このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

モニター窓Hゴムを簡単表現SHINKYOカプラーの活用




TOMIXの10系とKATOの20系が連結!


*気動車の雑多な編成を実現したい
気動車の魅力のひとつは、雑多な形式が無秩序に連結し、編成を組むことです。
最近ではすっかりNゲージの製品も充実してきたので、その魅力を再現できるようになってきました。
しかしひとつ難点が・・・それはカプラーです。

ご存知のとおり、Nゲージの世界標準カプラーは、アーノルトカプラー。
でもこれは形態、大きさ、連結面距離などが・・・実感的ではありません。
そのせいか、KATOはKATOカプラー、TOMIXはTNカプラーという、独自のカプラーを製品化しており、
特にTOMIXはHG製品には、床下マウント式のTNカプラーを標準装備しているのです。
そして厄介なことに、KATOカプラーとTNカプラーには、互換性がありません。
無理に連結できなくもないですが、カーブで脱線してしまったり、走行中に開放してしまったりします。

そこで目をつけたのが、台湾製のSHINKYOカプラーです。
模型屋で40個(20両ぶん)入り700円ちょっとで売っていました。
とあるサイトによれば、これはKATOカプラーにもTNカプラーにも連結できるスグレ物だというのです。
つまり、KATOカプラーの代わりに(KATO製品に)装着しておけば、
KATOカプラー装着車とも、TNカプラー装着車とも連結でき、編成が自由に組めるということです。
まぁ実のところは・・・KATOカプラーの自連タイプが品切れで、仕方なく試しに買ってみたんですけどね。


左写真:組立て前の状態。上がKATOカプラー、下がSHINKYOカプラー。
右写真:組みあがった状態を比較。左からKATOカプラー、SHINKYOカプラー、アーノルトカプラー

*SHINKYOカプラーのちょっとした改造
SHINKYOカプラーは、KATOカプラーの自連タイプに似ていて、
2つのパーツを組み合わせる構造など、そっくりです。
大きさはややKATOカプラーより小さく、形態は、より実物に近い感じです。

しかし、カプラーポケットにバネなしで装着できるように根元が太くなっているKATOカプラーに比べて、SINKYOカプラーの根元はアーノルトカプラーにそっくり・・・・
これはすなわち、バネを使用して装着しなくてはならないことを意味します。
また、この根元部分の左右幅が結構あるため、垂直にポケットに挿入した後、
90度ひねって水平にするのが困難であることもわかりました。
そこで、以下のように対処しました。

・カプラーの根元の左右(斜めになっている部分)をカットします。
 これでカプラーポケット挿入後に、90度回転させやすくなります。
・カプラーの根元上面に伸びている、「ベロ状」の部分をカットします。
 装着後にバネを挿入するのに邪魔になるので。
 って、この部分がそもそも何の役に立つのか、よくわかりませんね。。。

これで無事、KATO製品の台車のカプラーポケットに挿入することができ、
また装着後にカプラーのバネを挿入することも可能になりました。


左写真:KATOの台車のカプラーポケットに合わせて加工。右が加工後。
右写真:装着状態。左がSHINKYOカプラー。SHINKYOカプラーはバネで復元させています。

*装着状態と連結状態を確認する
TNカプラーほどゴツくない外観を持ち、KATOカプラーよりも小さく実物に近いSHINKYOカプラーは、
装着したときの見た目がグッドでした。
もちろん、台車マウントですから、床板マウントされるTNカプラーのジャンパ栓や胴受けには敵いません。
でも、カプラー単体で見れば、TNカプラーよりも実感的だと思うのです。
しかし・・・機能的にはどうなのでしょう?見た目はよいにしても、この小ささがちょっと不安ではありました。


カプラーの装着状態を比較。左からSHINKYOカプラー、KATOカプラー、TNカプラー

それでは、早速連結させてみましょう。
まずはTNカプラー装着車(TOMIXのキハ10系)と。
TNカプラーは、がっちりと連結器同士が噛み合い、「カチン」と固定されます。
ナックル部分には、そのための穴も開いています。
カプラー同士ががっちりと固定されるため、床板に固定する際には、首振り機構がないと脱線します。

果たして・・・SHINKYOカプラーにもTN同様の固定用の穴が開いていて、見事に連結することができました。
KATOのキハ20系は言うまでもなく台車マウントなので、曲線通過時の首振りも問題ありませんでした。


左写真:TNカプラー(左)とSHINKYOカプラー(右)の連結状態を上方から。
右写真:裏返したところ。左右が逆になって、左がSHINKYOカプラーです。
 がっちりと、うまく繋がっています。

続いてKATOカプラー装着車(KATOのキハ20系)と。
KATOカプラーは、連結器同士は緩く合わさるだけで、完全には固定されません。
カプラーが床下に固定され、左右に首を振らない構造の二軸貨車であっても、
脱線することなく曲線を通過できるのは、この「緩い」構造のおかげです

SHINKYOカプラーとKATOカプラーを連結させると、両者の形状は若干異なりますが、
KATOカプラー同士の場合よりも若干きつめにうまい具合に噛み合うので、
カプラー高さの不揃いなどで起こる走行中の自然開放、といったトラブルもありませんでした。
ただ、KATOカプラー同士の連結よりはきつくなっているので、
二軸貨車同士だと・・・ちょっと不安な気もします。


左写真:SHINKYOカプラー(左)とKATOカプラー(右)の連結状態を上方から。
右写真:裏返したところ。左右が逆になって、右がSHINKYOカプラーです。
 若干形状は違いますが、うまく組み合わさっています

*結論
SHINKYOカプラーは、ワンタッチ取り付けとはいきませんでしたが、
KATOカプラーの自連タイプと同じように使えます。
しかも、TNカプラーとも連結可能なぶん、機能は優れています。
すなわち「KATO車両にSHINKYOカプラーを装着する」ことで、
KATOカプラー車とも、TNカプラー車とも連結できるようになり、気動車の編成の自由度が上がります。

KATOカプラーを装着したKATO製のロコと、TNカプラーを装着したTOMIX製のロコが混在していても、
客貨車がSHINKYOカプラーであれば、連結は自由になるのです。
我が鉄道では、今までKATOカプラーを標準にしてきており、
全ての客貨車をSHINKYOカプラーに交換することは、現実的には難しいでしょうけどね。。。






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