このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


「急行」電車に乗って

地下鉄の急行

 去年の暮れから、都営新宿線で「急行」運転が、始まりました。地下鉄線内での初めての、本格的な「急行」運転です。私は、新宿線沿線に住んでいますが、サラリーマンなので、実際に利用する機会がありません。なぜなら、平日の日中の運転だからです。一度、地下鉄での「急行」運転を体験したいと考えていましたが、先日、私用で会社を休んだ日に乗ってきたので、少しレポートをしたいと思います。なを、鉄道ピクトリアル誌の98年4月号に、新宿線での「急行」運転に関する記事が、出ています。このリポートを書くにあたっての参考と、させていただきました。

 新宿近辺での用事を済ませて、新宿線の新宿駅のホームには、13時頃につきました。ちょうど「急行」は出たところで、次は、13時09分発です。「急行」は、新宿・本八幡間の運転で、20分に1本です。都営新宿線の電車は、以前は、笹塚・本八幡間の「普通」と、橋本・本八幡間の「快速」で、いずれも京王線に乗り入れていましたが、「急行」は、京王線には乗り入れません。(笹塚・新宿間も都営新宿線だと思っている人もいるかと思いますが、正確には京王新線です。)しばらく待っていると、新宿止まりの「急行」が、やってきました。それが、始めにある写真です。車両は、ラッキーなことに、急行運転に伴う時刻改正で増備された最新車両です。この編成は、山手線のADトレインなどと同じで、1社の広告で統一されているようです。この電車が、折り返し、本八幡行き「急行」になるようです。新宿駅では、着いたホームからそのまま折り返すのではなく、一旦、笹塚方へ引き揚げていきました。先の雑誌の記事によると、はじめから引き上げ線が、用意されていたそうです。今まで、本八幡方面から新宿止まりの電車が、ほとんど無かったので、そんなものが有るとは知りませんでした。

発車時刻 何本かの「普通」電車を見送って、「急行」が発車する時間が、近づきました。先ほどの電車が、再びホームに入ってきました。鉄チャンとしては、先頭車両の運転席の後ろから、かぶりつきで前を見ないわけにはいきません。地下鉄なので、ほとんど景色は見えませんが、途中でさっき出ていった「普通」を、追い越すので、興味がありました。ところがです、何と、運転手は、右側のブランドまで降ろしてしまい、前が一切見えません。なんで、右側までブラインドが有るんだ、関西じゃそんなとこにはないぞ。気を取り直して、座席に座ろうとすると、運転席右後ろの座席は、半分くらい有りません。今流行り?の車椅子スペースに、なっているのです。これではもう座れないかというと、そんなことは有りません。予想通り、空いています。元々、新宿線は、そんなに混んでいない上に、途中の駅に止まらないので、次の電車を待つ人もいます。


 

 発車時間が来て、ドアが閉まり、電車が動き出しました。次の停車駅は、市ヶ谷です。発車は、当たり前ですが「普通」と変わりません。新宿三丁目の駅が近づき、これからが、地下線内での通過という珍しい体験をすることになるわけです。そのままのスピード(最高速度は、75キロです。)で通過するわけではなく、減速を始めました。ホームは、減速して通過するようでホームの端が近づくと、再び力行を開始しました。(50キロぐらいで通過するそうです。後で乗った電車は、ブラインドを閉めていなかったので、運転席の後ろで確認したのですが、先頭車両の停止位置付近にある「P」マークを通過すると力行するみたいです。)曙橋も通過して、市ヶ谷に着きました。市ヶ谷駅では、比較的長く止まっていたように感じました。岩本町で、前の電車を抜くのですが、普通に発車すると近づきすぎ、信号の規制を受けることになるのでしょうか。

10-000形前の増備車 市ヶ谷を発車して、九段下は通過し、神保町に止まります。「急行」運転をすると聞いたとき、他線と連絡する駅には、止まるのだろうと思っていたので、九段下や小川町に止まらないのは意外でした。神保町も長めに止まって発車しましたが、小川町を過ぎると加速せずに、減速となりました。予想通り、前の電車に追いついてしまったみたいです。岩本町の駅は、3線2ホームという形態で、ホームが2つ有りその外側に線路が有り、内側には共通の線路が有ります。普通に考えれば、外側の線路を通過することになるのですが、ここでは、内側を通過します。そのため、ポイントの通過制限も受けかなり減速しての通過となります。いつも電車が止まる線を通過すると危険だから、いつもは使わない線を通過するといううわさも有りましたが、通過時間が、上り下りとも近いので、中線だと待ち時間がとれないのが真相のようです。岩本町を過ぎれば、馬喰横山に停車です。この駅では、かなりの乗り降りが有りました。但し、前の方が都営浅草線の乗り換えに便利だからかもしれません。


 

10-000形オリジナル 馬喰横山の次は、大島まで止まりません。通過駅が、最も多い区間で、その中には自宅最寄りの西大島も含まれています。この間で、工事中の都営12号線と森下駅で、営団半蔵門線と住吉駅で連絡するので、その頃まだ「急行」が運転されていれば、どちらかには「急行」が止まることになるのでしょう。大島の駅も3線2ホームですが、停車となるので外側線に停車です。大島の本八幡側には、車庫への入庫線が分かれています。東大島の手前で地上へ出て、東大島の駅は高架ですが、やはり減速して通過します。他の線の「急行」なら、地上駅で減速する例はあまり無いと思います。荒川を越えれば、船堀に停車です。船堀の先で、再び地下に入ります。一之江の駅を通過すると、チャイムが鳴り、減速信号が出たようです。次の,瑞江の駅で、2回目の追い抜きとなるのですが、「普通」に近づきすぎたみたいです。瑞江は、岩本町と違い4線1ホームで、島式のホームの両側に停車線が有り、さらに、その外側に通過線が有ります。但し、ホームからは、壁があるので通過線は見えません。こんな構造なので、この駅を通過するときには、減速の必要は有りません。篠崎を過ぎれば、終点の本八幡です。


 

10-000形最新車 ここまで、約30分で着きました。「普通」だと、40分かかるので、10分の短縮です。都営新宿線は、始めにも書きましたが、20分を1パターンとした運転です。平日の日中は、20分で「普通」が2本、「快速」(快速運転は京王線内で、地下鉄線内は普通と同じ)が1本と「急行」が1本となります。本八幡で見ると、新宿には、「急行」のすぐ後に発車する橋本行き「快速」を除いて、「急行」が先着します。かなり、便利なダイヤだと思いますが、平日の昼間にその区間を利用する人がどれくらい居るでしょうか。私としては、他の時間帯にも運転しないと、ジリ貧になると思いました。



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このページの写真は、FUJIのDS-30を使い撮影しました。


2003/02/10引越しに伴い修正
注意:このページは古いダイヤに基づいて書かれています。現在は大幅に変わっています。m(__)m


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