3mmプラバンを挟み、再接着。
面一になるように整える時、テールランプ、飾り帯などのディテールを削り落としています。
Hゴムの上面から下を原寸合わせで削り出しました。
貫通扉は上部にEF64のモールドを使用しないよう、ED75のものを残しています。
しかしそのままでは実物に比べて上部が長いので、ED75の貫通扉の上部を0.5mm位削っています。
面白い事にEF64のモールドも同じくらい長かったので、
0.5mm位削ったED75の貫通扉がぴったりはまる様に掻き取った後、
車体に残った貫通扉上面のモールドを平らに仕上げました。
③接着
貫通扉が垂直に付くように接着仕上げを試みましたが、そのままでは残した
ステップが引っ込んでしまいます。
この部分も一度切り離し0.3mmのプラバンを挟み、寸法を調整しました。
以上物凄い勢いで写真のような仕上がりとなりましたが、貫通扉の「取っ手」の位置で挫折します。
このまま仕上げて塗装すれば、クリームの境界線に引っかかってしまう・・・
この部分はマスキングゾルで型取り、エポキシ接着で成型しようと計画し、ケガキまでしたのですが、
・・・一挙に疲れました。
それから数十年、思い出すたびに・・・テールを銀河、手すりは窓下もテールランプ脇も洋白線、
で、窓ガラスをどうするか・・・・
窓ガラスは、2、3年前、専門誌で透明アクリルを曲げて形を整えた後、
ドライヤーであぶって白く曲がった部分を透明にするという記事を読み、早速実行してみました。
ところが・・・購入したYシャツの首についていたセルロイド(?)を使用した為か、
一向に透明にならず・・・・片側だけ作って断念。
その後、製作の再開が出来ない状態です。
ところが、時が経つうちにKATOがとんでもない良品を発売してしまったので、すっかり気持ちが萎てしまい、
いつになったら完成の日の目を見るのか、という状態です・・・・
わが鉄道が所有するEF64は、さなぎ状態のまま、
KATOより大きくデフォルメされた持ち前の体を武器に、
今日も貨物の先頭で白鳥のような勇士を想像させているのです。