新幹線規格について

• 解説
  
  　新幹線鉄道と在来線が直通できないことによるデメリットを極力軽減させるためと、新幹線鉄道の建設費圧縮のため、1991年の全国新幹線鉄道整備法改正において「新幹線鉄道規格新線等」という新たな鉄道が設定された。
  
  　1980年代、整備新幹線の建設を求める声は高いが、新幹線の全線着工は不可能である。そこで、新幹線予定線と並行する在来線を一部流用し、山間部などのカーブが多い区間などに新幹線を部分的に着工する、という案が登場した。
  　この案に「フル規格新幹線」「ミニ新幹線」「スーパー特急」という3つの用語が現れた。
  
  

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• 規格概要
  
  「線路と車両をすべて一新するフル規格はウナギ。在来線高速化のスーパー特急はアナゴ。そしてミニ新幹線はドジョウ」。
  　新幹線誘致の関係者は3つの新幹線整備手法を費用と効果、満足度から3種類の魚に例える。
  
  

  規格	基礎部分	軌間	速度の目安	実例
  新幹線 （フル規格新幹線）	新幹線規格	標準軌（1,435mm）	最高300km/h	東海道・山陽 東北 上越・北陸（高崎〜富山） 九州
  スーパー特急 （新幹線規格新線）	新幹線規格	狭軌（1,067mm）	200km/h	北陸などの整備新幹線
  ミニ新幹線 （新幹線直通線）	在来線規格	標準軌 または三線軌道	130km/h	秋田・山形
  在来線	在来線規格	狭軌（1,067mm）	100km/h

  
  
  
• ミニ新幹線とスーパー特急
  
  

  ミニ新幹線 （新幹線直通線）	規格	スーパー特急 （新幹線規格新線）
  新幹線の直通運転	要点	在来線の高速化
  在来線の線路を標準軌に改軌、または三線軌道に変更する。 車両は在来線規格の大きさ。 フリーゲージトレインの導入が検討されている。	概要	フル規格の新幹線車両が走行可能となるようにトンネルの大きさや橋の幅などを確保して建設。 当面は軌間を狭軌として、在来線と直通。
  スピードアップが安価に行える。 建設工期が短く済む。 新幹線との直通運転により乗客の利便性が向上。	利点	速度は200km/h以上は出せる。 将来的にいつでもフル規格に整備することができる。
  速度は130km/h程度。 新幹線というネームバリューとは程遠い。	欠点	建設コストは高く、フル規格新幹線に匹敵。
  山形新幹線 秋田新幹線	実例	青函トンネル・瀬戸大橋 北陸などの整備新幹線