このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


 「行ったときは勝つ」



 ◆解説

 自分が実際に球場に観戦に行くと、贔屓のチームが勝つ、というようなことをよく聞く。
 それは当人にとってみれば非常に縁起の良いことなのだろう。嬉々として、得意気に言う。
 そんな人が、案外に多いように思う。
 野球は勝負事だから、フィフティフィフティのはずである。本当なのか? 検証してみる。



 ◆検証1

 球場に見に行く、といった時には、大抵、地元のホームチームの本拠地だ。通常はビジターよりホームチームの方が分が良い。これは正に地の利。
 そうでなくても、球場に見に行く動機として、話題性や、チームが好調であることなど、有利になる状況があってのことである場合が多い。
 つまり、チームの勝率が高い状況の時に見に行っているのである。チーム自体の勝率が良いのだから、見に来た時も勝つことが多いのは当然のことだ。
 従って「行ったときは勝つ」などと言うのである。


 ◆検証2

 チームは応援が多いほうが、やり易い。逆に、相手の応援が圧倒的に多ければ、非常にやりにくい。
 例えば、阪神大震災のあった1995年の春の高校野球全国大会では、兵庫県勢3校が出場し、その圧倒的な応援によって3校とも初戦突破を果たした。
 球場に観戦に行くということは、その分、応援で加勢をすることだから、チームにとってプラスになる。当然、チームの勝率は良くなる。
 従って「行ったときは勝つ」などと言うである。


 ◆検証3

 実際は勝率は五分五分なのだ。だが、勝ち試合を見たときのほうが印象に残る。勝ち試合では試合終了まで応援や観戦に集中し、試合が終わってからの余韻も残る。
 一方で、負け試合では、終盤になるほど観戦に集中しない。諦めムードになり、途中で席を立つこともあり得る。試合後の余韻もない。そうすると印象も薄くなりがちである。
 勝った試合を覚えていて、負けた試合を忘れただけのこと。記憶の中では勝率が良い。
 従って「行ったときは勝つ」などと言うのである。



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