このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

       ローカル私鉄紹介

    鹿児島市交通局        更新 1998.10.3        PAGE 1

 日本最南端の路面電車が走る街、鹿児島市へは、1980年前後、旅行等で何度か立寄ました。このページでは、この鹿児島市電(鹿児島市交通局)を紹介します。

  私が訪れた、1980年前後、鹿児島市電は全長19.366Kmの路線網があり、鹿児島市の国鉄主要駅、中心街のほとんどを結び、市内のいたるところで市電を見かける事ができました。移動中のバスや車の中から鹿児島市電を見かけシャッターを押し、南国の路面電車を撮影しました。このため写真の構図等は悪いのですが、現在では廃止となった路線の風景等もあるのでここで紹介します。

 r1219.jpg (31524 バイト)伊敷町行の電車503、高見橋付近にて 1980.9

電車は濃緑と黄色に塗り分けられたスマートな電車が走っていました。外見はどの車両も今は無き大阪市電を小型化したようなスタイルで、大阪から来た私には親しみが湧きました。写真は市街の中心地、西鹿児島駅前〜高見橋付近を走る伊敷町行の電車(臨時)500形503です。鹿児島市電は伊敷町まで達する伊敷線がありましたが、1985年(昭和65年)に乗客の減少などを理由に廃止されました。又500形は現在、冷房化等はされていますが、最古参形式としてこの503も含め現存しています。500形は、1955年〜56年(昭和30年〜31年)にかけて製造された半鋼製ボギー車で、事故で廃車となった2両(505、511)を除き13両が健在です。

r1106.JPG (22619 バイト)上町線を走る電車610(左)、私学校跡付近、1977年

写真は上町線の私学校跡付近を走る600形610です。上町線は清水町に達する路線で、この上町線も伊敷線同様に、1985年(昭和65年)に廃止されました。この駅に隣接して西郷隆盛が創立した私学校跡、鶴丸城跡があり、観光で立寄ったバスの中からの1コマです。600形も500形同様、冷房化工事が実施されていますが、16両中、10両が現存しています。写真の610はカラオケ電車としても活躍しています。600形は1959年〜63年製造の鋼製ボギー車です。

r1107.JPG (31471 バイト)清水町行電車831、私学校跡付近、1977年

写真は同じく私学校跡付近を走る清水町行電車800形831です。800形は1951年製の元大阪市電2600形を全面改装の上導入した電車で、1967年から32両が入線し、鹿児島市電の中心的車両でしたが、現在は急速に数が減り、わずか4両が現存するのみです。車番整理が行われているため、この831が現存しているかどうかは不明です。

r1221.JPG (31013 バイト)郡元行電車824、高見橋付近にて   1980.9

写真は西鹿児島駅前〜高見橋間を走る800形824です。車両の塗装は濃緑と黄色の標準色以外にホワイトと朱色や標準色の下部をホワイトに塗り分けられた電車が走っていました。現在はクリームのツートンカラーにストライプの入った明るいものに変わっています。又最近の新車の塗装は一両毎に異なり、バラエティに富んだものになっています。鹿児島市電の塗装に関しては南国らしく珊瑚礁に住む熱帯魚の様に様々です。

r1102.JPG (31124 バイト)清水町行822、高見橋にて 1980.9

この鹿児島市電は1911年(明治44年)10月25日に発足した鹿児島電気軌道(株)が前進で、同社によって1912年(大正1年)12月に谷山線、1914年(大正3年)7月〜1915年(大正4年)12月に市内第一期線、市内第二期線、1918年(大正7年)3月に伊敷線、1927年(昭和2年)10月に上町線がそれぞれ開通した後、1928年(昭和3年)7月に鹿児島市営軌道となりました。唐湊線の開通は1959年(昭和34年)12月で、その後上町線が清水町、伊敷線が伊敷町まで延長され、1961年(昭和36年)12月には全路線が開通しました。

 r1133.JPG (26244 バイト)800形801、加治屋町にて  1980.9

その後、鹿児島市電は他の市電と同様にモータリゼーションにより乗客が減少、不採算路線(伊敷線、上町線)の廃止、運転系統の合理化により、全線廃止の危機を乗り越えました。その後軌道や停留所の整備、架線のセンターポール化などが進められ、1989年からは26年振りの新車の増備が開始され、JR九州鹿児島車両所が製造した2100形、2110形、2130形、2140形が登場しました。

r1134.JPG (33366 バイト)500形506、高見馬場にて 1980.9

さらに1995年からは800形の台車や主電動機を流用し、車体を新造した9500形が登場し、現在11両が活躍しています。この9500形はアルナ工機製です。1997年には最新形式の9700形も2両登場、同じくアルナ工機製ですが、こちらは新造車です。

鹿児島市電は現在、路線は13.1kmになりましたが、南国の路面電車として今後も活躍して行くでしょう。

 


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