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モニター窓Hゴムを簡単表現



こんな感じにできました

*ふとした思い立ち
マニ44を手に入れてから、ふと思ったことがあります。
「そういえば、KATOからワキ8000は製品化されていたけど、ワサフ8000は出てないなぁ」

ワサフ8000はワキ8000に車掌室をつけた車両で、
レサ10000に対するレムフ10000、コキ50000に対するコキフ50000みたいなものです。
ワキ8000同様、荷物・貨物共用の車両なので、貨物列車としても、
荷物列車や客車急行編成でも使えます。

製作するなら、ボディはワキ8000、スニ40、スユ44とほとんど同じだし、
車掌室はコキフ10000かレムフ10000が使えそうなのです。
ワキ8000は所有していませんが、スニ40、スユ44はたくさんあるし、
「ぎんりん・とびうお」セットの発売で使用頻度が下がったレムフ10000旧製品もあるし、
それぞれ1両ずつをつぶせば再塗装しなくともよいと考え、早速製作に取り掛かったのでした。

*思わぬ誤算・・・こりゃ大変だ
ところが・・・実車について調べてみると、事はそんなに簡単ではありませんでした。
いや、むしろ、大変です。

・スニ/スユの側板は障子や襖のように4枚の扉が開く構成だが、 
 ワサフの側板は3枚の扉が開く構成となっている。
 従って・・・車端部の側扉の位置を変えて使用する必要があり 、「もう1輌」必要になる。
・荷貨両用とはいえ一応貨車扱いなので、客車とは型番の表記方法が違う。
 (スニ/スユは1段、ワサフは2段表記)
 型番表記されている部分のモールドも異なり、スニ/スユの中央扉は使用できない。
・コキフやレムフの車掌室はトイレが車輌中央寄り、ワサフは車端寄りにあるので、
 窓配置が全く違う。

しばらく考えた私は、スユ44、レムフ10000に加え、
中古ジャンク品で手に入れたワキ10000を使うことにしたのです。
タネ車3両。ちょっともったいない気もします。

*切り継ぎ位置、使用箇所の検討
まず、ワサフ8000の基本となるのは、スユ44です。
屋根全体、スユに4枚ある側扉のうちの車端側の1枚、およびその側の妻板を使用します。
ボディは一体成型なので、糸鋸やデザインナイフを用いて、不要箇所を切り取ればよさそうです。

ワサフの中央側扉は、ワキ10000のものを使いますが、ここでもまた課題が見つかりました。

・4枚扉のワキ10000では中央2枚に分かれていた表記が、
 3枚扉では中央の1枚にまとまっている。

つまり、ワキ10000の中央側扉2枚を、1枚に切り継ぎする必要があるのです。
しかも・・・車番表記と形式表記を所定の位置にするには、2箇所の切り継ぎが必要なようです。

そして、車掌室側に残るもう1枚の側扉。
ここはワキ10000の中央扉(形式表記側)と一体で切り出せば使えそうです。

最後に車掌室。これは難題でした。
全自作も考えましたが、窓を綺麗に開ける自信がないので(笑)、
レムフの車掌室をバラバラにして、窓位置を入れ替えることにしました。
不足する部分のみ、プラ板で補います。
なので、車掌室は再塗装が必要になります。

*いざ、側板切り継ぎ改造に着手!
以上の方針のもと、まずはひたすら、必要な側板を切り出します。
そして切り口を仕上げ、接合して行くのです。
幸いにもこの車体は側面垂直方向にリブがあるので、その部分で切り継ぎをしていけば、
ほとんどわからないようにすることが可能なのです。
塗装も、製品のまま使えます。
改造途中の姿。何がなんだかわからなくなります。

ところが問題は・・・側板の何をどこに使うのか、判らなくなってしまうことです。
しっかりと検討し、使う部分と捨てる部分に目印をつけて、切り出していくべきでしょう。
私は片側で余分なところを切ってしまい・・・切り継ぎ箇所を増やす結果となりました。

間違いがなかったとしても、切り継ぎ箇所の多さ、これも問題です。
面倒になってしまうのも確かですが(笑)、
きちんとやったつもりでも、微妙な狂いがあると、
これが何箇所か継いでいく間に累積し・・・垂直、水平に狂いを生じやすいのです。
なので・・・接着していく際には、微調整の効かない瞬間接着剤は避け、タミヤセメントを用いました。
幸い、KATOのこの製品はタミヤセメントが使える素材でできていたので、助かりました。
ボディが形になってきたら、プラ板で裏面に補強し、しここで初めて瞬間接着剤を流します。

失敗部分の余分な切り継ぎも含め・・・とにかく切り継ぎの多さには参りました。
思ったよりも綺麗にできなかったりするし・・・もともと飽きっぽい私のこと、
途中で何度か放り出してしまいそうになりましたが、そこはかろうじて耐えました(苦笑)

こういう作業は、少しでも気分が乗らないときにはやらないほうがよいですね。
逆に、気分が乗り出すと止まりません。
気づいたら深夜になっていることもありました(笑)
だんだん形になってきたぞ

*床板を作る
床板は、スユ44とレムフ10000のものを切り継ぎました。
両者の台枠の形状、寸法はほぼ同じなので、切り継ぎが大雑把でも、あまり違和感ありません。
また、実物の床下の機器配置がわからなかったので、製品のままです。
両者の接着はタミヤセメントを使いました。
・・・しかしこのままでは接着面積が小さく、強度が不足するので、
スユ44のウェイト(鉄板)を貼り付けて、補強を兼ねることにしました。
これで、きわめて頑丈になりました。

これは、簡単にできました。
これができれば、一気に加速します。

おっと・・・ここで、エンドビーム下の空間も処理します。
この車掌室はアーノルトカプラーの上下動を可能とするため、
エンドビーム部分が大きく欠き取られており、後ろから見たときに腰高な印象を与えています。
なので、0.7mmくらいの厚みのプラ板を貼っておきました。

スユ44とレムフ10000の床板を切り継ぎ。鉄板製のウェイトが、ちょうどよい補強になります。

*車掌室は大変・・・
製品の車掌室から、妻板(+デッキ部分)、側板の窓周りを切り出します。
側板はトイレと車掌室の窓位置を入れ替え、不足する部分を1.0mmのプラ板で補いました。
しかし、製品の側板とは厚みが異なる上、柔らかさも違います。
平面を出すのには苦労しました。
トイレまどのある側は4枚、逆側でも3枚を切り継いでいるので、
ここも時間がかかります。
窓開けの自信がある方であれば、自作したほうがよっぽど早いと思います。

なんとか側板が形になったら、妻板と接着し、コ型にします。
各部の曲がりや水平、垂直に注意しながら、タミヤセメントを流ていきました。
タミヤセメントが乾いたら、耐水ペーパーをかけて、平滑に仕上げました。

続いて、車体を床板にはめ、車掌室も載せ、仮組みしてみます。
接合される面が一致するか、高さ・長さは合っているか、歪みはないか、などをチェックするのです。
これがOKになるまで、耐水ペーパーの磨きを続けます。
何しろ、ボディの塗装を製品のまま活かすため、貼り付けた後では仕上げができませんので。。。
特に、屋根との接合部は要注意です。
ここが密着し、かつ床板との接するように仕上げます。

そして車掌室側面ほぼ中央に、雨どい(縦溝)を貼りました。
これは、0.25mmプラ板を細く切りだしたものです。
続いて、荷室と車掌室を接着します。
前後左右上下、垂直・水平・平行に注意しながら、タミヤセメントを流しました。


完全に固着したら瞬間接着剤を流して固定し、車端部の屋根と車掌室の継ぎ目を消します。
ここは耐水ペーパーを用いて慎重に行いました。
さらに、妻板にある窓も不要なのでプラ板で埋め、平滑に仕上げます。
その際に消えてしまった、妻板両側にある手すりは、0.3mm真鍮線で表現しておきました。

*塗装
ここまで、とても長かったです。
でもやっと・・・塗装です。
本来は、切り継ぎしても塗装をしないで仕上げたかったのですが、
プラ板を使用した車掌室はそうもいきません。
また、ワキ10000の一部を使用した側板裾も、緑色になっているため、青くする必要があります。

まずは、荷室と屋根をマスキングして、車掌室部分にグレーのスプレーを吹きました。
これは、傷や面の乱れを見極めるためと、素材の色の差を消すために行いました。
傷や面の乱れは、目に付くところは修正します。
しかし私は小さなものは「ま、いいか」と判断してしまいました。
これが性格とは言え、こういうところが仕上がりの粗さに現れてしまうんですよね。。。
さて・・・いちおう自分的にOKになったら、
車掌室に、今度はGMカラーのスカ色青を吹きます。
製品の青とは微妙に違いますが、まぁ許容範囲でしょう。

塗料が乾いたらテープを剥がし、荷室側板の裾(ワキ10000を使用した部分)に色を入れます。
面相筆を用いて、スカ色青を流すようにして、重ねていきました。

また、床板のエンドビーム部分に追加したプラ板にも、青を塗っておきました。


とりあえずの完成!遠目で見れば、ほぼ完璧です!

*細かい部分はともかく、なかなかいいんじゃない?
さて、今回の加工はここまでです。
側板を切り継いだ箇所に若干面の乱れはあるし、まだ車番を変更していなかったり、
サッシに色差ししていなかったり、窓が入っていないという状態ですが、
荷物列車などに組み込んで走らせるには、これで充分です。
今後そのあたりを仕上げ、軽くウェザリングもして、工作のアラを消していこうと思います。

この工作は、予想していたよりも切り継ぎ箇所が多く、時間がかかってしまいました。
非常に細かい作業を何度もしなくてはならず、苦労します。
なので、万人にお勧めするような工作ではないでしょう。
事実、私も同じ工作を・・・二度とする気になれません。
テールライトの点灯化も頭をよぎったのですが・・・その前に力尽きました。

でも、もう少し楽に考えるなら、あくまでも「タイプ」と割り切って、
(当初の考えのように)スユ(またはスニ)の側板を切り抜き、そこにコキフかレサフの車掌室をはめる、
それでも雰囲気は充分かもしれませんね。

・・・それなら、まだやってみる気はあります(爆)


上からスニ40、作例のワサフ8000、ワキ10000。
スニ(スユ)とワキの側板をどのように使ったか・・・パズルだと思って考えてみてください(笑)







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