第三章 動力を復活させる!
<復活せよ!!過去の動力!!>
上から3輌目の購入製品、1輌目の購入製品、2輌目の購入製品、カビカビ調整品
まずは何故過去の調整で1輌も調子を上げなかったのか?
何故ピラニアのこぎりで運転室を表現した1輌目購入製品は、
甲高いカップギアの音を立てながら、スムーズに走るのか?
「釘まで切れるピラニアのこぎり」で運転室を表現した1輌目購入製品の調整をした時に気付いたのか、
不動の2両目購入製品は、調子の良い1量目購入製品同様、自論どおり床板ダイカストがほぼ真っ直ぐです。
しかし2輌目は何故不動か?
・・・・それはモーターが入っていませんでした。。。
記憶では床板を真っ直ぐにしてもうまく行かなかったような。。。。
一番上の3輌目は当時の扱いを良く表します。
何かのきっかけで分解。組み付け・・・ただ単にネジを回して分解し、組み付けした工程は、
モータ、ギア類の入るダイカストに床板タイカストを止めるネジを締めた際に、力任せに締め付けたのでしょう。
設計上の問題か、工作精度の問題か、モータの厚みが大きい為、
床板ダイカストは簡単に捻じ曲げてしまい・・・車体まで傾いてしまいました。
恐らく当時、新品時はしなやかだったその走りも、一度の分解で全てを狂わせた事と思います。
当時傾いたボディも、この分解と言う行為で床板を捻じ曲げた結果と断言できます。
上から3輌目、1輌目、2輌目、カビカビ中古品
1両目の購入製品は調子が良いので今回の調整は見送り。
1両目、2両目の購入製品は、その昔の改造で失敗した塗装を剥がした事で、非常に汚れている。。。
今回すべてを分解し、捻じ曲がった床板を2両目、カビカビ中古品を含め、
ペンチで真っ直ぐに修正し、動力調整しました。
2輌目は手持ちのモータを再装備しましたが、モータギアが1つ見つからず、
片側のカップギアとウォームを外して1台車・2軸走行としました。。。(涙)。
カビカビ中古品に関しては深夜の突貫修理の際、床板ダイカストの歪みを手で修繕した為、
工具による調整で、一層の復活を期待しました。
下が修正前。上が修正後。
まずは、自分がその昔曲げてしまった床板ダイカストの修正を、全車輌まとめて実施しました。
定規を当て隙間が出来ぬように、極力真っ直ぐに、店頭に並んでいた時と同じだろうというところまで、
3輌分で全6枚、許せるところまで念入りに。。。。
そしていよいよ組み付けです。
<モータギア>
今まで自分は、モータシャフトの先端にあわせてギアを止めてました。
ところが最近手にする中古品を見るとモータの根元までギアが差し込まれています。
そのほうがモータが回転した時にブレが無い事を考えると、
今回は考えを改め回転に支障の無いようにモータ根元ギリギリまで差し込みました。
<シャフトをダイカストに固定する四角いプラパーツ>
改良動力品(フライホイール動力が出る前の、ダイカストが床板まで一体で左右分離した物)を調整する時に、
昔から思うことがあります。
モーターギアを受けるカップギアからウォームギアに伸びるシャフトは、
実はダイカストに支える四角いプラのパーツの中心に通っていないのでは?という事です。
改良動力製品は、都合4つの四角いプラパーツの・・・中心が寄っている方を台車ギア側に向けて、
揃える方が調子がいいのでは?・・・とも考えています。
今回もやはり、四角いプラパーツの中心のズレを感じる為、
中心が寄っているように見える方を台車側に揃えました。
左の古い製品は、中にメタルが入っておらず、プラだけの構成です。
<床板ダイカスト>
何度も書くように、モーターの厚みに合わせて浮いている床板ダイカストが歪む直前に止め、
水平を保つようにする。。。。これが自論の調整方法です!!
<完成と自惚れ>
どうでしょう?組上がった3輌の動力は正面から見るとどれも車体は真っ直ぐに立っています。
この組上がりと自分の持論の自惚れも重なり、いざ試走!
足取りも軽く御座敷にエンドレスとパックが用意され、
今回の自慢の調整車輌の内一番重症であった3輌目の購入製品が軌道の上に準備されました!
そしてマスコンを捻ったとき、悪夢が・・・・・。
真っ直ぐに仕上げられた床板と台車ブロックとの相性は想像以上に良く、低電圧から通電。
早くもモータは唸り、今にも力強い走りを想像した瞬間、モータが回り始めました!
しかし!・・・・モータが回るだけで肝心の動輪にその力が伝わりません。
<スパーギアの磨耗>
原因は・・・モータからカップギアを通して延びるシャフトについているウォームギアと、台車側のスパーギア、
2つのギアが噛み合っていないのです。
それを確かめる為、慌ててひっくり返し、指で動力車輪を押すと、スパーにウォームの山が引っかかります。
しかし少し力を加えると「ガリっ」と空転状態に。。。。
各車輌共、床板ダイカストにはまる台車は、左右だけでなく上下にも余裕があり、
ウォームと逆方向に台車を引っ張り(走行時は地面方向)、
動力車輪を指で押すと、第一章で紹介したカビカビ調整車輌までが空転してしまいます。
慌ててカビカビ中古調整品を試走してみると、ギアが噛み合ったり噛み合わなかったりで・・・
走る途中に空転が交わる状態となり、2輌目の購入製品は完全な空転。。。。
あの自論はなんだったのか、愕然とさせられます・・・・・
但し、1輌目の購入製品はすこぶる快調にカラカラ音を立て走っていきます。
こいつのウォームギアは金属だからでしょうか?
プラ同士の材質が噛み合うと磨耗してしまうのでしょうか?
一番上の写真のように、逆さにした車輌の台車を真上に引っ張った状態で、各車ギアを比較した写真です。
上から2輌目の購入製品、1輌目の購入製品、3輌目の購入製品、カビカビ中古製品
試走時空転した2輌目の購入製品は、全くスパーギアが車体側ウォームギアにかみ合っていません。
1輌目の購入製品に(好調なので今回は未調整)はスパーギアの歯が、
きちんと車体内のウォームまで伸びています。
3輌目に関しては、ギア同士の、ギア同士が若干引掛かっているのが確認できますが、
場所によって噛み合わない所があります。
カビカビ中古製品は、少しネジをきつく締めたところ、かみ合うようになりました。
この事実を見て一つの疑念が頭にもたげてきます。
それは台車のスパーギア・・・分解時に気づいたのですが、やたらと白くかぶっているのです。
当初は経年変化による材質の劣化?と見過ごしていましたが、
上記の写真を見ると、1輌目以外は殆どの歯が「ちびれて」いるではないですか。
そうです。これは自分の手により分解・組み付け時に調子の悪くなった動力を走らせたとき、
「馴染ませれば回復する」と言う変な論理が、スピード狂も真っ青の走行を繰り返させた為、
スパーギアが磨耗してしまい、粉を吹いたのでしょう。
特に2輌目の購入製品は当時から調子の悪い代表選手。
それを無理に馴染ませようとした高速長時間運転で、ちびれが酷いですね。。。。
しかし今回分解を見送った調子の良い1輌目は、殆どスパーギアの歯のチビレがありません。
こいつが一番走らせてきたはずなのに。。。
写真では分解をしていないので分かりませんが、ウォームギアが金属だからでしょうか?
他の車輌はウォームギアが台車側のスパーギアと同材質のプラである為でしょうか?
つまり・・・同材質の物が擦れると削れが発生する??
それと合わせて、もともとの設計が安全マージンを見ているのか、ギアとギアの隙間に余裕があり過ぎる。
この動力独特のカラカラした音は、モータギアとカップギアの隙間らくるギアの歯同士の当たる音であり
その音は少しずつ各ギアを削っているのでは?と感じた次第です。
ところでこの床板ダイカストの造形。。。写真のようにスパーギアが見える穴は何なのでしょうか?
まるで製造途中でスパーギアとウォームの噛み合わせを確認する為のようです。。
ギアの噛み合わせが元々わずかしかない設計、
そんなシビアな動力を製造する時のネジ止め確認用の穴としか考えられなくなりました。
<旧型動力の再調整>
そして実施した解決方法をこれから書きます。
要はもう少し床板を締めるネジを締め付け、スパーギアとウォームギアの噛み合わせを作ればいいのですが、
これ以上ネジを締めると床板は元のように曲がり、
却ってギア同士の噛み合わせもほんの少しになってしまいます。
たとえ床板ダイカストを曲げてネジを強く締め付け、台車スパーギアとウォームの距離を近づけたとしても、
線路状況(ジョイント部の衝撃等)で、ウォームとスパーの各ギアが一番離れた時に、
スパーギアがウォームギアから外れかけ、またギアを磨耗させる事でしょう。
調子の良い1輌目購入製品のように、台車の上下動で床板ダイカストと一番離れた時でも、
確実に噛み合っていれば良いのですが。。。。。、
そこで!
カップギアから伸びるシャフト位置を下方に移動、ウォームギアの位置を下げ、
スパーギアの噛み合わせの隙間を狭くさせねばならない、と判断しました。
これを実施するにはカップギアからウォームに繋がるシャフトを支える黒いプラパーツの位置を、
台車側に寄せる必要があります。
何ミリぶんずらせばいいのか正確な計測は不可能なので、0.3mmのプラバンでスペーサーを作りました。
大雑把に切り出したスペーサーをダイカストに装着し、
シャフトを支える黒い四角いプラパーツをはめ込んでいきます。
スペーサーは各個体の状態に応じ、枚数を変えてあります。
H型のプラ板がスペーサー。
色々と調整した結果、スペーサーの数は、3輌目は台車側が1枚、カップギア側が1枚。
台車側を2枚にしたら、スパーがウォームに寄り過ぎて、ゴリゴリ音を奏でたときはビックリしました!
3輌目はこれで、製品時の走行性能を蘇らせ、
いつの日か近い内に他の2輌と共に・・・「F型」となって我が鉄道に帰ってくるのです。
因みに2輌目は、完全にスパーがウォームに噛み合わず・・・台車側が2枚カップギア側が0枚となってます。
限界までウォームギアの位置を変えてみましたが、それでもスパーギアの噛み合わず、
シャフトを支える四角いパーツを削り、ウォームを支えるシャフトの位置を、
さらに下がった所に調整せねばなりませんでした。。。
カビカビ中古製品は、ダイカストのカップギア側に、スペーサー1枚を装着しています。
いずれもスペーサーを入れては試走、分解の調整の繰り返し。
音といい走りといい、一番良い所を引き出したつもりです。
2輌目の購入製品は一台車走行で、動力の伝わらない片側の台車のコロガリが悪く、空転します。
その場で線路を削っているかのようです。
しかし本線では、重連で他の2輌に助けられ活躍していく事でしょう!?・・・・・