このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


あるいはワンランク上の旅のはずだった

旅立つ前のときめき

 3月2日から2泊3日の予定で、札幌まで行ってきました。
この旅の目的は、寝台特急「カシオペア」に乗ることでした。「カシオペア」は、二人用のA寝台のみで編成された豪華列車です。1人ものの私にとっては、とても利用しにくい憧れの列車です。利用が悪くなる冬場に、JRが企画切符として1人で利用できる「カシオペアシングルユース券」を設定したのでこれを使って旅立つことにしました。
 「カシオペア」を利用することが目的ですから、札幌についてからが問題です。その日のうちに戻ってもいいのですが、さすがにそれは寂しいのでどこかで一泊しようと思いました。釧路のあたりでSLの運行もしているので、流氷とSLなどもいいかもしれません。「カシオペアシングルユース券」は、2週間前に空きがあると購入することができます。帰りの航空券も、それ以後でないと手配できません。(当然、普通運賃を払うつもりならこんな制約は発生しませんが。)「カシオペア」の空きを確認してから、航空会社のサイトで空席を検索します。札幌発は、出発時間と費用を秤にかけるといいものがありません。もともと札幌行きが目的ではないので、他の空港からの便も検索しました。特に、釧路からの便に空きがないかと思ったのですが、利用できそうな時間は満席です。ともかく、「カシオペア」の切符だけでも確保して、2、3日考えることにしました。出発の何日か前になると空席が増えることもあると考えたのです。(キャンセル料が変わる時にキャンセルが多くなるのと、団体旅行のキャンセルが起きるためだと認識しています。)
 「カシオペア」の切符を買って帰ってから、再び、インターネットにトライ。全日空の空席を検索しましたが、特割で20,000円の便なら空席がありますが、14,000円の便となると最終便にしか空席がありません。でも、最終便ではあまりにも羽田着が遅いのです。そのとき、74便のスーパーシートに空席があることに気がつきました。特割のスーパーシートというものが存在するようです。料金を調べると、特割運賃+スーパーシート料金になるようです。すると、14,000円+4,200円の18,200円ということになります。決まりました、すぐに、74便スーパーシート特割運賃で予約です。旅のコンセプトも決まりました、ワンランク上の旅です。これが、2泊4日の旅の始まりになるとは、神ならぬ私には、分かるはずがありません。

カシオペアに乗って

 金曜日に会社を休み、上野から出発です。先にも書いたとおり、「カシオペア」に乗ることが目的なので、札幌に着いてからの予定は決まっていません。できれば、札幌市電のささら電車が動いているところを見たいと思いましたが、残念ながら天候は悪くなりますが、雪ではなく雨の予報が出ていました。「カシオペア」の室内はさすがに広く、トイレや洗面所もついていて快適ではありますが、16時間あまり乗っているとさすがに暇です。車端にはロビーカーも連結されているのですが、今日は連結されていないということです。それはそれで、趣味的には面白いのですが、時間をつぶす場所がありません。もう寝るしかありません。その時、気になったことがあります。「カシオペア」の個室は二人用なのですが、ベッド配置がL字になっています。いくらA寝台とはいえ狭い車内なので、ベッドはくっついていますし、ホテルのベッドのように広くはありません。さあ、あなたならどのように寝ますか?頭をくっつけて寝ますか、足をくっつけて寝ますか、それとも、頭と足を....。
 夜が明けて、噴火湾を見ながら食堂車で朝食をとったりしているうちに札幌に着きました。土曜日は、小樽市内を観光し、札幌駅前の東急ホテルに泊まりました。翌朝、起きると雨でした。雪ならささら電車が見れるかと期待していたのでがっかりです。仕方がないので、市電に乗ったりしてその日を過ごし、新千歳空港に行きました。北海道を離れる時間が近づくと、雨は雪へと変わりました。出発予定を見ると、私の乗る便より前に出発予定の便にはすでに遅れが予定されているものもありましたが、私の乗る便は大丈夫なようです。

飛べ、ポケモン

 夕食をとってから搭乗口に進むとポケモンがいました。予定では、ポケモンジェットではなかったのでちょっと得した気分になりました。
しかし、窓の外の雪はだんだん強くなり、翼の上に積もった雪を除雪しています。搭乗予定時刻がきても、案内がありません。しばらくして、やっと搭乗が始まりました。搭乗が終わってもドアクローズされる様子がありません。やがて、10人ぐらい?の団体が乗ってきて、機内にどよめきが起きました。向うの方で、「TOKIOだ」という声が聞こえたような気がしました。やっと、ドアがクローズされて、機体がプッシュバックされ滑走路へと向かいました。30分ぐらい遅れているようです。しばらく動いてから、止まりましたが、まだ滑走路まで達していないようです。止まったまま、動く気配がありません。何分か止まっていた後、突然動き始めました。そして、機長からアナウンスがありました、「当機は雪のため新千歳空港にもどります」と。積雪の為、滑走路が閉鎖され除雪が行われるとのことです。どうやら、到着便がまだあり、着陸できないので除雪をするようです。
 出発したスッポトに飛行機は戻り、ボーディングブリッジも着けられましたが、30分ぐらいで除雪が終わるので待合室には戻れないとアナウンスがありました。時間が遅いので、客を降ろすと後で乗り込むのにまた時間を取られるので、降ろさないようです。飛行機内では携帯電話が使えない(使わないのがルール)ので、連絡が取れないことに不満を持つ人もいるようです。やがて、一番前のドアが開けられ、携帯電話を使いたい人間は、ボーディンブブリッジ内でかけるように案内がありました。時間だけが過ぎていきます。普通席なら狭いところに閉じ込められて、窮屈この上ない状態ですが、さすがスーパーシート、楽々手足を伸ばせます。また、30分ぐらい時間がたったでしょうか、CAがグランドクルーに怒られている声が聞こえてきました。ドアを開けたら再出発に時間がかかるではないかと言われているようです。早く出発してくれないと、羽田からの足がなくなるので気になってしようがありません。いっそのこと、休航になればどこかに泊まれるのでそっちの方がいいかもしれません。

到着は月曜日

 そんなことを考えているうちに、、再びドアがクローズされ滑走路へと向かいました。出発予定時間から2時間ぐらい過ぎています。アナウンスが有りました、「羽田到着予定は、24時15分ぐらいを予定している」と。最悪です、どう考えても羽田からの足が有りません。羽田到着後どうなるのかは何もアナウンスが有りません。再開後の出発ラッシュでなかなか離陸しません。行き先は、もう羽田しかないはずです。やっと離陸して、空に上がってしまえば、そこは別世界です。順調に飛行して、羽田のB滑走路に着陸しました。東京はきれいに晴れているようです。到着後については、まだ、何も案内がありません。タクシーで帰るしかないかと考えていると、飛行機はスッポトに到着し、ドアが開けられました。そこで、入ってきたグランドクルーが「バスが東京駅と横浜駅へ運転される」とアナウンスしました。
 急いでバス乗り場へ行くと、すでに長い列ができています。よく聞いてみると、先に切符を買わなければなりません。切符売り場にも長い列ができています。先に、札幌から着いた便の他に、スカイマークエアにも遅れがあったようです。切符を買って乗り場に戻ると、幸運にもすぐにバスに乗ることができ、またまた、順調に東京駅へと着きました。でも、ここからの交通機関がありません。うん、やっぱりワンランク上の旅、最後はタクシーで帰ることとなりました。


2001/4/8作成
2008/3/22移転に伴う修正

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