このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

第四章 リニューアルボディの搭載  

<リニューアルボディの取り付け>
フライホィール付きのリニューアル品が発売された時、
旧製品のデフォルメされた長すぎる全長の修正はされませんでした。
専門誌によると・・・旧型製品に比べても若干長くなった位だ!と評価されていました。
この事実は非常に残念な思いと、ここに紹介したジャンクに等しい動力にも新しい車体が手に入る、
旧製品の車両を復活させられる希望を持たせたのでした。

むしろ少年の頃から馴れ久しんでいるKATO製は、
旧体然とした寸法の方が受け入れやすいのも事実で(実機もこの長さなんだ!って感じ?)、
そんな気持ちが今も続いています。
しかし現在、一つの新たな方針が決定したようで、
EF66のリニューアルにその答えが現れたのかなと思います。


旧製品動力とリニューアル品車体内部。こうして比べると長さ方向は問題無し。
しかし、両端のピンク(赤)のテールランプパーツに注目です。

EF65がリニューアルされた時は、同じような思いが市場にあったのか、
リニューアル品初回ロットのAssyパーツが発売されてから数日後、
ノコノコとホビーセンターに購入しに行くと・・・無情にも品切れでした。
その後リニューアル品が再生産された時、Assyパーツ発売と共に猛ダッシュ、
真新しいリニューアルの2つのボディを購入したのがいい思い出です。

何はともあれ、EF65系列にとって旧型の設計を貫いてくれた事は、
旧型製品のメンテナンスを考えると大変に喜ばしく、
出来れば動力側も同様にギアは代替部品等を販売してもらい、
半永久的にその独特の走りを楽しめるようにして貰いたいものです。

模型と言う観点からその個体は壊れれば廃棄するおもちゃと違い、
1度手にすれば愛着が沸き、壊れれば修繕し元に戻すのです。
しかし、無情にも直せないケースもあるし、また逆に以前よりすばらしい性能、外観で修復できた時は、
天にも昇る喜びを与えてくれます。
経験からして、絶対に修復できる!と強く思えば大体うまく行くと思います。
また修復できなくとも、廃棄する事はしない。
次回、同じ事をする時、精神状態も知識も変わっているかもしれませんから。。。

と言う自分は、半分以上が持ち越しですが・・・・・

さて本題のリニューアルボディの取り付けですが、ただ単に被せるだけでは、
屋根裏の導光パーツやパンタグラフを保持する出っ張りがダイカスト上に当たり、
車体自体が深くはまらないのでは?と心配しましたが、
実際に被せると片側は全く問題無くはまり、
車体の爪が片側のみガッチリと旧動力のダイカストに引っ掛ってくれます。

しかし、反対側は何故か浮いてしまい、リニューアル車体の爪が旧動力のダイカストに引っ掛ってくれません。
何故片側が良くて片側が駄目なのか?
・・・その原因はテールライトのパーツにありました。
このパーツ、工程上の効率の関係か左右のレンズが一つの板状のパーツとなっていて、
裏からはめ込まれています。
この厚みが邪魔をしていて、旧動力のダイカストがキッチリと平行に奥まではまってくれない事が判明。
薄く削れば問題がありませんが、今回は早く完成が見たかったので外してみました。
(このパーツを薄く削る場合は、窓ガラスを外し車輌に装着したまま車体の裏からヤスるのがよいと思いますが、
窓の間の柱を削らないように注意が必要。)
このパーツ、その材質から非常に割れやすく、その昔EF81を分解した時、
ピンセットを使って外す際、片側に力を掛け過ぎ破損した経験があります。


右は外したパーツ。最近の製品はクイックヘッドマークの構造からこのパーツは凸型

従って写真のようにカッターの刃を使って、刃がスムースに入っていく片側から持ち上げ、
パーツ自体を浮き上がらせながら外していきました。
強い力を無理に掛け、折れ飛び散ったカッターの刃先を目玉で受けぬように注意しながら。。。
このパーツを外して車体をはめ込むと前後にかなりの余裕が出来てしまうので、
動力が簡単にずれてしまいます。
従って台車のセンターやスカートが3〜4mm前後に動いてしまいます。
テールレンズのパーツを削り再度装着する事は絶対ですが、
(両側ともパーツの厚さを0.5mm薄くすれば大丈夫?)まずは完成。
自分の気持ちの中で調整された動力と共に、旧製品が新たに大きく生まれ変わってしまいました。

<最後に>
この旧動力に関しては部品歪みを修正して、台車の上のスパーギアとウォームの噛み合わせを確認しながら、
床板を止めるネジの締め付けを調整すれば、
その重量から現在のフライホイール機をしのぐエンドウ製に近いHO並の走りが体験できます。
集電もリニューアル品に対して重量が重く非常に良好で、スローも大変に良く利くのです。

車体をリニューアル品に変更した3輌は、また違った魅力の機関車に見えてしまいます。
今後またどんな不調の同製品を手に入れるか。。。
また、今回の調整した3輌にしたってネジが一杯に締め付けられない事から、
走らせている内にネジの緩み、スパーギアの磨耗等、
今後もオーナーに都度、ダイカスト床板の窓からスパーの噛み合わせ具合を確認するように、
運行前点検を要求しているように感じます。
絶縁の紙をプラ板などで厚いものに変更し、
ネジを硬く締めてもスパーギアとウォームが絡み合うようにすれば良いのですが、
調整次第でどんどん走りの変わるこの製品は敢えて完全にしたくなく、
常に整備の纏わり付く状態のままでいたい。。。

LM328iが、「今のホビセンに初めて行ったのはEF65旧製品の修理相談だったけど、
そんな旧い製品では何もできない。って言われ、状態を見るまでもなく、門前払いだった。。。」
と話していました。
そんな彼もこの動力にはかなり苦労したようで、
「カップギア駆動の動力にはユニバーサルジョイントがないから、
モーター取り付けのときの傾き具合や、回転時の振動、ダイカストの歪み、
こういったものによる誤差が発生して、走行に影響します。
モーター側のギアとカップギアの噛み合わせをルーズにして、その誤差を吸収させているはず。
だから噛み合わせのギア音も大きいのでしょう。
ところでOKIが修正したギアの位置ですが、カップギアとの位置関係も、この誤差を吸収できるように、
敢えてほんのちょっとしか噛み合わないようにしてあるのかもしれません。」
と音の発生要因にまでも完全に熟知してます。
同じ年代の加工好きの方は皆苦労したんだろうな。。。

最上段は1輌目購入製品+リニューアルボディ。
真ん中は3輌目購入製品+リニューアルボディ。
最下段はカビカビ中古。この顔はカップギアの象徴。
個体で見ても最近の製品に混ぜて見ても、その背負った時代のエースの証が何時の時代にも順応する。
関水金属の設計・デザインって素晴らしい。

このロットには今の製品のように、はめ込んで「ハイ終わり」と言う簡単な構造ではありません。
床板の状態、ネジ一つの締め方で調子は変わり音色も変わります。
今の製品に無い、ある意味良き時代の動力調整の楽しみが、一杯に備わった製品であり、
一番愛着のある動力であるのです。

お・し・ま・い。。。。。



追加画像

文中では分解しなかった1輌目購入製品の分解写真です。

金属ウォームギアと、綺麗に刃の立ったスパーギアの状態です。
ウォームギアの先端3分の1部分が白いのが気になります。
巷の製品がEF65専用の台車枠となり、台車枠とスカートをAssyパーツに交換する際、
台車ダイカストのネジによる押さえ込み方式からはめ込み式になっている事を知り、
手の指が痙攣するほどの手作業で削ったはめ込み部・・・見えますか?
運転席部分が無茶苦茶にカットされているのが・・・わかっちゃいますね。






このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください