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旧マイクロ製EF71前面窓をTOMIXパーツに!




西武鉄道ご自慢の大形直流電機は・・・
JNRのEF65をヨーロピアンスタイルに変更し、
EF81の台車を履かせた、「異端児」と言うイメージでした。
秩父の山間を、セメント貨車を引き連れて堂々と疾走する写真を見ても、
身近に見ていないせいでしょうか、
気になりはしても、あまり関心の無いロコでした。。。。

ところが!1980年だったと思いますが、
このE851をNの世界で西武鉄道が発売する!と言うニュースを聞きつけます。
西武鉄道が模型を作る訳が無く、「はて?」と、その意味がわからなかったのですが。。。

KATOの広告を見て、全てが分かりました。
製造元・関水金属。販売元西武鉄道!!
発売元が違っても関水金属が新製品を出す!

当時は第一次Nゲージブームの真只中にあったとは言え、
新製品は数ヶ月に一度しか発売されなかった時代。
自分としてはE851が製品化されると言う事より、
Nの世界に関水金属が新しい製品を出すという事実を知らされた事が、
広告に対しての驚きだったのかもしれません。
しかもその製品が、西武鉄道の大形直流電機E851なのです。

購入1両目
どのようにして発売された事を知ったのか忘れましたが、
既に発売されている事を知ると西武デパートまで行き、この新しい製品を購入しました。
持ち帰ったそれは・・・何と言う驚きか。。。
動力を同社のEF65と共有(フライホィールになる前の動力)しているものの、
台車は新たに型を起こした専用とし、

その下回りの表現・・・その車体の表現・・・ 

全てが西武鉄道の為に、関水金属の全技術を結集し、手を抜くことなく作り込まれていました。

・塗り分け線から別パーツ化された屋根
・そこに表現される、いやみの無いすっきりとした屋上配線類
・黒く目立たないHゴムは車体側に表現され、正面窓ガラスの間の支柱は細く、
 車体に面一になって大きく側面にラウンドするパノラミックウィンドウ
・ 元々の色がグレーだから目立つのか彫が深い立体的な台車表現
・・・etc.

特に最初に芸術すら感じた屋根上配線とランボードの表現は抜群で、
強烈な印象を与えてくれたのでした。
KATOの主力製品だった当時のEF65は、
高圧配線引き込み口の追加と窓ガラス改良が施されただけで、
ランボードの足の表現も無かったのですから。
「E851同様の改良をEF65にもしてくれ〜」
なんて思ったものです。。。

と同時にEF65500番台のライバルとしてしか興味の無かった異端児E851が、
EF65と同じくらい、またはそれ以上のお気に入りとなったのでした。

ただ、自分なりに残念な箇所もありました。
前面窓ガラス中央の支柱の表現です。

関水金属が製品化する前だったか・・・
模型の専門誌でE851を16番サイズで製作した記事があり、
この前面窓ガラス中央の支柱が前面窓ガラス周りの縁取りより上側は引っ込み下側は出っ張る、
実機の複雑なディテールを忠実に再現したと・・・紹介されていました。
関水金属製のE851でもこの表現を期待しましたが、製品では再現されず、
ただ単に窓周りが出っ張りで表現されていました。・・・
でも、全体の仕上がりがそんな不満を簡単に打ち消してしまうのでした。

しかし・・・この感動の一両に悲劇が訪れるのです。。。。。

クリームのラインの乱れでも修正しようとしたのか・・・もう忘れましたが、
とにかくマスキングのために車体に貼り付けたセロテープの位置を変更しようとすると
オリョリョリョリョ!
製品裾の黒い塗料と車体表記が・・・セロテープに付着しはがれるではないですか!!
加えて!ケースの出し入れを続けるうちに、
正面のクリーム部分は緩衝材の発砲スチロールにこすれ、今にも下地が現れそうになってきました!

自分が購入したものだけなのかもしれませんが、
この製品の塗装のノリは、不良に近かったと思います。

哀れ購入一輌目は、その後全塗装を決意し、シンナープール行きとなってしまいましたが、
再塗装する構想のみで気力も無く、迎えた24年以上が経過したのです。

そして2003年、KATOブランドで再発売されたAssy車体を纏う事になりました。
しかし見た目は新旧製品が同じでも、屋根パーツ裏の取り付け方法が変わっており、
簡単には装着が出来ませんでした。
・旧製品は裏側から大きなボスを接着。
・新製品は4つの爪で車体にはめ込み。

新製品のこの爪が、旧製品の動力に当たってしまうんです。
ダイカスト側を削ればいいんですが、ろくな工具も無いので、爪を薄くする事にしました。
結果は・・・一箇所のハマリが悪く、薄く削っていくうちに、爪がなくなってしまいましたが。。
見事購入から20数年、新世紀のボディを纏った姿に完成です。
開放テコを巧みにすり抜け首を振るスカートが、とてもチャーミングな1輌となったのです。


長い間動力だけの状態で車輛ケースにあった購入1輌目。
2003年の再発売の車体を纏い、
グレードアップで追加された開放テコも巧みに交わして首を振るスカート。

購入2両目
1両目のセロテープによる悲劇から数ヶ月、確か同じ1980年だったと思いますが。。

限定品という感覚も一般に浸透していなかった時代に、
西武鉄道販売というブランドにもかかわらず(?)当時のKATOのカタログにも載っていた為か、
現在のように発売後瞬く間になくなることも無く、市場にはまだまだ売れ残りがありました。

手元には・・・塗装が剥がされ、所々ひび割れた1両目が転がっています。
その頃の自分は工作した殆どが、最後の塗装工程で決まって失敗し、
結果が許せず握り潰すのを繰り返していた時代です。
この製品の再生産は期待できないことを薄々と感じ取ると同時に、
市場にいつまで売れ残っているのかと考えました。
そして、この不安を解消したのがこの2両目の購入決断でした。

再び見てもこの製品の芸術を感じてしまう出来の良さ。
塗装の食いつきの悪さは購入1輌目と同様のようで、
それを確かめようと裾の黒い帯の部分にセロテープを貼り剥がしてみると・・・
やはり黒い塗料が剥がれていました。。。駄目ジャン。。。

若気の至りです・・・

そんな試みでやっぱりこの製品の塗料の食いつきが弱い事を知り、
購入後は塗装の剥がれ防止に、ティッシュで繰るんでケースに収め蓋を閉めています。

その後この1輌は、当時KATOが代理店販売を始め売り出したケーディーカプラーの、
当鉄道初の電気機関車装着ロコになる等、とても大事にに扱われ続けるのでした。

・・・が!ある日、サイドの丸窓付近に、数ミリのヒョロヒョロした埃が塗装に混じっている事を発見!
これは頂けない!
一所懸命埃を除去し、アクリル塗料でタッチアップするも・・・
色調が全く異なり、涙を流す結果となりました。

ちなみにこの事件はすっかり忘れていました。
この記事を書いて思い出しました・・・いつかエナメルで修正しなきゃ・・・


ナンバーはE852 再購入し色々チャレンジした2輌目。
モニターに超メタリックシルバー・・・均等に色が乗らず醜く。。。
パンタに色いれ。。。
ケーディーカプラ−化・・・説明書どおり開口部を広く削るも、開口部の線が真直ぐに仕上げられず。。。
そして!丸窓と丸窓の間の塗料に埃が!!・・・修整しタッチアップする色調は 合わず。。。
とどめはセロテープ・・・黒い塗料がはがれました。。。

購入3両目
2両目を購入して数日が経ったとき、実機の重連写真を見て感動し、
当時このロコ専用に発売され、市場に売れ残っていたレオコンテナには見向きもせず、
何故か・・・タキ3000を買い集め、重連運転を実現しよう!と、
やはり1980年か1981頃に購入した1両です。
当時はタキ1900もなかったので、一番複雑な形をした貨車を従わせたかったのでしょうか?
サマになるのは、手摺の付いたタンク車のタキ3000位しかなかった時代ですから。。。
しかし、まだ所有数がたった2輌のタキ3000とヨ6000の前に立つ、
重連のE851のサマにならない事ったら。。。(涙)


ナンバーはE851 こいつもケーディーカプラ−化・・・当時の動力の構造上首を振るスカート。
2輌目をケーディーカプラー化したとき開口部を広くする必要があるのかと疑問に思い、
以降はこのようにスカートの開口部未加工でケーディー化を実施するのが当鉄 道の方針。

購入4両目
製品発売後2年近く経った頃に、今は無き隣町の小さな模型屋で、
既にどこの店頭でも見ることの無い、E851の売れ残りを発見。

当時、KATOはこのE851の金型を改造したのか、
側面丸窓を潰した「Amtrackタイプ」なるフリーランスの製品を発売していました。
この製品が発売されたため・・・E851の再生産は期待できない事を感じていました。

実機の数は4両。1輌目を再塗装すれば、実機と同数を保有する事になる!
と言う考えよりも、将来の希少性を考えたのでしょう。。。
「この売れ残りは、将来必ず価値が出るだろう。」
そんなコレクター感覚で購入したのが、この1輌です。
購入時に製品を確認すると、塗り分け線が許せないほどずれていて、
売れ残りの理由はこれかな?と想像したのですが。。。

その後、価値が上がるという予想は的中し、
1990年代後半の中古屋では、50、000円と言う価格が付いているのを見て、仰天しました。
しかし1両はボディが無い状態だけど、実機どおり4両在籍する我が鉄道のマスコットを、
売り飛ばす気になるはずも無く。。。

ところで当時、自分は何故「レオコンテナ」を1輌も買わなかったのか?
今となっては架空の車両であるレオコンテナのほうが貴重となっているんですから。。。


ナンバーはE854 真横から見ると綺麗です!・・・正面と横の印刷が少々ずれているんですが。。 。


旧製品のナンバーパーツは厚く、そのまま付けると車体より飛び出 してしまいます。
そこで当鉄道では裏側をザクザク削って、車体と面一になるように厚みを調整して います。

購入5・6・7・8両目
2004年初頭、耳を疑うニュースが飛び込んできました。
KATOブランドでのE851再発売。
実機の引退に合わせたにしては、少し遅いような気もしましたが、
すでに実機と同数を抱えている我が鉄道では、複雑な心境でそのニュースを聞いたのでした。

しかし、あの優れた成型がどのようにリニューアルされるのか!!
この期待が、私に2店の模型屋に単品とセットとを各2つずつ!予約を入れさせます。
20数年前にあれだけの物を発売した関水金属がリニューアルすると言う事は、
どのような芸術になるのか・・・こんな期待が一挙に実物通りの数を予約させたのでしょうか?

車体リニューアル!
前面窓ガラス支柱を実機同様の表現にして、新世紀の技術を見せてくれ!

と心弾む中、いざ目のあたりにした製品は、前面窓ガラス支柱の表現の期待もむなしく
単に・・・西武鉄道が販売したときの車体の型に手を入れただけのもので、
新規設計とは言えませんでした。
動力の変更と合せて台車の表現は変わりましたが。

・インレタ式ナンバー
・別パーツ化された前面手摺
・ 開放てこの追加。

車体ディテールではこのくらいの変化を感じるだけ。
ユーザー取付パーツ未装着では、過去の製品と同様の姿態なのです・・・
どうせなら社紋とナンバーは、EF58お召し機の様に浮き彫りとメッキで表現してほしかったのですが、
セメント列車セットと単品とを分けた発売方法では、インレタ選択式が採用されてしまいました。

この出費は痛い。。。購入した単品とセットが散らばります。。。

しかし、この愕然とした気持ちは、ユーザー取付パーツを装着すると、一気に解消されました。
EH10の手摺修正の記事でも書きましたが、
このパーツは元々良く出来た過去の製品を、
一気に現行品並またはそれ以上の姿に変えてくれたのです。

お座敷運転で編成の前に立たせれば、天にも上る気持ちにさせてくれるはず!

・・・って、お〜い!セメント列車セット!1輌のタキに車輪が付いていないぞ〜!!
予約を入れたどちらの店で購入したものか分からず、
しかもレシートはすでに廃棄。。。。うぎゃ〜〜〜!!


購入9・10・11・12両目(マイクロエース製品)
2004年、KATOに遅れること数ヶ月、なんとこのメーカーはやってくれました。
新製時と更新時の塗装の色調まで変えた重連2両セット。
貨車の付属する車輌セット2種。なんでもありのラインナップ。
専門誌に載る試作品写真の出来は、
マイクロエース特有(?)の雑な面が見られず好印象を受けましたが、
既に実機以上のKATO製品を所有する当鉄道では、
このマイクロ製品を市場への「にぎやかし」位にしか考えておらず、
全く購入を考えていませんでした。
が、しかし。。。そうだ!正確に150分の1で作られたこのロコを見てみたい!
そんな感情が次第に湧き上がってゆき、
結局、発売されるや否や、重連セットなるものを2種類・・・購入したのです。

KATO製と比べて
・手摺類が別パーツでなかった。
・無線アンテナのパーツが玩具っぽい
・スカートのカプラー周りが雑
・下側のクリームの線が太いのでは?
・KATO同様に正面窓ガラスのHゴムを車体側にモールドし、
 正面窓ガラスの間の支柱を細く表現してもらいたかった。
等、気になる点はありますが、
・車高が抑えられている
・前面窓ガラス下の手摺がオーバー気味に表現されているが感じが良い。
・1/150で作られた全体バランスの良さ。
・乱れの無い塗り分け線!(・・・て少し悲しい事実もありましたが。。。)
・走りが非常に滑らか。
と、十分に満足いくものでした。

社紋・ナンバーが印刷で目立たないのは、KATO機と共に残念でしたが。
しかし!ここで驚嘆の事実に気がつきます!!
何と!
前面窓ガラス支柱の、実機同様正しく表現されている!!

KATOのリニューアルでさえ省略された、
上側は車体より引っ込み下側は車体よりも出っ張る・・・
この前面窓ガラス支柱の表現が、正しく表現されているのです。
素晴らしい!!
この個人的こだわりを、この製品は控え目な表現とはいえ満足させてくれる!

老眼の激しい今となってはデジカメで拡大写真を撮らないと認識できず、
支柱の太さの方が気になりますが、他社製品にない実機に忠実な部分が一つでもあると、
製品自体が最高の物に思える・・・というのが不思議です。

KATOリニューアル品の後だったせいか、現在でも新品の売れ残りを目にしますが、
この勢いで1/150に等しいEF65の製品化を是非実現してくれ!
と他のアイテムに対してもリクエストをしたくなるような、好製品だったと今でも思い出します。


わかりにくいけど上がマイクロエース、下がKATO。
窓の間の間隔が実感的なKATOに対し、マイクロエースの精巧な段差の表現は、
モデラーとしての感覚を有頂天にしてくれる!!・・・って裸眼では分からないけど。。。

しかし・・・この重連セット。片方の車輌は未動力。
実はトレーラー側は購入後も全く見ることなく。。。
やっと初走行をしようと本線上に乗せると・・・びっくり!
なんと、あのマイクロエースのスバラシイ塗装にも、
とんでもない不良があることを見せ付けられます。。。
新製時重連セットのトレーラー側の屋根上グレーの塗り分けが、大きく乱れています!!

お〜い!

確か購入時は、会社を抜け出し大特急で購入したもの。
慌てるなんとかはなんとかで。。。トレーラーは購入前に目視検査をしなかったけど、
あのマイクロエースに、このような不良があっていいのでしょうか。。。。?
正に不良品買いの本領発揮!絶句・・・です。

購入13輌目!!
そして。。。。中古市場では殆ど目にした事のない、
西武鉄道の販売した関水金属製E851が、2005年辺りからチラチラと市場に出てきました。
合せて当時併売した、コキ10000のコンテナに西武球団のマスコット、
我らがヒーロー手塚治虫のジャングル大帝を印刷した、レオコンテナも市場に流れています。
そして・・・この西武鉄道発売品に対する価値に驚嘆することになりました。

レオコンテナ3000円!
E851 2500円

って・・・レオコンテナ1輌の方が、このロコより高いではないですか!!
嘘だろ!!

個人的な主観ですが
・動力がフライホィールに変わった事で、台車表現は新旧で全く別物なんだ!!
 いやむしろ旧製品の方が良い表現をしているんだぞ〜。
・きっちりと成型されメッキされた旧製品の社紋とナンバーは、
 目立たない今のインレタより好感が持てるでないか!
 ナンバーのパーツの裏を削って薄くして、今の車体に面一になるように装着してみてくれよ〜

旧製品の魅力はこんなに下がって良いのか〜〜。

一度は中古市場で50000円という評価をされ、所有する喜びを感じていた製品が、
暴落したという事もあるのか、
それとも昔の人間が見慣れた昔の製品をヒイキ目に見ているだけの感情なのか分かりませんが、
なんとも残念な光景を目にする機会が多くなったものです。
逆にレオコンテナが無性に欲しくなりましたが、既に時遅し。
今や・・・手の届かない存在です。

2008年初頭のことです。
混み合った中古屋の陳列棚の中、西武鉄道発売の製品が、
何故だかKATOのケースに現行品の緩衝材に包まれて・・・転がっています。
箱にインナーが無い為なのか、殆どのお客は気付かず・・・
あるいは気付いても今更E851かよ、という思いなのか、誰も手を出しません。
仕方なしに手に取ってみると、価格は2000円。
状態も綺麗でナンバーもE851が残っています。

皆さん要らないんですか?この台車見ましたか?
ホーレホレこの走り。この重厚さ。牽引力もバッチリでっせ〜

と心で訴える中、無駄な出費で引き取ってしまいました・・・・


ナンバーは前オーナーが付けたE851。
ケースは無いですが、裾隅の塗料のはがれが少々あるとは言え、非常に綺麗。
ようこそ!!当鉄道によく来てくれた!ってところでしょうか。。。。

西武ブランドが感動の発売をしてから20数年。
当初、実機どおりの数を保有していた我が鉄道のマスコットも、
ここ数年でその数は3倍+1輌になりました。。。。。
12輌もの大所帯となったマスコット達は、本来牽引するべき貨車も与えられはしましたが、
ロコの数に対して貨車の絶対数は少なく・・・
13両が我先に我先にと牽引を訴えながら、今後も活躍をしていくことでしょう。。。。







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