このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 
舞踊組曲「母子慕情」観劇

 原稿は今柴有美子さんより

 8月19日(日)残暑の厳しい昼間の2時、鳴門市文化会館で開催された舞踊組曲『母子(ははとこの)慕情(ぼじょう) 傾城阿波の鳴門』を鑑賞した。
 四国大学の田村典子教授率いる創作舞踊集団「ときめきダンスカンパニー四国」の現代舞踊と日本の古典芸能「文楽」、そして「娯茶平」の阿波踊りが見事に融合した不思議な幽玄の世界を息を呑んで体感。人形浄瑠璃のおゆみとおつるの母と子の悲劇を軸に親子の絆や命の尊さを伝える全6幕の舞台に観客は鳥肌が立つほど魅了され涙した。
 この舞台は2005年4月にも「母子慕情 幼心ははかなき花紅葉」と題して一度上演されている。その時に私は徳島にも全国に誇れるこんなに素晴らしい芸術文化があるのだと大変感動を覚えた。そして徳島県民全ての人にぜひ観て欲しいと思った。今回国民文化祭の一環として手直しをして再上演されることになり、徳島だけでなく東京の新国立劇場でも公演。早くからチケットは完売。レベル的にも高いということで東京でも非常に好評だったそうである。
徳島から発信する文化や芸術はまず徳島の人たちに興味や関心を持っていただかなければ全国の方にアピールすることは出来ない。
 鑑賞後、おつるが亡くなった後のおゆみの心情が良く表現されていて涙が止まらなかった。古典芸能と現代舞踊、阿波踊り、音楽と舞台美術の融合がすばらしかった。十郎兵衛がわが子のおつるを殺めてしまう場面では親子の傷ましい殺人事件が後を絶たない昨今に照らし合わせ身につまされたなどの感想を持った。観客は大きな余韻を残して家路につかれたと思う。
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