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信じる者は救われる!?2・・・ある65一般型の修理記録



*前置き・・・(自己満の記録なのでどうぞ下記、本題へ)

手元にEF65一般色が1輌転がっています。

これは、2004年10月に入手した中古品です。
元箱はありませんでしたが・・・
 ・恐ろしくキッチリとした屋根上の塗り分け。
 ・ジャンパー栓の削除により、一般色専用スカートに改造されている。
 ・ロストワックスパーツのジャンパー線の追加。
 ・スカートはカプラーの取り付け部を残し、巧みに削り外されている。
 ・スカートの両脇にエッチング製のステップを装着。
 ・プラ板でATS車上子保護板の簡単なディテールが付き
 ・各Hゴムにはしっかりと色が入っている。。。
と手際良く高いセンスの色入れが、すぐに自分を惹きつけました。
前オーナーの気合の入った1輌は、非常に好感が持てます。


左:ATS車上子保護板を自作されたスカート。塗装落としを失敗し、溶けてしまいました。(無念です)
右:キッチリ塗り分けられた屋根上。
   分解してしまってます。購入時の写真を残していなかったのが悔やまれる〜〜〜

そんな製品でも、色入れがあった為か、
フライホイール機にも拘らず大変に安価に我が鉄道へやって来たのです。

全体の塗り分けは最高のレベルに達していて、その雰囲気は製品を超えるものがありましたが、
 ・スカートが塗装されていて、元ディテールが薄く残ってしまっている。
 ・素晴らしい塗り分けの屋上もアクリル系の塗料なのか。。。
  ランボードの元々薄いディテールが消えてしまっている程塗膜が厚い。。。
 ・厚い塗膜の上に筆ムラ。そして1位側モニター裾に深く刻まれた指紋。。。

以上の3点が気になる中、この中古品の一番気になるスカートを、自分なりに仕上げる事にしました。
 ・塗装を剥がす。
 ・薄く浮き出たジャンパー管等のディテールをやすり、再度仕上げる。

しかしその結果、シンナープールに浸けたスカートを1時間放置したところ、
パーツ全体がグニャグニャに溶けてしまうという失態!!
・・・・前オーナーには顔向けできない状況となってしまいました。


きっちりと塗り分けられているのに筆ムラが。。。しかし筆でこの塗り分けは凄い!!

2005年2月・・・以降、前オーナーの秀作を無駄にし、気になっていたこの1輌。
何故か屋根上の筆ムラまで気になり始める始末。
そして先日、屋根上の塗料も落とすことにしました。

*本題!!
状態は良いのに前オーナーによる色入れでがっかりしてしまう中古品。。。
今回は逆で、自分ではできない程の素晴らしい塗り分けの品。
しかしよく出来たスカートを駄目にしてしまった事で、
筆ムラと指紋の付いた塗膜の厚い色入れが逆に気になり。。。
敢えて、過去の経験から考え付いた技法を試してみる事にしました。

その技法とは・・・・・

「レタリング・他の部分を侵さない部分的塗装落とし!!」

製品の塗装落としは、幼少の頃から何度も失敗しています。
大体がシンナープール漬け。
結果は隅に塗料が残り完全には落ちない。。。
特に1980年代以降の製品は、ディテールが細かいせいか、材質がそうなのか、余計にそうなります。
また、KATO製品はそれまで使用していた塗料が変更されたのではないかと思います。
市販の溶剤では簡単に塗料が剥がれません。
剥がそうとして長い時間シンナーに浸けると、、車体自体が溶けてしまう!!
・・・塗料が剥がれる頃には、素材の方も溶けるといった具合です。

そんな経験の中、20数年前のある日、
KATOの旧EF58に塗料を付けてしまい修繕した時の事。。。
患部にティッシュにシンナーを染み込ませ、指で押さえ時間を置き、塗装を擦りとった経験があります。
丸1日掛けて、シンナー中毒になるかのような思いをして剥がした経験は、
今回のこの方法を生み出しました。。。
結果次第では・・・中古品の元オーナーによる塗装箇所のみを剥がす事が出来る目処が立ちます。

もし元もとの製品の塗料を残したいと考えるならば・・・
対象はKATO機の1980年以降の製品で、製造後何年も経っている物です。
その他は、下記の理由で元の塗装が剥がれてしまう事が想像できます。

 ・KATO新製品は塗装が半乾きの状態である事が予測できる。
 ・永大製は市販のシンナーに塗装が溶かされる。
 ・その他の製品は・・・実施した経験が無い。。。

従ってもし結果がでても、年数の経ったKATO機のみの参考です。
他に関しては製品の塗装が剥がれる可能性が十二分にあり、
部分的な塗装剥離の参考となってしまいますので要注意!

*準備
 ・密封できるケースに車体を置く。
 (壁面に密着するとシンナーが流れ込むので、側面は必ず触れぬように)
 ・剥がしたい部分に4〜5枚重ねた、同サイズのティッシュを置く。
 ・重りを乗せる。
 ・車体に垂れないように慎重に、置いたティッシュに筆でシンナーを染み込ませる。


ケース内にセットされた状態。ティッシュに含まれたシンナーが、塗料を浮かせる。。。

*待ち時間
統計を取っていないので正確には不明ですが、今回は買い物に行った3時間程、放置しました。

*塗料離剥
 ・適量のシンナーを筆に含ませ、患部のみに置くようにし、筆塗りするように2.3回擦る。
  擦った後、筆先に付いたシンナーを新しいティッシュに押さえつけて吸い取っておく。
 ・塗料を含み車体に残ったシンナーは、ティッシュに押さえ付けた後の筆で素早く吸い取る。


塗装を浮かせ、除去した車体と、シンナーを染み込ませて3時間、塗料を吸い込んだティッシュ。

これを繰り返すと・・・付着していた塗料のみが、殆ど消えていきました。
溶かしてしまった前オーナー力作のスカートも、
シンナーの中に入れるのでなく、筆で擦り落とせばよかったです。

筆による擦りは過去の経験から・・・決して強く擦らない事です。
素材に深い擦り傷が付いた事があります。。。
そして先にも書いたように、塗膜が丈夫なのか、今回の場合、製品の塗装は皮一枚位も剥がれません。
従って、これでかなり製品の状態に近づいた戻ったと自負しています。

*そして失敗。。
剥ぎ取り完了間近の事です。

換気の良い屋外で行ったこの行為は、作業環境としてはあまりにも不安定でした。
なんと!車体の肩の部分に、シンナーを含んだ筆が付着してしまったのです!
しかし・・・焦らずに綺麗なティッシュに綺麗なシンナーを染み込ませ、
さっと一拭きで拭き取ろうとしたその時!!

何とHゴムのモールドをも一拭きしてしまいました!!

この部分の塗装は非常に弱く、まるでHゴムが燃えたかのように、
グレーの塗料が屋根の方に伸びてしまいました。。。


簡単に剥がれてしまったHゴム部。
隅に入った塗料は元の塗装面の状態と睨めっこ。中々除去できない。

この失敗で、すっかり戦意喪失してしまいました。。。

*仕上げ
転々と残る剥がし切れない塗料は、
先をほぐした綿棒にシンナーを含ませて、軽く擦って除去するつもりでした。
しかし上の失態による気の落ち込みで、作業は中断。
恐る恐る(?)ユニクリーナーを患部に垂らし、拭き上げて完了としました。
若干の塗装の剥がれを確認しましたが、
塗装面が微かに紫っぽく変色しているくらいで、全く気にならない程度でした。

これで側面と妻面をマスキングし、同色でも吹けばよいのでしょうが、
今回は屋根だけだし、このままにして、組み上げました。


所々に転々と残る塗装の痕は、まるで製品の塗装が霞を被ったような状態。
しかし、類似色をさっと吹き付ければ、新品同様に出来るかと。。。

ちなみに、溶けたスカートはASSYパーツに交換。
ATS車上子保護板もASSYパーツに交換しましたが、
ASSYパーツは両脇のステップが短く、保護板も目立ちません。
前オーナーの作られたATS車上子保護板の表現は非常に存在感があるのです。

オーバーな表現が好きなKATOが質素な表現に終わっているのは、
張り出すステップに限界があるからでしょうか?

前オーナーの装着されたステップと加工されたカプラー押さえを再利用し、
同様に製作しようと考えています。

*まとめ
今回は最後に失敗をしてしまいましたが、部分的に塗装を剥がす目処は立ちました。
仕上がった状態は類似した色の薄い塗料を一吹きするだけで、
かなり元の状態に戻せるのではないかと・・・思います。


塗装を落とした状態。製品時の塗装は殆ど侵されなかった。

早速ジャンクボックスの中から、復活すべきパーツが湧き出てきそうです。
・・・ってうまく行った場合、その動力はどうするかな・・・






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