PC-98のIRQについて

• IRQとは
  
  　PCには、ハードディスクコントローラ、フロッピーディスクコントローラ、シリアルポート、パラレルポート、キーボード等々、さまざまなデバイスが接続されている。
  　それらのデバイスが処理すべき仕事が起こったとき、その処理をCPUに要求するために「IRQ信号」というのが使われる。
  
  　IRQ……Interrupt Request（割り込み要求）
  
  　ビデオカード、SCSIカードなど、大抵のオプションカードデバイスは、その動作のために「IRQ」というシステムリソースを要求する。
  　同じIRQを複数のデバイスが使うことは原則としてできない。
  　PCではIRQが15個用意されている。ところが、最近のAT互換機では最初から殆どが埋まっていて、オプションカード用には1〜2個しか空いていない。
  
  
  
• IRQ使用状況の一覧表示（Windows9x）
  
  
  1. デバイスマネージャを開く。
  2. ツリー表示で「コンピュータ」を選択し、プロパティのボタンを押す。
  3. コンピュータのプロパティが開く。「リソースの表示」ページ、「割り込み要求」ボタンを選択。

• PC-98におけるIRQ
  
  　IRQには0から15の番号が付いている。
  　PC-98の場合、ユーザーが自由に使用できるIRQはINTと呼ばれ、6つしかない。しかも、INT3は内蔵ハードディスクが、INT6は98バスマウスが使用している。
  　さらに、出荷時状態で、
  
  　　　INT0　　ValueStar標準モデム
  　　　INT1　　2ndシリアルポート
  　　　INT2　　内蔵ウインドウアクセラレーターMystique、内蔵USBインターフェイス
  　　　INT5　　内蔵WSS
  
  　がそれぞれ使用しているので、ユーザに開放されているINT（IRQ）はINT41（「よんのいち」と読む）だけである。
  　要するに、そのまま増設出来る周辺機器1つしかない。（更にJOYSTICK/MIDIポートはINT41を使用）
  
  　なお、PC-98シリーズでは、割り込みベクタ番号を示すときに INTという表記が一般に使われるが、x86系のCPUで認識されるIRQ番号とは互換性はない。
  　以下に、対応表を示す。
  
  

  IRQ	INT	現在のハードウェア
  00	-	システムタイマ
  01	-	NEC PC-9800 シリーズ キーボードまたは 98 スタンダード キーボード(95)
  02	-	スタンダードディスプレイ アダプタ(9821 シリーズ)
  03	INT 0	ＰＣカード用
  04	-	通信ポートサポート115.2Kbps(COM1)
  05	INT 1	CONTEC C-NET(98)E-11(10BASE-T NIC)
  06	INT 2	Logitec LHA-301 SCSI Interface PCカード I/F
  07	-	プログラミング可能な割り込みコントローラ
  08	-	数値データプロセッサ
  09	INT 3	スタンダード IDE ハードディスクコントローラ
  10	INT 41	PC-9821 TGUI968x,Cyber938x,Providia9685(Trident) PCIステアリング用 IRQ ホルダ
  11	INT 42	標準プロッピーディスクコントローラ
  12	INT 5	Mate-X PCM/(ＰＣカード)
  13	INT 6	標準バス アダプタ マウス
  14	-	プリンタポート(36pin Parallel Interface)(LPT1)
  15	-	システム CMOS/リアル タイム クロック

  
  
  　※C-BusボードはIRQを原則1つずつ使用しますが、PCIデバイスについては、競合する場合もありますが、IRQのシェアリング（共有）が可能で、同じ番号のIRQに複数のデバイスを割り付けることが可能です。
  　PCIデバイスはPnP対応なので、挿してやれば、IRQが埋まっていても自動で空いているIRQに入ってくれる。
  
  
  

  PCカード増設アダプタのIRQ問題
  
  　PCカード増設アダプタ（PC-9821XA-E01など）を取り付けたのだが、「PCカードアダプタ自体のデバイスは正常に動作しているように見えるしPCカードも認識するのだがPCカードが動いてくれない」ということがある。
  　普通に使うとIRQが足りなくなる筈で、PCカードアダプタ自身にも、利用するカード以外にIRQが1つ必要である。
  
  　従って、サウンドや、2ndシリアル、2DD/2HDの自動切換えなど封印して、あいたIRQにPCカードアダプタを割り当ててみる、PCカードアダプタのI/FにあるPnPのON/OFFスイッチをOFFに設定するという工夫が必要だ。
  　非PnPモードでは、Windows98環境では「ハードウェアウィザード」により手動で「NEC PCMCIA コントローラ」を組み込む必要がある。