このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

特別ルポ:さよなら「あさかぜ」



2008年の夏休み、家族旅行の途中で、京都の梅小路蒸気機関車館に行ってきました。
学生時代に数回の関西訪問をしていた私も、当時は蒸機にさほど興味がなかったため、
ここは未訪の地だったのです。
その後もいつか訪れよう、そう思うばかりでなかなかチャンスがなく、やっと今回実現したのでした。
・・・とっても暑かったけど。

では、簡単なレポートです。


まず、旧二条駅舎を移築した建物が迎えてくれます。
全景を撮っていませんが、堂々とした駅舎でした。



建物の中には様々な展示品がありました。ここは空調が効いていて快適です。
でも、展示品を見てばかりではいけません。
本題は、保存されている蒸機なのですから。。。
先を急ぎましょう。


梅小路蒸気機関車館は、鉄道100年を記念して、旧梅小路機関区を蒸機博物館にしたもの。
かつてはそのほとんどが動態保存機だったと思うのですが、今は逆に、ほとんどが静態保存でした。
昔訪れなかったことが悔やまれます。
B20には火が入り、煙を上げていましたが、扇庫の他の機関車は皆、静態保存機です。
そのB20はとても興味があったのですが、火が入っていたためか近づくことができませんでした。
C11のキャブは、やはり巨大です。
9600は、いつ見てもカッコイイ。。。


C581はお召し列車牽引機の状態になっています。
でも、他の機関車も充分綺麗に磨かれています。
貨物機D51なんて、当時はこのように磨かれた状態になることは少なかったのでしょうね。


D50は重心が低くずんぐりしたスタイルがあまり好きじゃないし、
D52は煙室扉が前に出すぎていて、やっぱり好きじゃない機関車です。
D52と言えば戦時設計・・・状態の悪いものが多かったと聞きました。
今では美しく整備されてしまい、「らしくない」かもしれません。



個人的には昭和初期までの蒸機が好みなので、どうしてもC51とC53に興味がいってしまいます。
均整の取れたスタイルをしたC51と、個性の強いC53、どちらもかっこいいですねぇ。
ちなみにC59は、傾斜したキャブの形が好きです(笑)



スポーク動輪と、鈍く光るロッドが美しいですね。
私は蒸機でこれが一番好きな部分です。
公園などの保存機はほぼ例外なく動輪やロッドが銀色塗装されてしまっていますが、
これが本当の色なんでしょう。
静態機とは言え、今にも走り出しそうな感じです。



扇形庫の中をこうして見渡せるのはいいですね。建物の構造がよくわかります。
蒸機の製作をする際には、上から見たディテールの参考にもなることでしょう。
暑さには参りましたが、蒸機にみんな火が入っていた頃は、こんなもんじゃなかったんでしょう。



お召し機の各部は、一層念入りに磨きだされています。
但し、さっきも書きましたが、他の機関車も充分に綺麗な状態なので、
逆にお召し機の綺麗さが目立たなくなっていたのは残念です。
お召し以外は、もっと現役っぽい煤けた風情を残してもいいかもしれません。



足回り写真ばかりですが・・・蒸機では、やはり足回りが好きなのです。美しいです。
でも、ボックス動輪は、個人的にはいまひとつだけど。
9600の動輪って、こんなに小さかったんですねぇ。
旅客機の大きな動輪とは、実に対照的です。


屋外に置かれていたのはC55とC61。
最近では、C55はC57よりも好きです。でも開放型キャブの方がいいなぁ。。。




説明の必要もないほど有名なC622は、C621と重連でオハ35系を牽いていました。
C62はデカいですね、圧倒されます。
しかも大きさのわりにデザインがよく、とても格好いいのです。
もう火が入ることはないのでしょうか・・・動いていた頃を見たかったです。
赤ナンバーにするなら、シールドビームの補助灯は外してほしい気もします。


C62が牽くのなら、オハ35系ではなくスハ44系あたりが・・・ってのは贅沢でしょうか。
キャンバス貼り屋根の貴重な茶色い旧型客車、とても懐かしかったです。
整備状態の悪さは残念。



構内を走行するのは8620。
この撮影の30分後には動きますが、残念、時間がなく、動く様子は見れませんでした。
でも、火を入れてスタンバっている姿は、とてもよかったです。
暑さのせいか、誰も乗客はいませんでしたけど。

煙のにおいは・・・私は子供の頃に現役蒸機を見たことはないので、
記憶にあるはずがないのですが、でもなぜか、懐かしい感じがしました。



メカ好きの私は、ターンテーブルにも興味津々。
このターンテーブルが動くところも見てみたいものです。
扇形庫は往時とほとんど変わらない状態のはず。


休憩所になっていたオハフ50は、冷房が効いていて快適でした。
とは言え非冷房の50系、家庭用エアコンが装着されていました。
その昔、真夏に50系客車に乗り、車内で大汗をかいた記憶があります。



もう一度建物内に戻って、他の展示品も見ました。
あまりの暑さに耐え切れなくなり、汗がひくまで涼んでいた・・・という理由もあります。

昔の梅小路機関区を再現したNゲージ模型はなかなかの出来でした。
天井の照明がガラスケースに写りこんでしまいましたが。。。

というところです。
家族同伴なのと、暑さのため、例によって駆け足となってしまい、
じっくりと堪能するというわけにはいきませんでした。
動態の蒸機を間近に見れる、数少ない施設なので、いつかまたゆっくり見学してみたいです。
・・・そのときまで、動態機が残っていることを祈りつつ。






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