ローカル駅セクション
蒸機では80点主義のKATOが、ついに限りなく100点に近い製品を出して来ました。。。
*1/150に対するKATOのデフォルメ
・1995年、腰高とは言え、長さがKATO製より短いD51を送り出したマイクロエースの復活。
・同時期だったかどうか忘れましたが、ワールド工芸のC55流線形キットの発売に始まる
同社の1/150遵守の蒸気シリーズの展開。
この二つの出来事は、蒸気機関車に限らず・・・自分自身の中に1/150という縮尺を意識させる事件でした。
そんな意識(=心配)をよそに、KATOは旧製品同様の縮尺のまま(全長が長い)、
台車と車体との隙間を縮めて、旧製品をほんの少し面長にしたEF58をリニューアルします。
現行の上越型や大窓タイプがそれに当たる製品で、この製品の出来が良いものだから、
この後展開された初期大窓・小窓特急色・大窓青大将・青大将ひさし機・お召し機・・・
と発売される度、有頂天にさせられ、KATOのデフォルメを容認してしまいました。
しかしTOMIXを中心に、(冒頭の2社も含む)各社はどの製品も1/150を基準にしており、
KATOのような極端な長さのデフォルメはしていません。
その結果、1/150に準じた(または準じようと頑張った)他社製品の数がKATO製品よりも多くなり、
各社の製品が混在することが当たり前になった現在、
KATOの蒸気やJNR時代の電気機関車の車輛は、浮いて見える様になってしまいました。。。
KATOもそれを察したのか、明らかにEF66のリニューアルから、設計思想が変わったようですが、
旧製品と長さの変わらないEF66では、高さだけ低くなり・・・まるで潰れたような形となり、
特に、追って発売されたひさし無しの初期タイプは、その長さが目立ってしまいます。
機関車以外でも、キハ82は・・・HOではしっかりと表現された、運転席のサイドに垂直に流れる窓ガラスが、
Nでは車体と面一になるよう格好良く(?)デフォルメされ、実機の印象を外しているし、
ボンネット特急車のボンネットは、リニューアルした後は明らかに太すぎる。。。
M社の製品なら何故か許せるのに、KATOだとちょっとした事で愕然とした気持ちになるのは、
とても不思議な物です。
昔の製品のように、車体全体を大きく作ったデフォルメは許容できますが、
1/150に纏まった中、一部分だけのデフォルメは、今のNの世界では却って目立ち、
拒絶の対象になる時代だと思います。
KATO製品のディテールの質、塗装の質であれば、どのメーカーも太刀打ちできないのは確かな事。
HOの世界では当たり前ですが・・・いよいよNの世界も真のスケールモデルを求めてしまうのです。。。
*このサイズは何なんだ!!
2007年も終わりに近づいた12月27日、関水金属創立創立50周年製品として、
年末に滑り込むように発売されたC62リニューアル機は、自分の予想を遥かに上回っていました・・・
過去のKATOの蒸気機関車は1/140クラス、9600は1/145を少し小さくした位です。
自分の予想では同社の9600と同スケールになる!と想像していたのですが。。。
手にしたリニューアル品は、ヘッドライトの大きさだけでも分かるように、
明らかにそれらより小さく見えます。
より小さく見える事は・・・いよいよ1/150に準じているのでしょうか?
右:予約して手に入れたリニューアル機。
左:自分がその昔、始めて購入した金属製サイドロットプラ製選択ナンバーの旧製品。
旧製品のぶっといボイラーのこのスタイルは大好きです。
そして今後も当鉄道では活躍して行きます。
しかしさすがに、もし再生産したとしても、購入する気にはならないでしょうね。
開放テコを含め上から見下ろした時、板状に見えていた一体成型の手摺類は皆無に等しく、
今までKATOが省略していたと思われる、
・テンダー後方の手摺
・テンダーの床下に付くブレーキシリンダーへのパイピングの別パーツ化
はサイズ・形・強度共に申し分なく、この製品が只者でない事を感じさせてくれます。
下回りに関しては、反対側を見通せる第一動輪上のボイラーとの隙間は勿論の事、
先輪上の三角に抜けた台枠の表現、ボックス先輪の形状、
穴の抜けた各動輪の形態と厚みのバランスなどは、
他のどの製品よりもスッキリクッキリと・・・正にディテールの革命でしょう。
テンダー台車の精密感は、それを眺めるだけで時間が経ってしまいます。
そしてラジアスロッドとスライドロッドの金属化が、キャブ下のパイピング類を含め、
製品の質を何ランクも引き上げている!!
そしてそして!!車両を持ち上げてみると、
サイドロットが真中で分割されているようで、第二動輪が簡易イコライザーのような動き!!
モータからどの動輪を駆動しているのか?何軸がギアで駆動しているのか?
走らせると異様に静かで、我がお座敷鉄道の悪条件軌道を単機で走らせると、
スピードに対して動輪の動きが合わないように見えたりするのは、もlしかして空転?
しかし7・8輌の牽引だと全く問題なくそれ以上の牽引や勾配の軌道だとどうなのか?
・・・今から専門誌での製品紹介が楽しみです。
旧製品は1971年の発売で、5000円だったと思います。
その旧製品を初めて手にしたのが1980年でした。
以来自分のC62の印象は、この旧製品そのものです。
その旧製品に比べて、全体はキャブこそ実機に近い・・・一回り大きな再現となり、
他社製品のバランスに近くなって(デフォルメが無くなって)いるようですが、
正面斜めから見た感じは、旧製品とあまり雰囲気の違いがありません。
ボイラーは太めに設計されているのかな?
・・・って実機よりも旧製品のイメージがC62である自分にとって
写真に撮ると、煙室扉が一回り小さく見えるけど。。。
左写真上:質感にあふれる台枠の先端部。
先台車だって向こう側が見えるし、クロスヘッド廻り以外はフル金属製。
10万近い金属製モデルにも対抗・・・と言うか、これでも金属買いますか、
とKATOが言って来るかのような。。。
左写真下:テンダーの床下も金属製品に対抗するかのようなディテール。
ユーザー取り付けで構わないので、テンダー側開放テコも別パーツだったら・・・
っておいおい。
右写真:爪楊枝を乗り越える第2動輪!!
過去にHOのメーカーが、C61だったか・・・製品化した時、このような写真を広告に載せていて、
HOってスゲーッ!!って驚嘆したけど、
自作でもしないと無理って考えたこの光景が、Nの製品で見れるとは。。。
ところで「サスペンション機構」は、価格の問題でお預けなのかな??
そして今回、驚かされたのがナンバープレート。
この処置であれば手でもぎ取ってもそのまま取り付け可能!
つまり・・・ランナーからカットした部分を整える手間が必要ないのは、
ユーザーによる別付けのパーツが無いことと共に、驚かされる事実でした。
さらにそのナンバープレートの取り付けは接着剤要らず。
ナンバープレートを所定の位置に置き、人差し指の第二関節で押し込むだけ。
発売前の価格を見て、ある程度の想像はしていたとは言え、
自分の想像の遥か上を行っていたこの製品は、金属製品にも十分対抗できる物で、
40半ば過ぎの男が踊りたくなるような・・・この気持ちは何なんでしょうか?
正直、購入する前は、KATOの蒸気がついに1万を超えたか・・・と複雑な気持ちでしたが、
この性能、品質をこの価格というのは、他社製品では絶対に考えられない!!
逆に、よくここまで価格を抑えたものだと、見直してしまいました!!
まさにKATOは、創業時のNゲージメーカーとしての方針は忘れていないんだな〜、と感心させられます・・・
*今後の要望
今回のC62は、その昔キハ82やDD13を購入した時の喜びに匹敵する製品、
と言って良いと思います。
また、KATOには、逆に注文を付けたくなります。
「今後発売されるC59や同社既製蒸機のいつの日かのリニューアルでは、この縮尺を遵守して頂きたい。」
C62はボイラーの太い機種です。
C57等ボイラーの細い蒸気機関車に同じ動力は使えないのかもしれません。
しかし最近発売された近鉄ビスタカーやE4形新幹線のように、動力の工夫をして頂き、
テンダーモーターエンジンドライブでも構わない。
この縮尺で統一してもらいたい!!
長さは1/145で高さは1/150・・・なんて事はしないメーカーだとは思いますが
EF66のような例もあり・・・C59は1/150・C57は1/145なんて展開にしないで欲しい。
もしも多機種が1/150を遵守出来ないのであれば、むしろ発売しないで欲しい。。。
小学校も2年になり、仮面ライダーや戦隊シリーズを卒業した我が子。
街の電器屋でNの割引販売をしているので、
この世界に引きずり込もうと誕生日のプレゼントを買いに連れて行くと、
「僕はこっちの方がいい」、と持ってきたのはポケモンのソフト。。。
通常よりも1割引の期間なのに、この親不孝者めが!・・・とひとりで商品を漁っていると、
なんと!この製品の売れ残りが1輌ころりと出てくるでないですか!
大量販売店よりは高いけど・・・結局、弱い心が購入させました。
すぐに再生産されるのにね。
*ナンバープレートを!
製品に添付されるナンバープレートの材質は赤く、
そのまま付けたのでは厚み部分の赤が目立ち、折角の製品が興ざめしてしまいます。
KATOがここまでの製品を送り出してくれたのだから!
との思いでナンバープレートをそのまま付ける前に、
ナンバープレートの厚み部分にエナメル塗料を塗ってみました。
上:まず側面にエナメルの艶消し黒を・・・っておーい!はみ出しすぎ!!(16号機)
下:ナンバーの下に黒く見えるのが綿棒の頭。
こいつで表面を磨き金の線を出す!
・ランナーに付いたままの状態で、厚み部分にタミヤのエナメル塗料の艶消し黒を塗装。
・金の淵部分以外の表面に、塗料が回らないよう、丁寧に塗る事を心がけました。
・乾燥後、エナメル専用シンナーを綿棒に含ませ、一度軽くティッシュで吸い取った後、
金の淵部分に付いた余分な塗料を取り除きました。
・塗料を取り除くとき、外側の方に綿棒が流れるようにすると上手く行くようです。
実際・・・16号機は表面に黒が付着してしまい、
それを取り除こうとゴシゴシやったところ、1枚の金メッキが薄くなってしまいました。
仕方ないのでテンダーの背面に装着しました。。。
如何でしょう。
この位、ユーザー側に加工を求められても、この製品なら文句は無いですよね!!
こんな感じです。
写真には無いけど、キャブの部分もかなり引き締まります!!