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Top >「ムーンライトながら」とは?

東京〜関西の安価な移動手段としてよく使われる「ムーンライトながら」について、東京〜大阪の移動を例に、青春18きっぷの使い方とともに説明しています。また混雑時期に設定される臨時の「ムーンライトながら91号,92号」についても説明します。

ムーンライトながら
特徴
ムーンライトながらは東京〜大垣(岐阜県)を結ぶ夜行の快速電車で、これを利用して東京〜大阪間を安価に移動することができます。
ムーンライトながらは快速列車ですので普通乗車券だけで乗ることができ、特急、急行料金が要りません。しかしその割には停車駅が少なく、使われる車両も特急列車用なので一般の普通電車よりも乗り心地は快適です。
普通運賃だけで乗れる列車としては珍しく、全車指定席となっているため、あらかじめ指定席券を購入する必要があります。大垣〜大阪間は他の在来線を乗り継ぐことになります。




在来線ムーンライトながら
利用方法
まず予め指定席券を購入しましょう。しかし、ここで一つ厄介なことがあります。青春18きっぷが使える時期のムーンライトながらは、非常に安い移動手段であるためにとても人気があり、指定券を取るのが非常に困難になっています。具体的には、指定券が発売される1ヶ月前の午前10時ピッタリにみどりの窓口に立っていないと、すぐに売り切れてしまって取れないほどです。嘘のようですがほんとの話です。なかなか平日の朝に窓口には行けないこともあると思いますが、前もって窓口や旅行代理店にお願いしておく取ってくれる場合もあります。
また、たとえ売り切れたとしてもキャンセル待ちでとれることが良くあります。私はこれまで何回もムーンライトながらを利用していますが、キャンセル待ちでとれた指定券が2割ほどもあります。当日に取れることもありましたので、あきらめずに窓口をのぞいてみましょう。
禁煙席と喫煙席があります。

ムーンライトながらは東京〜大垣を走りますが、下りの場合、指定席となるのは東京〜豊橋の間だけです。上りは東京〜大垣の全区間が全席指定席です。ですので基本的には上り下りとも指定席券が取れない場合は乗車できません
下りの場合、豊橋より先に行く場合は、豊橋までの指定席をとり、豊橋から先は自由席に変わりますがそのまま座り続ければ問題ありません。席を立った場合には取られてしまうかもしれませんが。

以前は、ながらの指定席のしくみは結構複雑で、号車によっては小田原から自由席に変わってしまったりするのでトラブルが多発していました(私は勝手に小田原騒動と呼んでいました)。それに比べれば今は分かりやすくなったのでとくに問題は無いと思います。

指定席券を購入するときに一つ気をつけなければならない場合があります。
例えば、8月15日の夜に東京からムーンライトながらに乗り16日の早朝大垣に着く場合は、15日の指定席券を購入します。しかし、同じ列車を小田原から乗車して大垣に行く場合は16日の指定席券ということになります。小田原を出発する時刻はすでに16日の0時31分になっているからです。
これは当然のことなのですが、以前は0時をまたぐのが横浜の手前だったため、横浜発の指定席券は16日の指定席券となっていました。これを15日の夜だと勘違いして買ってしまう人がいて、これまで二人ほど実際にそういう人をお見かけしました。その人は当然席は埋まっていますので、仕方なく立ち乗りするほかありませんでした。

指定席券が取れればあとは青春18きっぷを買って乗り込むだけです。
上り(大阪⇒東京)の場合は大阪から大垣駅までは在来線を利用します。大阪からJR京都線の新快速電車で米原まで行き、そこから普通電車で大垣まで行くのが便利です。





京都線新快速普通ムーンライトながら

下り(東京⇒大阪)の場合は東京から大垣までムーンライトながらを利用し、大垣から在来線で大阪方面へ向かいます。大垣ではムーンライトながらに接続するように普通電車が待ってくれています。しかし大垣から先は席が確保されているわけではないのでここで接続電車のシート争奪戦が始まります。
ムーンライトながらが大垣に到着し、ドアが開くと同時に乗客の多くが隣のホームめがけて突進します。これは初めて見る人にはかなり衝撃的な光景だと思います。駅員さんの『走らないでください!』の声も空しく、怒濤のごとく押し寄せた人達は隣のホームの普通電車に乗り込みます。
この普通電車をのがすと、かなり長い時間電車がありません。ですので、たとえ座れなくても取りあえず米原までは行くことをお勧めします。米原からは新快速が出ていますので乗り換えれば座ることもできますが曜日によって接続電車が変わりますので注意が必要です。

指定席券が取れなかった場合はムーンライトながらを利用することはできません。しかしムーンライトながらが混む時期に、臨時のムーンライトながらが運行されます。それについては「ムーンライトながら91号,92号」で説明しています。
時刻表
主要駅の発車時刻を表にしました。(2008年8月現在)
ムーンライトながらの時刻は頻繁に変更されます。必ず最新の情報を利用してください。

方向東京小田原豊橋名古屋大垣
下り→23:100:314:536:136:52
上り←5:053:540:4723:5523:19

各時刻は発車時刻です。終着駅は到着時刻です。
下りの場合は途中、静岡で20分、浜松で24分、豊橋では53分の停車時間があります。豊橋から先はほぼ各駅停車で大垣まで行くためかなり時間がかかります。早く大垣に到着したい場合はムーンライトながら91号の方がいいです。上りは駅での長時間停車はありません。
運賃
青春18きっぷは、ムーンライトながらを利用する場合の必需品と言っていいでしょう。ムーンライトながらを利用した場合の東京〜大阪の運賃は通常ならば乗車券8,510円+指定券510円(閑散期310円)で計9,020円です。これでも新幹線よりはだいぶ安いですがまだまだです。青春18きっぷを併用することにより、下り(東京⇒大阪)の場合4,260円、上り(大阪⇒東京)の場合は5,110円で東京〜大阪を移動できます。
利用できる期間が限られていますが、春(最近無くなった)、夏、冬の行楽シーズンにあわせて発売されますので十分利用価値があります。青春18きっぷについては 「青春18きっぷ」とは? で解説しています。

下り(東京⇒大阪)の場合は夜12時をすぎて最初に停まる駅が小田原です。東京〜小田原の運賃は1,450円ですので青春18きっぷは使わずに普段通りきっぷを買って乗車し、車内で小田原以降の日付のスタンプを青春18きっぷに押してもらいます。したがって運賃は、乗車券(1,450円+2,300円)+指定席券(510円)=4,260円です。


←垣

←田

←京
在来線ムーンライトながら
青春18きっぷ(2,300円)1,450円

上り(大阪⇒東京)の場合は夜12時をすぎて最初に停まる駅が大府です。大阪〜大府の運賃(3,570円)は青春18きっぷの一回分より高いので18きっぷを使った方が得になります。従って大阪〜大府、大府〜東京の2日分が必要となり、運賃は乗車券(2,300円×2)+指定席券(510円)=5,110円です。下りよりは高くなりますが移動初日の朝から利用できるので、大阪までの移動にも使えます。
上りも下りもムーンライトながらは早朝に到着するので、到着日の夜12時まで乗り放題となり、さらに遠くまで行くことができます。

阪→

垣→

府→

在来線ムーンライトながら
青春18きっぷ(1日目)青春18きっぷ(2日目)

乗り心地
ムーンライトながらは特急車両を利用するので座り心地はかなり良いです。座席のリクライニングもあります。しかし乗車時間は5〜6時間あります。
車内灯が付いたままですので暗くないと眠れない人はアイマスクが必要でしょう。車内放送は深夜帯はなくなります。車内にはトイレと洗面台があります。デッキと車内とのしきり(扉)が無いのでデッキに近い席は冬は非常に寒いです。
運が悪いと、ずうっと騒ぎ続ける人達が近くの席にいるかも知れません。
車両の端には4人用のセミコンパートメントもあります(右写真)。座席のリクライニングがありませんがテーブルが設置されています。座席指定券を購入する時にセミコンパートメントと指定することで予約できます。4人の旅行には最適です。

ムーンライトながら91号,92号
特徴
ムーンライトながらは、青春18きっぷの時期はとても混雑し指定席券を取るのが困難です。もし取れなかった場合はムーンライトながら91またはムーンライトながら92の指定席券を確認してみてください。。
ムーンライトながら91号,92号は混雑期に設定される臨時列車です。ムーンライトながら91号が下り、92号が上りです。2008年の夏は91号が8月1日〜17日に、92号が8月2日〜8月18日に運行されました。冬期にもお正月をはさんで運行されます。
通常のムーンライトながらとほぼ同じ時間帯を走ります。車両は一昔前の特急車両が使われます。懐かしい鉄道唱歌のチャイムを聴くことができます。
利用方法
ムーンライトながらと基本的に同じですが、東京〜大垣の全区間、全席が指定となっており、やはり指定席券を取得しなければなりません。
全車、全席禁煙席となっています。
時刻表
主要駅の発車時刻を表にしました。(2008年8月現在)
ムーンライトながら91号、92号の時刻は頻繁に変更されます。必ず最新の情報を利用してください。

方向東京小田原豊橋名古屋大垣
91号→23:200:554:045:225:55
92号←5:204:020:4223:4323:01

各時刻は発車時刻です。終着駅は到着時刻です。
通常のムーンライトながらの時刻表と比べると分かる通り、下りの場合、出発時刻はあまり違いませんが、大垣到着は1時間近く早くなっています。よって時間を有効に使いたければムーンライト91号のほうが適しています。
運賃
運賃は、通常のムーンライトながらと同じです。
91号下り(東京⇒大阪)の場合は、乗車券(1,450円+2,300円)+指定席券(510円)=4,260円です。



←垣

←田

←京
在来線ムーンライトながら
青春18きっぷ(2,300円)1,450円

92号上り(大阪⇒東京)の場合は夜12時をすぎて最初に停まる駅が刈谷になります。大阪〜刈谷の運賃(3,570円)は青春18きっぷの一回分より高いので18きっぷを使った方が得になります。従って通常のムーンライトながらと同様に、運賃は乗車券(2,300円×2)+指定席券(510円)=5,110円となります。


阪→

垣→

谷→

在来線ムーンライトながら
青春18きっぷ(1日目)青春18きっぷ(2日目)

乗り心地
ムーンライトながら91号、92号は旧型の特急車両を利用するので座り心地はまあ普通でしょう。座席のリクライニングもあります。
車内灯が付いたままですので暗くないと眠れない人はアイマスクが必要でしょう。車内放送は深夜帯はなくなります。車内にはトイレと洗面台があります。
下りの場合は、通常のムーンライトながらよりも停車駅が少ないため眠りやすいと思います。冷暖房が丁度いい温度になってないときがあります。
昔ながらのL特急に乗っている気分になるため、私はむしろ通常のムーンライトながらよりこちらを好んで選びます。


このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください