このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

日本に帰還した2輌のC56


C56 31

昭和11年日本車輌製。七尾機関区に新製配置され、昭和16年暮れに軍に供出されタイへ送られ物資輸送に従事。1943(昭和18)年10月25日に泰緬鉄道開通処女列車の牽引機に抜擢された。戦後タイ国鉄725号として1979(昭和54)年に廃車された。

昭和54年に日本に帰還し、関係殉死者慰霊と恒久平和祈念のため靖国神社に奉納された。その際タイ国鉄仕様から日本軍時代へ復元されている。特徴的なフック式連結器やメーターゲージに改軌された足廻りなど、タイ時代そのままの姿で残されており、大井川鉄道のC56 44では撤去された正面の柵やテンダの嵩上げ柵、ランボード上のジャッキなども撤去されていない。
キャブにある札挿しには鉄道連隊の部隊章と七尾機関区の区名札が差し込んである。またテンダにはタイ国鉄のロゴを黒色で塗り潰した名残がある。


C56 44

昭和11年三菱重工製。苗穂機関区に新製配置され、昭和16年暮れに軍に供出されタイへ送られ物資輸送に従事。戦後タイ国鉄735号として1979(昭和54)年に廃車された。

昭和54年に日本に帰還し、以来大井川鉄道で動態保存されている。昭和55年1月にタイ国鉄仕様で運行された後、靖国の31号機とは対称的に日本仕様への復元が行われた。この際に使用された動輪はC12 93号機のものである。復元されたとはいっても完全に苗穂時代に復元できたわけではなく、低屋根化されたキャブやテンダ後方のL字切り欠きにタイ時代の面影を遺す。

ボイラの不調から平成15年に休車となって千頭駅構内に留置されていたが平成19年秋にボイラをC12 208のものに換装して現役復帰。日タイ修好120周年を記念しタイ国鉄時代の姿を復元した姿で走っている。


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