このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
ローカル私鉄紹介
蒲原鉄道 更新 1999.5.5
新潟県の五泉から村松までを結ぶ4.2kmの小さな鉄道が、蒲原(かんばら)鉄道です。この鉄道に1999年1月2日に訪れました。この時の様子をダイジェスト的に紹介します。
1月2日、新潟駅からJR磐越西線、馬下行普通列車(臨時)に乗車し、蒲原鉄道の乗換駅、五泉に向いました。非電化の磐越西線の気動車が五泉駅に近づくと、架線や独立した線路が見えてきます。これが蒲原鉄道です。JRのホームから立派な袴線橋を渡り、さらに線路を渡ると蒲原鉄道の五泉駅の小さなホームに到着、定期列車であれば接続のため電車が待機していますが、村松行はかなりの時間待ちがありました。しばらくすると村松方面からモハ41が、駅手前の急カーブ(R160)を曲がりながらやってきました。
動画(409KB.AVIファイル,6.4sec+htmファイル) 雪が舞う中、五泉駅に到着するモハ41単車
(動画は容量が少し重くなっています。IE4.0で動作確認済みです。)
蒲原鉄道五泉駅の構内は広く、かつて国鉄と貨物の受渡しを行っていた名残を残しています。ホームを過ぎても線路は延びていて、その隅に忘れられた様に木造の貨車が2両、放置されていました。
木造貨車 1999.1.2
この貨車は使用されなくなってかなりの時間が経過していると思われ、車番等の表示は何も無く、又無蓋車の方は、荒廃がかなり進んでいました。手前の貨車は資料からワ11と思われます。無蓋車の方は、形式等は不明ですが、車輪は松葉スポークで、京福福井のト68と同時代の貨車ではないかと思われます。以前は地方私鉄に行けば、この様な古典貨車が多数、存在しましたが、今では貴重な存在です。
モハ41は、JRからの乗り継ぎ客を乗せて出発、乗客は帰省客と、鉄道ファンがほとんどで、車内は波打った木製の床と、赤いビロード風の座席、又油の様な旧型電車独特の匂いがして、懐かしい雰囲気が、ありました。昔の電車は全てこんな雰囲気であった事を思い出しました。この日は休日運転で、休日運転は終日、単車で運転されています。
モハ71とED1 村松にて 1999.1.2
五泉を出発すると路線は、直線かつ平坦で、途中駅は無人駅の平泉だけ、約8分で村松に到着しました。村松駅の構内には車両基地があり、蒲原鉄道の現有車両全てが構内に並んでいて、木造のホーム、木造車庫、廃車体を含め、まるで鉄道模型のレイアウトの様です。
モハ31(左)とモハ61(右) 村松にて 1999.1.2
この日、ワンマン車の単行運転で使用されるモハ31は構内で休んでいました。又平日の通学輸送に使用される2連はモハ61とクハ10が編成を組んでいて、モハ71は使用されておらず、予備車の様です。
モハ12(廃車)とクハ10 村松にて 1999.1.2
写真(右)のクハ10は元国鉄の04形気動車を電車制御車として改造した気動車電車で、正面の4枚窓を3枚窓化等、改造を受けていますが、原形を良くとどめ、貴重な存在です。又、隣は廃車されたモハ11形モハ12で、1985年の村松〜加茂間17.7km廃止に伴い廃車となった車両です。
木造貨車等 村松にて 1999.1.2
構内の一番奥には木造貨車や保線ディーゼル車の廃車体が置かれていました。
何度も廃止の危機を乗り越えてきた蒲原鉄道ですが、乗客の減少は歯止めがかからず、1999年9月末で、廃止の予定です。地元と密着し、良い雰囲気を残す鉄道が又ひとつ消えることは非常に残念です。村松駅では記念グッズとしてTシャツ、巾着袋、マグカップ(販売予定)等が販売されていました。蒲原鉄道のこの様な雪景色を二度と見ることが出来ないと思うと非常に残念です。
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |