このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


鉄道模型の主な規格について



  1. 欧米の規格

     鉄道模型はヨーロッパで生まれた趣味であるから、その規格の基本はヨーロッパの鉄道、すなわち標準軌(軌間1434mm=4フィート8 1/2インチ)上を走る鉄道である。これが以下のような縮尺で模型化されている。

    主な規格
    ゲージ名縮尺模型の軌間計算上の実軌間由来備考
    1:4532.0mm1440.0mm0番ゲージアメリカのOゲージ市場は巨大
    HO1:8716.5mm1435.5mmHalf of O世界中で最も普及している規格
    1:1609.0mm1440.0mmNine
    1:2206.5mm1430.0mm「これ以上小さい模型は作れまい」ドイツのメルクリン社が考案


     縮尺の分母と軌間を掛け合わせると大体1435mmになるのが分かると思う。なお日本型でも新幹線は標準軌なので、新幹線車輌はこの規格で模型化されている。



  2. 日本の鉄道模型

     日本の鉄道は、旧国鉄の路線を中心に軌間1067mm(=3フィート6インチ)を採用している路線がほとんどである。これは以下のような規格で模型化されている。

    日本の鉄道模型の規格
    ゲージ名縮尺模型の軌間計算上の実軌間派生元備考
    32.0mm

    16番1:8016.5mm1320.0mmHO鉄道模型趣味誌の創刊者・山崎喜陽氏が規格を制定
    9mm1:1509.0mm1350.0mm日本では最も普及している


     縮尺の分母と軌間を掛け合わせると、1067mmよりもだいぶ広くなった。
     しかし、Nゲージ,HOゲージともに、縮尺の違いには目を瞑り、世界規格のレール(9mm,16.5mm)の上で走らせることに重点を置いて日本型が作られた。
     日本では「HO」と言えば16.5mm・1/80を指すのが現在の主流になっている。



  3. ファインゲージ

     1970年台より、16番模型の「超」ともいえる細密化がブームとなり、鉄道模型雑誌の誌面を飾るようになった。
     しかし、細密にこだわって厳密さを求めれば求めるほど、16番が持っているおおらかさが厳密への要求と相反するものとなった。特に、車輪が剥き出しの蒸気機関車が顕著で、実物に比べかなりのガニ股になる。
     そこで日本型の美しさを追求するマニアが作り出したのが、以下のような規格である。ファインゲージと総称される。

    日本のファインゲージ
    ゲージ名縮尺模型の軌間計算上の実軌間派生元備考
    OJ1:4524mm1080mm
    13mm1:8013mm1040mmHO従来の16番の縮尺で、車輌の足回りのみを改造
    12mm
    (HOj)
    1:8712mm1044mmHOヨーロッパの鉄道模型や新幹線などと同一の縮尺
    まだ歴史が浅く、製品としては存在しない
    1:160
    存在しない
    (個人的に試みている人はいるようだ)


     16番ゲージに対して2種類(12mmと13mm)の規格が成立してしまったのは、
    • 従来の16番の製品・部品の蓄積を最大限利用可能(13mm)
    • 上回りと下回りのバランスが良い(12mm)
    が並存したためだ。

     ※線路の幅と他の部分の縮尺率が(ほぼ)同じ縮尺の模型を「ファインゲージ」「ファインスケール」「Trueスケール」などと呼ぶ。



     ※ナローゲージ

     上に書いてないのですが、実物にもあったナローがある。
     日本でも旧国鉄の1067mmに対し、軌間762mm(=2フィート6インチ)の軽便鉄道(北海道の簡易軌道も含め)が存在していた。
     これを1/87で縮尺したのが、9mmナロー(偶然にもNと同じ軌間)と呼ばれる。「HOn2-1/2」や「HOe」とも呼ばれる。



  4. ゲージ論

     HOスケール(=1/87)近傍のスケールにこだわる人(主に日本型愛好家)が集まると、時折「ゲージ論」と称する議論が盛り上がることがある。
     その主な論点は、「16番(1/80日本型)の模型をHO(ゲージ)と呼べるか否か」

     最終的には
    • 「厳密な意味(または国際的な定義)では16番はHOと呼べない」
    • 「日本国内では、雑誌広告でも模型店でも昔からHOと呼んできた。今更HOという呼び方は変えられない」
    という2つの意見が、全くの平行線をたどることが多いようだ。

     重要なのは、16番の規格には欧米型HO(1/87 16.5mm)のスケールモデルが含まれていることだ。16番は、以下の規格を含んでいる。

    16番の規格
    ゲージ名縮尺模型の軌間計算上の実軌間備考
    16番
    (#16)
    1:8016.5mm1320.0mm日本型・軌間1067mm
    1:871435.5mm日本型新幹線・軌間1434mm
    1:871435.5mm欧米型・軌間1434mm
    1:901485.0mm朝鮮型


     呼び方で手持ちの模型の本質が変わることはないのだが、趣味の世界であるがゆえに「HO」という横文字の呼び方はある意味でのステータスとなってる方も多いようで、当分この混沌状態は続くと思われる。



     ※トレイン誌の呼称提案

     なお、これらのゲージ呼称について、以前、トレイン誌が、明確に区別した呼称を提案している。

    トレイン誌の呼称提案
    ゲージ名縮尺模型の軌間派生元備考
    HOs1:8712mm12mm
    (HOj)
    スイスのメーターゲージ(HOm)も
    模型の縮尺と軌間は同じ
    JF1:8013mm13mm
    1:80(日本型)
    1:87(新幹線,欧米型)
    1:90(朝鮮型)
    16.5mm16番


     しかし、「1/80 16.5mmの日本型鉄道模型はHOと呼ぶんだ」という意見と「1/87 12mmゲージは既に「HOj」とか「HOn3-1/2」の名称があるのに新たに名づける必要は無い」という意見もあり、提案された呼称は浸透していない。



このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください