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●ガイドウェイバス「ゆとりーとライン」



大曽根−ナゴヤドーム前矢田−砂田橋−守山−金屋−川宮−川村−白沢渓谷−小幡緑地
ここまでが専用高架道路を走る。※鉄道扱いとなっている。
ここより通常バスとして地上走行。
高蔵寺行き(JR中央線高蔵寺駅前/愛知県春日井市)
竜泉寺口−竜泉寺−吉根口−下島−吉根−上島(西)−上島(東)−志段味西小学校−荒田−天王橋−志段味支所北−中志段味−藤塚−寺林−上志段味−新東谷橋南−東谷橋−高蔵寺(JR中央線高蔵寺駅前/愛知県春日井市)
平池南〜島の口(サイエンスパーク経由)中志段味・高蔵寺行き
荒田より分岐−平池南−太鼓ケ根−東尾張病院−長廻間−吉根住宅−玉野川学園−志段味スポーツランド−志段味サイエンスパーク−穴ケ洞−島の口−天王橋で合流する。

※赤文字:高架区間(大曽根−砂田橋/名古屋市東区)、以下守山区内走行。
※緑文字:地上走行区間(守山区内)、高蔵寺(愛知県春日市) 
※志段味サイエンスパーク経由(全駅地上走行区間)、「荒田」で分岐「天王橋」で合流する。
※ほぼ全てのICカードに対応。(名古屋市発行敬老パス全線対応)
※「守山市民病院」駅は2013年(平成25)3月31日市立病院廃止、民間病院となった事により同年4月1日より「金屋(かなや)」駅と改称。



写真 車輪脇、車体下部より突き出た案内輪(高架走行時は収納される)。案内輪は高架道路部の中央、側面部に設置された案内レールにそって回転する。
守山区北東部の交通渋滞解消と名古屋市が推進する志段味ヒューマンサイエンスパーク(現名古屋サイエンスパーク)の足確保等のため1985年(昭和60)3月当時の建設省がガイドウェイバス開発構想に着手し、1994年(平成6)4月名古屋市・名鉄・JR東海バス等地元企業を中心とした第三セクター「名古屋ガイドウェイバス株式会社(本社/守山区竜泉寺二丁目301番地)」が発足、1995年(平成7)5月事業認可がおり工事に着手し、2001年(平成13)3月23日総工費376億円をかけ開業。
名古屋市東区大曽根・JR中央線高蔵寺駅間約14kmが開通。その内高架区間大曽根・小幡緑地間約6.5kmは道路中央の専用高架区間、それより先高蔵寺(JR中央線高蔵寺駅前)までは地上走行をする。


大曽根・小幡緑地間の専用高架道路は、上下一車線の高架部分の路面中央・側面に案内レールが設置され、その案内レールにバスの車輪脇から突き出した案内輪をなぞらせ走行。運転手はこの間ハンドル操作を必要としない。バスは小幡緑地駅を過ぎると案内輪をスイッチ一つで車体の下に収納し地上の一般道路を通常走行する。
ここからもバスの高速性・定時制を保つため交差点信号をバス優先にするため光信号を発し青信号をコントロール(PTPS、公共車両優先システム)する。高架部を時速60km程で走行、地上走行では青信号をコントロールし従来中志段味・大曽根間48分を28分ほどに短縮、ラッシュ時には4分、通常時約10分間隔で運行している。

使用車両はハイブリッド車など各種排出ガス規制等環境優先車両。運転手は地上走行の大型二種免許と高架用の無軌条電車運転免許(トロリーバス用)の二種類が必要。高架部では風速25mにて安全のため運転を見合わせ、また郊外のバス停付近に大型駐車場を造り自家用車からバスへ乗り換え都心へとパークアンドライド方式を目指している。

6万人の人口増を見込んだ志段味ヒューマンサイエンスパーク(現名古屋サイエンスパーク)構想もその進捗状況ははかばかしくなく、公的研究機関の集積を図るAゾーン、大学・研究機関などの集積を図るBゾーン、民間の研究開発施設などの集積を図るCゾーン、そして市民と先端科学技術のふれあいの場ゾーンが設定されたが、2012年(平成24)6月、Bゾーンの理工系大学誘致は断念された。しかしながら志段味地区一帯は現在新たな開発が進み、住宅・大型ショッピングセンターなど建設が進み、公共交通機関に恵まれない志段味・吉根・川東地区の方々にとっては重要な足となっており、当初60%前後の乗車率も年々向上し、満員になる車両も珍しくない。

日本初、海外ではドイツ、オーストラリア、近年ではイギリスで実用化されている同システム。乗車環境は快適そのもので渋滞の道路を眼下に快適に走行し眺めも良好。しかし高架道路のおかげで沿線住民の一部は日照権を侵害されたり高架駅への乗り降りはエレベータ使用など不慣れなお年寄りや弱者には若干の不便もある。
現行高架区間は小幡緑地までで志段味地区の路線は地上走行のまま。現在道路拡張工事が暫時なされており、2005年(平成17)1月、志段味地区の方々、区民を中心に約3000名の署名を集め「名古屋ガイドウェイバス志段味線高架区間延長促進期成同盟会」(ガイドウェイ同盟会)が結成され、志段味地区を経由しJR中央線高蔵寺駅までの高架延長を求め関連機関への陳情、名古屋市議会への請願書提出など運動が始まっており、また都心方面への直接乗り入れも検討され今後楽しみな新交通システムとなっている。


●現状と今後
2006年(平成18)3月決算において債務超過に陥り名古屋市では総務省のガイドラインに基づき2009年(平成21)7月より外部の有識者会議を開き名古屋市交通局との統合を念頭に経営改革を初め、2009年(平成21)10月1日、名鉄バス、JR東海バスが運行より撤退した事によりダイヤ等大幅変更をし運行主体は名古屋市交通局に移行した。
・2005年(平成17)4月14日 乗車人数1000万人達成。
・2008年(平成20)5月17日 乗車人数2000万人達成。




写真上左 名古屋ガイドウェイバス株式会社本社。(小幡緑地駅横)
写真上右 小幡緑地駅北にて高架より一般道路へ出て地上走行へ移る。
     ここより床下案内輪は収納され通常バスとなる。

写真中左 高架部の駅はほぼ全駅同じデザインで、歩道脇のエレベータ棟と高架道路を
     チューブで覆った様な駅部分をガラス張りの連絡橋でつなぐ構造となっている。
     (写真は川宮駅)
写真中右 乗降風景。(小幡緑地駅)。 
写真右  宮前橋を眼下に矢田川を越えると、程なく地下鉄砂田橋駅に着く。
     (遠くに見える銀色のドームは中日ドラゴンズの本拠地「ナゴヤドーム」)



●リンク
名古屋ガイドウェイバス株式会社
名古屋市交通局




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