昭和４４年の京阪本線〜消えた片町駅など　　　２０１1年5月8日　新設

　京阪電車の大阪側ターミナルは、開業当初より大きく変貌していきました。1910年天満橋〜五条間での創業時には、路面電車同然だったものが、戦前の1933年（昭和８年）には蒲生信号所（現在の京橋駅付近）と守口駅間を高架複々線化し、これは当時の私鉄最長であり、画期的な事でした。この頃、天満橋付近の駅は、天満橋の次が野田橋（その後片町駅に変更）、蒲生駅（その後京橋駅に変更）となっていました。

　そして、戦後の1954年（昭和29年）に天満橋駅 - 野田橋駅間0.762kmの併用軌道を専用軌道に移設し、これにより京阪本線は全線専用軌道となりました。その翌年の1955年（昭和30年）1月1日に野田橋駅は、片町駅に改称されました。

　1963年（昭和38年）4月16日には、淀屋橋地下延長線が開通し、1968年には、天満橋駅 - 野江駅間、高架複々線建設事業が起工し、天満橋駅 - 野江駅間の経路改良、京橋駅の移転・高架化する工事が始まりました。これにより片町駅は、工事のため東側に移転しました。

　写真は、片町駅（仮駅）を通過する京阪特急1900系1931です。1931は、普通車に格下げ時、運転台が撤去され1985に変更されました。架線柱の野田橋の表示は、野田橋駅の名残と思われます。その他の写真も含めこの頁の写真は、1969年にTAKEMASU様が撮影された貴重な写真を掲載しています。

　片町駅を通過する京阪特急1900系1931　1969年　TAKEMASU様撮影

　天満橋と京橋間にあった片町駅のホームと駅名板です。片町駅は、京橋駅の移転・高架化工事が完了した1969年（昭和44年）11月30日に、隣接する京橋駅に吸収され廃止されました。
　天満橋と京橋駅間にあった京阪片町駅　1969年　TAKEMASU様撮影

　写真は、片町駅（仮駅）のホームです。片町駅は普通のみが停車する駅でした。後方には工事中の高架新線が見えます。写真の奥が天満橋側です。片町駅周辺の路線は、高架新線の完成後、線路は撤去され道路や公園になりました。

　片町駅仮設ホーム　1969年　TAKEMASU様撮影

　写真は、旧片町駅があった東野田付近を通過する京阪2200系2216と建設が進む高架新線です。この踏切のあった片町交差点では、以前、大阪市電と平面交差をしていました。1968年（昭和43年）12月18日に、市電が廃止されたため、平面交差は無くなりました。写真では既に、市電の線路は撤去され、石畳のみが少し残っている様です。

　普通2200系　旧片町駅付近にて　1969年　TAKEMASU様撮影

　下の写真は、片町駅〜京橋駅間の旧路線を走行する京阪特急1900系1907です。1907は1810系から1900系に編入された車両で、元々は1810系1817でした。

　1969年11月30日に、京橋駅の高架工事が完成すると、この旧線は廃止され、翌1970年11月1日には、天満橋〜野江間の高架複々線工事が完成し、大阪側の京阪本線のターミナルの近代化が完成しました。

　天満橋〜京橋間の高架前の旧線を走行する京阪特急1900系1907　1969年　TAKEMASU様撮影

　写真は、京阪本線、香里園〜寝屋川間を走行する京阪特急1900系、香里園〜寝屋川間には、かつて豊野駅がありましたが、1963年（昭和38年）に廃止になっています。

　京阪特急1900系　香里園〜寝屋川間にて　1969年　TAKEMASU様撮影

　下の写真は、京阪本線、香里園〜寝屋川間を走行するスーパー・カー京阪2000系2036、オールＭ車で、全車パンタグラフが付いていました。

　京阪2000系2036　香里園〜寝屋川間にて　1969年　TAKEMASU様撮影

　下の写真は、寝屋川車庫に停車する京阪700系709、1968年に登場した700系は、戦前の流線型車両である1000系や60形（びわこ号）の台車・電装品を利用して車体を新造した更新車両で車体はスマートですが機器は旧式のものが使われていました。1500Vへの昇圧の前に1000系に、新造扱いで改造されたため、1978年に廃止され、僅か10年余りで形式としては消滅しました。

　京阪700系709　寝屋川車庫にて　1969年　TAKEMASU様撮影

　下の写真は、寝屋川車庫に停車する京阪2400系2454、2400系は1969年に登場、通勤電車としては関西初の冷房車で、京阪特急でも冷房されていなかった時代に、先進的な車両でした。

　京阪2400系2454　寝屋川車庫にて　1969年　TAKEMASU様撮影

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