ローカル駅セクション
*前置き・・・(自己満の記録なのでどうぞ下記、本題へ)
エンドウが・・・恐らくHOの走りをスケールダウンさせ、
(エンドウの動力は0系で実感済み。それに加え最近入手したEF58で再度驚嘆!)
金属製ボディーを纏わせ送り出したEF57。
しかし実感的な走りと裏腹に、その纏った車体はプレス主体の悲しさか、
動力中心設計の腰高、オーバースケールと合わせて、
フラットなディティール表現がその魅力を伝えてくれる事が出来ませんでした。
その数ヵ月後、KATOがEF57を送り出します。
正確には1/150よりも長くしてデフォルメされているのでしょうが、
ピンと突き出たやぐら上のパンタグラフを筆頭にした、
その素晴らしい表現が・・・旧型大型電機の虜にしてくれます。
発売後早速エンドウ製と比較し、KATOを選択、銀座の大型文具屋で購入しました。
御座敷での運転中に、やぐらの上に突き出たパンタグラフが非常に精悍で、
大きな車体がグングンと列車を牽引する姿がたまりませんでした。
しかし次第に見慣れてくると・・・
パンタ下の上昇用バネと、パンタを保持する前照灯パーツの格納される屋根上の出っ張りが、
非常に鼻に付くようになります。。。
合わせて・・・専門誌で、正面手摺りの別パーツ化による非常に精巧な記事を読み、
その記事の加工内容もさることながら、黒ずんだぶどう色1号に塗り替えられたその塗装に影響され、
パンタ下の余計な出っ張りを削る事にしたのです。
そこで問題になる事が、当時問題視されていたパンタグラフ上昇用の金属板バネ。
巷ではEF57に限らず、そのキラキラと光ってしまう外観が問題となっていました。
専門誌ではこの問題に
・金属バネをボディと同色に塗装。
・金属バネの足を折り、バネとボディの間にカプラー用のスプリングを入れる。
等の打開策が発表されていました。
しかし、むしろ自分はこのバネによる外観上の問題よりも、
バネの力が強いための「パンタグラフの浮き上がり」の方が気になっていて、
キラキラと光ることに関してはあまり気にしていませんでした。
左が製品のままの取り付け状態。光るバネより、浮き上がったパンタが気になる
今回自分がやろうとした、パンタ下の出っ張りを削り取る加工はバネを取り除かねばならず、
パンタの上昇時の姿勢をどう保つかの問題にぶち当たります。
EF57に装備されているPS14はパンタの下枠が土台にきつくはまっているので、
そのままでも上昇の状態を保持します。
しかし、上昇させた時にカチッとした感触が無い為、
何とかしたいと言う強い願望が湧き出てきました。
そして。。。。
*本題!!
前置きが非常に長くなりましたが、いよいよ本題です。
KATO製等、板バネを使うパンタを眺めてみると、(PS22等)下枠交差型以外のパンタグラフ構造は、
軟質プラ製のシュー、折り曲げられた線材による「上枠」、
巧みに一体プレスされた「下枠」、軟質プラ製の「台枠」に分けられます。
そして、下枠の根元の「板状の部分」を、パンタのバネが保持する構造です。
・・・結論は意外と簡単にやってきました。
この台枠と下枠の間の板状になっている部分に、この板バネを裏返しにして差し込んだらどうだろう?
早速試してみると、板状の部分にうまくバネがはまってくれるじゃありませんか。
しかし・・・反対側を差し込もうとすると、元々板バネの足となる部分が邪魔をしてしまいます。
そこで、この足を広げ、反対側をはめ込んでみました。
するとどうでしょう!きちんとバネはパンタの中に納まり、非常にメカニカルな形になり、
バネとして使える希望が沸いてきます。
ただ、この時点での問題点は、
・パンタを降ろした時に、下枠の板状の部分と台枠の間に収めた板バネが挟まり、
きちんと下降しないことがある。
・パンタを上昇させた時、真っ直ぐにシューを上げないと、収めた板バネが外れてしまうことがある。
この2点の問題点をクリアできれば、自分の鉄道の標準仕様として使える!と言う希望が沸きました。
・板バネはパンタの裏側に張り付き、表に現れない。
・バネの力を出すのに車体を使わない(板バネの足は車体と反対側を向く)為、
パンタグラフが浮き上がらない!
こんな利点が考えられるとあらば、早速再検討です。
*板バネの形状を考える
下降時の問題は、もともとの下枠を上昇保持させる為に折り曲がった山をなだらかにすることで解決。
上昇時板バネが外れる問題は、この板バネ自体の長さを長くすることで解決。
・・・したがって出した結果が
右が折り曲げ調整品。絵は横から見た調整角度。
末期の板バネは、二つの取り付け穴がS字の様に空けられていたんだな〜・・・・ちと驚きです!
①初めの折り曲げ角度を緩くし、長さ方向を長くする。
②外側、山となっていた折り曲げ角度は、パンタ上昇時の下枠の角度に変える。
③元々足となっていた部分はパンタ上昇の圧力となってくれるので、緩やかな角度まで戻す。
この角度がきついと傾けて上昇させた時、バネ板が外れやすくなります。
*パンタへの板バネ装着
・板バネを裏返し、パンタの取り付け足に装着。
・板バネの片側をパンタの下枠と台枠の間に差込む。
・さらに反対側を差込み完成ですが・・・
こちら側はかなり下枠を押し上げ、
(その際、力が入りすぎ台枠の下枠を止めている穴を破損しないよう注意が必要)
板バネの入る空間を作り、板バネを曲げて押し込む感じでないと入りません。
*注:板バネ末期の製品には、下枠に過上昇防止の爪が付いていて、
写真のようには下枠が90°近く持ち上がりません。
分解せずにバネの装着は不可能です。。。
このケースは、初めに片側を差し込んでおき、上枠・線材のはまりを全て外します。
そして、後にはめ込む側の上枠・下枠を取り外し、バネを装着しながら下枠をはめ直します。
下枠にバネ装着後、上枠を再度組み立てしなければなりません。
片側は容易にはまるが、反対側はちょっとしたコツが必要。
写真では親指だが、縦に掴んで反対側の手の指で下枠を押し上げ空間を確保。
人差し指で押し込む。。。って感じかな・・・
下枠の板状の部分が丸まっている物はそれを平坦に戻す等、個体ごとに調整は様々ですが、
うまくいくと最高置までパンタは上がります!
下げると、まずは杯の形に納まり、両端を更に押し下げると・・・
綺麗な平衡状態を、クリック感覚で保持します。
上:まず杯の形に納まり、下:両端を押さえると平行を保つ
(写真の品は上枠が若干長いのか・・・降下状態が垂れ気味ですが。)
一度やってみてクセになってしまった自分は、
KATO製、エンドウ製、GM製の同構造のパーツが付く車輌は、殆どをこの方式に変えてしまいました。
KATO製のPS16(17)は、1980年代後半位の製品から非常に上枠の曲げが緩くなり、
寸法が若干長いのか、下降時の形態が「垂れて」しまう物もあります。
この場合は上枠の線材の調整もせねばなりません。
末期のエンドウ製も同様に垂れます。
ちなみにこのエンドウ製のPS16・17は、最高の形状をしていました!
幅が狭く高く上がった形状は、KATO機やTOMIX機に装着すると、とても引き立ちました!
但しKATO製との交換時には、元の取り付け穴を広げて接着剤と共用で止めないと、
ハマリがきつく、長い時が経つと車体が割れるケースがあります!
*EF57の顛末
まずは我が鉄道のパンタ加工第一号となったEF57。
パンタ下の出っ張りは出来る限りヘッドライトを残し、カッターで削られ、
精密ドライバーを研いだ自家製刃物(?)とヤスリで仕上げられて行きました。
ヘッドライトの導光はかなり犠牲になりましたが。。。
問題のパンタグラフは、上記の方法で板バネが装着され、
元々の足はバネ板固定の為に、
昔のプラモデルのギヤーボックスを取り付けるための工法・・・・「焼きつぶし」されています。
そして本来の4つの足に洋白線で足を付け、車体に空けた同寸の穴にはめ込みました。
車体前方に飛び出たやぐらに、取り付け足の一本は貫通してしまい、
その穴の修整に精密ドライバーを研いだ自家製刃物が大活躍しました。。。
・・・・そして塗装。
ぶどう色1号のスプレーなどあるわけも無く、
GMの鉄道カラースプレーのぶどう色2号と艶消しの黒を同時に吹き付け、
完成の姿を迎え、個人的には大満足するのでした。
しかし、後日。。。
忘れもしない横浜元町の模型屋に同行したLM328iに自慢の一作を見せると、
そのまだらな塗装を失笑されてしまい、
パンタの努力も空しく、後日Assyによる車体交換となってしまうのでした。。。。
外されたまだら塗装のボディは、中間部がフリーランス電機1号機、
前面部がフリーランス電機2号機(残したヘッドライトの面影が残っています。)へと転身してしまいます。
パンタグラフバネ板の取り付け状態。裏と表。
表に見える部分は車体色に塗ると良かったかな〜〜〜
しかし、失敗は成功(?)の元。
まだまだ荒い扱いをするとバネの片側が外れてしまうなどの問題がありますが、
上昇下降時にパチンパチンとクリック感覚で稼働する自慢のパンタは、
まずは実用上耐えている我が鉄道の標準仕様。
今では板バネも板線バネに変更になってしまいましたが
線バネの力が緩いのか、高く上昇しない製品が多いです。
そんな中、昔から変わらず2本の足で取り付けられているKATO製のパンタに対し、
この工法は一つの自己満足の誇りなのです!