このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

ローカル私鉄紹介

 函館市電(函館市交通局)  更新 2000.7.2 PAGE 1

 北海道の本州からの玄関口、函館市で活躍する路面電車が、函館市電です。函館市は、青函トンネルが開通する以前は、青函連絡船の乗換港であり、国鉄で北海道を旅行する者は、必ず訪れる街でした。このページでは、北海道旅行で1981年9月に訪れた時の函館市電を紹介します。

 鉄道での大阪から北海道への旅行は、まる1日以上はかかり、必ず車中泊が、必要となります。このため、寝台料金を節約する手段として、青函連絡船で船中泊するのが、パターンとして確立してました。又行きの工程では、函館に到着し、すぐに乗り換えて北海道の目的地に向かうため、帰りの工程で、函館をゆっくり見る人も多かったと思います。私もこのパターンで、北海道での最終日、昼間、函館まで移動し、深夜に出港する連絡船の時間まで、函館を散策しました。

函館市電は、近代化された札幌市電に比べて、魅力のある路面電車で、写真の様に、バラエティーに富んだ路面電車らしい車両が走っていました。また夕日に照らされた街並みと電車が非常によくマッチし印象的な風景を見ることが出来ました。

99819009.jpg (30187 バイト)ミルクランド号718、811 五稜郭公園前 1981年9月撮影

写真は、函館市電を代表する車両で、710形718、800形811、500形で、塗装は変わっていますが、718、811は今も活躍しています。先頭の718はこの時、北海道らしい塗装で、ミルクランド号の表示がありました。

710形は、1959年5月〜1961年10月まで新潟鉄工にて、14両が製造され、800形は1962年6月〜1966年4月まで、同じく新潟鉄工にて12両が製造されました。この2形式は、制御方式等、細部が異なるが、外見はほぼ同じです。710形は4両が廃車となりましたが10両が現役です。又800形は8000形に車体更新されていて、4両が現存しています。

99819011.jpg (34006 バイト)500形515他、梁川(やながわ)町

写真は梁川(やながわ)町駅に到着する500形515です。515は既に廃車になっています。又下の写真の513も廃止になっています。

 500形は1948年から日本車両にて30両製造され、長い間、函館市電の主流でしたが、路線の縮小に伴い、次々と廃車され、現在は3両を残すのみです。又この内505は車体更新されており、塗装も含めて原型を残すのは529のみとなっています。

99819010.jpg (27655 バイト)500形513 宮前線梁川町〜西部・テーオー前

 

函館市電(函館市交通局)変遷

 函館に路面電車が走り始めたのは1913年(大正2年)6月29日で、もちろん北海道では最初でした。しかしながら、この路面電車の前身は、路面馬車で、これが走り始めたのは、もっと前のことです。この馬車鉄道、亀函馬車鉄道(株)は1897年(明治30年)12月12日に東川町(東雲町→労働会館前)〜弁天町(函館ドック前)間3.27Kmで運行を開始しました。翌年、亀函馬車鉄道(株)は函館馬車鉄道(株)と改称し、その後明治44年11月7日に函館水電(株)と合弁し、路面電車時代に進んだ。初の電車は1913年(大正2年)6月29日、湯川線東雲町〜湯の川温泉でシングルカー型5両で電車運転をスタートし、同年10月31日に大森線等、函館市内で電車が走り始めました。

 その後、1934(昭和9)年8月1日に函館水電(株)帝国電力(株)と改称し、1940年(昭和15年)7月16日に大日本電力(株)と合併、1948年(昭和18年)2月3日、道南電気(株)へ譲渡され、さらに、同年10月29日、軌道事業は函館市に譲渡され、11月1日から函館市役所交通局と改称しました。

 戦後はガス会社前〜五稜郭公園前(宮前線)が1950年(昭和25年)開通、ガス会社前〜五稜郭駅前(本線)が1950年(昭和25年)〜1955年(昭和30年)にかけて開通、湯の川温泉〜湯倉神社前(湯の川)が1959年(昭和34年)9月に開通し、全路線が完成した。そして、その後、他都市と同様にモータリゼーションにより乗客が減少し、赤字が続く、苦しい経営となりました。

 1978年(昭和53年)にガス会社前〜五稜郭駅前が廃止、1992年3月31日 東雲線宝来町〜松風町間1.6Km廃止、1993年3月31日 函館駅前〜ガス会社前〜五稜郭公園前間3.6Km廃止(本線の1部、宮前線)、オリオン座の様な立派な路線が、北斗七星の様なシンプルな路線に縮小され、現在に至っています。

hakodatemap.jpg (20336 バイト)実線:営業中、点線:廃線

本線 函館ドック前〜ガス会社前(4.8km)  大森線 函館駅前〜松風町(0.4km)

宮前線 ガス会社前〜五稜郭公園前(1.6km)  東雲線 宝来町〜松風町(1.6km)

湯の川線 松風町〜湯の川(6.1km)  宝来・谷地線 十字街〜谷地頭(1.3km)

99819012.jpg (21439 バイト)廃線となった宮前線(梁川町〜西部・テーオー前)

 函館市電は廃線等の合理化だけでなく、サービス向上も力を入れており、1990年4月からは、800形を車体更新した8000形が営業運転を開始、1993年4月、2000・3000系電車営業運転開始、27年振りの新車,VVVF制御車を導入、又路面電車開業80周年・市営交通発足50周年の
記念行事としてササラ式除雪車を、“函館ハイカラ號”として運転を開始し、明治・大正の面影が数多く残る函館の街に似合う路面電車として走り続けています。


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